低所得の子育て世帯に子ども1人5万円の特別給付金がある?過去の事例を用いて解説!

投稿日:2023/03/23 最終更新日:2023/04/20
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政府は物価高対策に総額2兆円を超える対策を行う方針を固めました。この中の対策の1つが低所得者世帯への支援金です。

低所得者層へ一律3万円の給付と、それとは別に低所の子育て世帯には子ども1人あたり5万円の給付を上乗せする方針です。

低所得の子育て世帯へ向けた支援金は過去にも2回行われています。過去に行われた対策を確認して、今回の対策の対象が自分にも該当するのかを理解しておきましょう。

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この記事の監修者

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菅原良介

株式会社Finatext

ファイナンシャルプランナー

早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。Finatextグループで展開される投資・証券サービスのディレクターを担当。保有資格は「2級フィナンシャル・プランニング技能士」「日本テクニカル協会認定テクニカルアナリスト」。資産形成に関するセミナー講師や執筆活動も積極的に行っているほか、株式投資の基礎や資産形成、ライフプランニング、資金計画などのアドバイスを得意とする。

過去に行われた低所得世帯への給付金

低所得世帯への臨時の補助金は新型コロナウイルスの影響が拡大した2020年以降に2回行われました。

1回目は2021年で、こちらは低所得の子育て世帯の実情を踏まえた生活支援を目的としていました。2回目の2022年にはこれに加えて「食費等の物価高騰」が目的として付け加えられています。

参考:厚生労働省「令和4年度低所得の子育て世帯に対する子育て世帯生活支援特別給付金」(2回目)
参考:厚生労働省「低所得の子育て世帯に対する子育て世帯生活支援特別給付金」(1回目)

制度の概要

2022年4月に行われた低所得の子育て世帯に対する給付金は、物価高騰などを支援するという目的で行われました。

実際に日本の消費者物価指数は2022年に入り大きく上昇し、2022年1月は前年同月比0.5%でしたが、2022年4月には2.5%と急上昇しています。(2022年12月は4.0%)

参考:総務省統計局「2020年基準 消費者物価指数 全国 2023年(令和5年)1月分(2023年2月24日公表)」

このような経済の状況を支援するために子ども1人あたり5万円が給付されました。子ども1人あたりなので、子どもが2名以上いれば、1人につき5万円ごと上乗せされます。

対象者

この支援(2021年も同様)は低所得の子育て世帯を対象にしています。支給対象には条件があり、低所得のひとり親世帯(児童扶養手当受給者等)であること、もしくはその他低所得子育て世帯(住民税非課税世帯)である場合のいずれかに該当すると支給対象となります。  

対象①:低所得のひとり親世帯

1つめの条件である低所得のひとり親世帯の主な例は、児童扶養手当受給者であることです。

児童扶養手当は、離婚などによってひとり親である子どもに支給される手当です。子どもが18歳になった最初の3月31日まで養育している人に支給されます。児童扶養手当の支給には所得制限があり、所得が一定以上ある場合はひとり親でも支給されません。

また、児童扶養手当を受け取っていない場合でも、遺族年金や老齢年金等を受給していることにより児童扶養手当の普及を受けていない場合や、収入が減少して児童扶養手当を受給条件と同水準になった場合なども該当します。

参考:厚生労働省「児童扶養手当について」
参考:厚生労働省「低所得の子育て世帯に対する子育て世帯生活支援特別給付金(ひとり親世帯分)」

対象②:その他低所得の子育て世帯

ひとり親世帯以外の場合で対象となるのは、以下のどちらの条件も満たす場合です。

  • 18歳未満の児童(障害児の場合、20歳未満)を養育するもの(新生児等も対象)
  • 住民税均等割りが非課税である場合か、直近で収入が減少したことにより住民税の均等割りが非課税の場合と同水準となった場合

参考:厚生労働省「令和4年度子育て世帯生活支援特別給付金のご案内」

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給付金の対象となる低所得者とは?

給付金の支給対象となる低所得の条件は、ひとり親の場合とそれ以外で異なります。

ひとり親世帯の場合 児童扶養手当受給対象であること
ひとり親世帯以外の場合 均等割住民税が非課税であること

低所得世帯(ひとり親世帯)の定義

ひとり親世帯の場合、支給対象の条件は児童扶養手当を受け取っていることですが、児童扶養手当には所得制限があります。制限は所得によって手当の一部が支給される「一部支給」と、全額が支給される「全部支給」に分けられます。

所得制限限度額は前年の所得で判断します。おおよその金額は以下の通りです。

※年収が同じでも控除等により所得は異なるので、正確な金額はご自身の源泉徴収票などで確認してください

ここでいう低所得とは一部支給の所得制限を指します。児童扶養手当を受けていなくても、一部支給水準まで下がっていれば、申請することで給付金を受けとることができます。

扶養する児童等の数 全部支給の所得制限 一部支給の所得制限
所得ベース(収入ベース) 所得ベース(収入ベース)
0人 49万円(122万円) 192万円(311.4万円)
1人 87万円(160万円) 230万円(365万円)
2人 125万円(215.7万円) 268万円(412.5万円)

住民税非課税世帯

ひとり親世帯以外の低所得者の条件となる住民税非課税世帯ですが、実際には住民税のうち、均等割が非課税である必要があります。

住民税の均等割が非課税とはどういうことかを説明する前に、住民税について簡単に説明しておきます。住民税を大きく分けると「所得割」と「均等割」の2つがあります。

所得割 所得に対して一律10%課税され、前年の1月1日から12月31日までの所得で算定する。
均等割 住民税は「地域社会の会費」的なものであるとして負担する税。通常は5,000円(市町村民税3,500円、道府県民税1,500円)

参考:総務省「個人住民税」

このうち、住民税の均等割が非課税となる条件は、前年中の所得が一定以下(下表)であることです。

同一生計の配偶者や扶養親族がいる場合 35万円 ×(本人・同一生計配偶者・扶養親族の合計人数)+31万円以下
単身者 45万円以下

仮に両親と子ども1人の3人家族で会った場合、前年中の合計所得が35万円×3人+31万円=136万円以下の場合、均等割の住民税が非課税となります。

上記の場合以外でも、以下の場合は住民税の均等割りが非課税となります。

  • 生活保護による生活扶助を受けている
  • 障碍者、未成年、寡婦またはひとり親で、是年の合計所得金額が135万円以下(前年の所得が給与所得だけの場合は、収入金額が2,044,000円未満の方)

※お住いの地域によって異なる場合があるので、ご自身の市町村でもご確認ください。

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特別給付金5万円の申請は必要か?

特別給付金は申請が不要(自動で振込される)な場合と、申請が必要になる場合があります。条件的には申請不要でも支給される口座がないといった支給に支障が出る場合は別途手続きが必要になるので注意してください。

申請が必要な世帯と不要な世帯

ひとり親世帯で児童扶養手当を受給している場合や、ひとり親世帯以外の場合で児童手当または特別児童扶養縦の受給者でかつ住民税の均等割りが非課税である場合は申請は不要です。

2022年4月の支給時には、児童扶養手当受給者には可能な限り6月までに、住民税均等割非課税者には課税情報が判明したのち、可能な限り早く支給されています。

それ以外の、収入が減ったために児童扶養手当受給者と同水準になった場合や、住民税均等割り非課税世帯と同水準になった場合は申請が必要となります。

申請不要 ひとり親世帯 児童扶養手当受給世帯
その他の子育て世帯 児童手当または特別児童扶養手当の受給者で住民税均等割が非課税の世帯
申請必要 ひとり親世帯 直近で収入が減少した世帯など
その他の子育て世帯 高校生のみ養育世帯や直近で収入が減少した世帯など

ただし、申請不要の場合でも給付金の支給を希望しないのであれば受給拒否届出書を返送する必要があります。

また、申請不要条件に合致していても、児童扶養手当の支給に利用していた口座を解約している場合など、支給に支障が出る場合には振込指定口座を変更する手続きが必要です。

申請方法

申請が必要な場合は、お住いの市町村で申請が必要になりますので、各自治体でご確認ください。

※2022年分の申請は2023年2月28日に終了しています

申請には以下の資料が必要になります。(詳細はお住いの自治体により異なります)

  • 各自治体の申請書
  • 本人確認書類
  • 預金通帳やキャッシュカード

振込先の口座を変更する場合や、給付金の支給を希望しない場合も申請が必要です。

【振込先の変更】

  • 支給口座登録等の届出書

【支給を希望しない場合】

  • 受給拒否の届出書

自治体により異なりますので詳細は各自治体のホームページ等をご確認ください。必要書類がダウンロードできることもあります。

まとめ:低所得者世帯支援の特別給付金を活用しよう

政府からの臨時の補助金は低所得世帯にとっては非常に助かります。物価上昇は低所得者だけでなく多くの国民に影響があるという声も上がっていますが、影響の割合が大きいのはやはり低所得者世帯となるはずです。

受給条件に該当していないと閑雅ている人でも直近で年収が下がった人は、申請をすれば給付金の対象となる可能性もあるので、お住いの市町村で確認することをおすすめします。

このような給付金などは仕組みや申請がわかりにくいこともあります。一度お金のプロに相談してみるのもよいかもしれません。

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よくある質問

Q

育児休業給付金や失業給付は収入に含まれますか?

A

これらの給付金は収入には含まれません。給与収入、事業収入、不動産収入、公的年金収入(非課税のものは除く)などが収入の対象です。

Q

ひとり親世帯に対する給付金を受給したのですが、この給付金を受給することはできますか。

A

ひとり親世帯に対する給付金の受給をした場合、この給付金は対象外となります。

Q

マイナンバーカードを持ってなくても、この給付金はもらえますか?

A

マイナンバーカードはこの給付金の受け取りとは無関係なので、給付金の受け取りは可能です。

詳しくは「申請方法」を参照

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