ファンダメンタルズで抑えておくべきこと
為替の売買タイミングを判断するための手法としては、テクニカル分析と、ファンダメンタルズ分析による方法があります。一般的にファンダメンタルズ分析を重視する傾向にあるようですが、テクニカル分析の方がより有効です。というのも相場は波動であり、経済の変数ではないからです。但し、通貨は国の経済力や信用力を表すという意味ではファンダメンタルズ分析もある程度有効ということが言えます。
たとえば。長期投資の場合です。というよりも、ファンダメンタルズ分析で売買するのであれば、長期スタンスでしか投資できないということになるでしょうか。いずれにしても、長期の売買判断を下す場合には、ファンダメンタルズ分析も有効な場合があります。
ファンダメンタルズ分析をする場合は、今、多くの市場関係者が何に最も関心を持っているのか、そのテーマに合う経済指標は何かということを考えていく必要があります。
たとえば米ドルで言えば、過去においては米国の貿易赤字が材料視されることもありましたが、サブプライム問題やリーマンショック以降は、市場の関心がアメリカの景気動向に移ってきています。アメリカの景気は雇用や住宅市場動向に影響を受けるところが大きいですから、失業率や新期失業保険の申請件数の変化、或いは非農業部門従業者数の増減、ケースシラー住宅価格指数などを中心に分析します。これらが今後も改善傾向を維持するなら長期的に見ればドルの上昇要因になります。
長期的に見れば、注目されているテーマを把握することによりファンダメンタルズ分析も有効です。
通貨別で言うなら、比較的ファンダメンタルズ分析が通用するのが豪ドルです。というのも豪ドルの場合、多くの通貨のなかで数少ない、長期投資でも通用する通貨だからです。豪ドルは先進国のなかでも相対的に金利水準が高いため、豪ドルを好む投資家が多く、それゆえに長期投資でも「何とかなる」性質を持っています。
したがって、長期で豪ドルに投資するのであれば、ファンダメンタルズ分析でも通用しますが、その際に注目すべき点は、中国の景気でしょう。というのも、オーストラリアは資源などを中心に、中国向けの輸出が非常に多いため、中国の景気動向がオーストラリア経済にも大きな影響を及ぼすからです。
しかし、テクニカルに見ると豪ドルは、1豪ドル=55円という歴史的な大底を既に見ていますから、今後大きく下げた場合でも60円を割り込む可能性は殆ど無いといっていいでしょう。但し、どこかの時点で80円割れを見るようなことがあれば65円前後まで下落幅が拡大する可能性が高くなりますので、80〜81円がテクニカル上での大きな分岐点になるということは常に意識しておきたいところです。
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監修者:菅原 良介
編集者:K-ZONE money編集部