株で夜間取引ができるPTS取引とは?おすすめの証券会社比較

投稿日:2022/08/22 最終更新日:2023/09/14
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PTSとは、証券取引所を利用せずに株式の取引ができるシステムのことを言います。急に新しいニュースが入ってきた際に、取引所が閉まっていても株取引が可能です。PTSは主に株式投資を短期的に運用したい、仕事中は取引できないから夕方、夜に株取引したいという方におすすめのシステムです。

今回は、PTS取引とは何か、PTSを利用する上でのメリットデメリット、PTS取引が可能な証券会社について詳しくご紹介します。
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この記事の監修者

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菅原良介

株式会社Finatext

証券アナリスト

Finatext サービスディレクター・アナリスト。日本テクニカル協会認定テクニカルアナリスト。早稲田大学 政治経済学部 経済学科卒業。Finatextグループで展開される投資・証券サービスのディレクターを担当する傍ら、アナリストとしても活動。グループで展開するコミュニティ型株取引アプリSTREAM内で開催されるイベントのモデレーターなども務め、国内メディアへの寄稿も行う。

PTS取引とは?夜間取引ができる?

PTSとは、『Proprietary Trading System』の略称で、証券取引所を経由せずに株式の売買ができる私設取引システムのことです。

ここでは、PTSについてどんなものか解説していきます。  

証券取引所を介さずに売買する取引システム

1998 年12月1日の「金融システム改革のための関係法律の整備等に関する法律」の施行により、取引費用の削減等、投資家の取引所外取引のニーズに応えるために登場しました。このような私設取引所は、東証などの取引所とは異なるのでルールも異なります。

PTS取引について説明した図

PTS取引について説明した図

夜間取引に対応している市場がある

東証では、取引時間が前場9:00-11:30,後場12:30:-15:00と限られた時間の中で取引を行いますが、PTSは日本で2つの市場がありますが各々取引所で時間は異なります。その中には、夜間に株取引ができる市場もあります。    

主な方式として顧客指値対当方式と顧客間交渉方式を採用

PTSの取引では顧客指値対当方式と顧客間交渉方式を採用しています。顧客指値対当方式は、投資家の希望する指値が、取引の相手方となる他の投資家の提示した指値と一致した場合に、その指値を用いて売買を成立させる方法です。

顧客間交渉方式とはPTSにおいて顧客同士が価格や数量等の条件について交渉していき、双方が合意に達した条件のもとで売買する仕組みです。  

PTS取引のメリット

東証での取引と比較してPTSで取引するメリットについて紹介していきます。  

取引時間が長い市場もある

JNXというPTSの市場では日が変わる23:59まで取引可能となっています。 日中、働いていて常に株価を追うことができず取引ができないサラリーマンなどが東証の取引時間外に株取引できます。  

通常の株価より安く買える時もある

PTS取引の呼値の単位は、取引所取引の呼値の10分の1〜1,000分の1で取引可能となっています。呼値とは、売買する際の価格の刻み幅のことです。 取引所とは異なる価格で約定する可能性が高く、売り・買いともにより有利な価格で取引が成立することがあります。

基準値段
取引所取引 PTS取引
  3,000円以下 1円 0.1円
3,000円超 5,000円以下 5円 0.5円
5000円超 3万円以下 10円 1円
3万円超 5万円以下 50円 5円
5万円超 30万円以下 100円 10円
30万円超 50万円以下 500円 50円
50万円超 300万円以下 1,000円 100円
300万円超 500万円以下 5,000円 100円
500万円超 3,000万円以下 1万円 100円
3,000万円超 5,000万円以下 5万円 100円
  5,000万円超 10万円 100円

手数料が安い

PTSは東証での取引と比べて手数料が安く設定されています。例としてSBI証券との比較を紹介します

   国内株式(現物)  PTS
 日中取引  1注文の約定代金/手数料
・5万円まで/50円(税込55円)
・5万円超-10万円まで/90円(税込99円)
・10万円超-20万円まで/105円(税込115円)
・20万円超-50万円まで/250円(税込275円)
・50万円超-100万円まで/487円(税込535円)
・100万円超-150万円まで/582円(税込640円)
・150万円超-3,000万円まで/921円(税込1,013円)
・3,000万円超-/973円(税込1,070円)
1注文の約定代金/手数料
・5万円まで/47円(税込51円)
・5万円超-10万円まで/86円(税込94円)
・10万円超-20万円まで/100円(税込110円)
・20万円超-50万円まで/238円(税込261円)
・50万円超-100万円まで/462円(税込508円)
・100万円超-150万円まで/553円(税込608円)
・150万円超-3,000万円まで/876円(税込963円)
・3,000万円超-/924円(税込1,016円)
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PTS取引のデメリット

次に普段、取引している東証での取引と比較してPTSで取引するデメリットについて紹介していきます。       

通常の取引所よりも流動性が低い(流動性リスクがある)

売買代金などPTSの取引量は東京証券取引所よりも劣るため、銘柄によっては流動性が低いものや値段がつかないものもあります。購入したい銘柄があっても取引量が少なければ、約定できない場合があります。   

注文方法が限られる

PTSの注文方法は、指値注文のみとなっています。成行注文はできませんので注意が必要です。そのため、上記にも記載している点と併せて流動性の低い取引では希望価格での約定が難しくなる可能性があるので、留意しておきましょう。    

注文できる銘柄も限られている

PTS取引で取り扱っているのは、国内上場企業の現物取引と信用取引のみです。通常の取引なら売買できる株式もPTS取引ではできない場合があります  

株取引する際に書いてあるChi-Xと、JNX

株取引する際、証券取引所以外にPTS市場は2種類あります。Chi-XとJNXとありますがCboeジャパン株式会社が運営する「CboePTS(Chi-X)」とジャパンネクスト証券株式会社が運営する「ジャパンネクストPTS(JNX)」 という2種類のPTS が存在します。各々の特徴について解説していきます。  

Chi-X

東証に上場する株、ETF、REIT(外国株・外国ETFを除く)などの取引が可能で、取引時間は8:20~16:00です。営業日は東証と同じになります。  

JNX

JNXは東京証券取引所に次ぐ国内第2位の取引規模の取引執行市場です。

また、夜間取引のできるPTSとなっています。デイタイムセッションとナイトタイムセッションに分かれています。取引時間は8:20~16:00 ,16:30〜23:59です。こちらも東証に上場する株、ETF、REIT(外国株・外国ETFを除く)などの取引が可能となっています。営業時間は月曜日から金曜日(ただし祝日及び、東証休日を除く)となっています。  

Chi-Xと、JNXがよくわからない、こだわりがない人はSOR機能を活用

SOR注文とは「Smart Order Routing」の略です。注文を受けた時点で複数市場から最良の市場を選択して執行する形態の注文をすることができます。

注文時に自動で市場を選択してくれるので、特にこだわりがない人にはこの注文方法をお勧めします。  

まとめ

PTSの特徴として、夜間取引ができる、手数料が安く抑えられる、株価を証券所よりも安く取引できるなどを紹介しました。しかし、銘柄によっては取引量が少なく約定出来ない場合もあります各証券会社の特徴を比較し自分に合った証券会社でメリット・デメリットを踏まえ、PTSを利用してみてはどうでしょうか。  

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よくある質問

Q

PTSの取引方法は?

A

PTS取引可能な証券会社の場合、注文画面でPTSか取引所で取引するかを選択できます。

Q

PTSで買った株は他の取引所でも取引ができる?

A

取引可能です。こちらも、注文画面でPTSか取引所で取引するかを選択できます。

Q

PTSと証券取引所での値段の差異ってどれくらい?

A

銘柄によって差異の大きさは変わってきますが、多くの株は差異が大きくても株価の0.05%前後の変化になります。取引量の少ない株だとそれよりも多く差が出てきている場合ももちろんあります。

Q

PTSと証券取引所での取引料の違いってどれくらい?

A

NXのシェア率で解答するとシェア率は7-8%前後を推移(※1)しています。

※1 参照:JapannextJNX

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