つみたてNISAとNISAの違いは?切り替え条件やメリットも比較!

投稿日:2023/02/27 最終更新日:2023/10/10
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2024年から新しいNISA制度が始まります。まだ現行のNISA制度を利用していない人は今年の非課税投資枠を利用するためにNISA口座を開設しましょう。

現在のNISA制度は一般NISAとつみたてNISAに分かれており、どちらかしか利用できません。それぞれの特徴を理解してからどちらを利用するか選びましょう。

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この記事の監修者

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菅原良介

株式会社Finatext

証券アナリスト

Finatext サービスディレクター・アナリスト。日本テクニカル協会認定テクニカルアナリスト。早稲田大学 政治経済学部 経済学科卒業。Finatextグループで展開される投資・証券サービスのディレクターを担当する傍ら、アナリストとしても活動。グループで展開するコミュニティ型株取引アプリSTREAM内で開催されるイベントのモデレーターなども務め、国内メディアへの寄稿も行う。

一般NISAとつみたてNISAの違いとは?

一般NISAとつみたてNISA主な違いは、「非課税投資期間」「年間非課税投資枠」「投資可能な商品」の3つです。そのほかにも細かい違いがあります。

項目 一般NISA つみたてNISA
年間非課税投資枠 120万円 40万円
非課税期間 5年間 20年間
投資可能商品 株式・投資信託など 投資信託
※金融庁が指定する銘柄
購入方法 スポット・積立 積立
ロールオーバー 可(※) 不可

※現行の制度として一般NISAはロールオーバー(翌年の非課税投資枠を利用した継続保有)が可能ですが、2024年から新しいNISA制度が始まることに伴い、実質ロールオーバーはできません。

非課税投資期間を比較

【一般NISA】
5年間

【つみたてNISA】
20年間

非課税投資期間は一般NISAが5年間なのに対して、つみたてNISAは20年間となっています。これはつみたてNISAが長期投資に適した制度だからです。

老後のための資金など、長期的な運用を前提としているのであればつみたてNISAを利用するほうが非課税機関が長く、長期投資のメリットを生かしやすくなります。

また、非課税投資期間は最大で5年間または20年間です。非課税期間が終了するのはいつ購入しても12月末となります。例えば2023年の6月に一般NISAで株式を購入した場合、非課税期間の終了は2028年の5月末ではなく、2027年の12月末です。

非課税投資枠を比較

【一般NISA】
120万円(最大利用可能額600万円)

【つみたてNISA】
40万円(最大利用可能額800万円)

※最大利用可能額は年間非課税投資枠×非課税投資期間の金額

非課税投資枠は一般NISAが年間120万円、つみたてNISAは40万円です。非課税期間も同様の考え方ですが、NISA制度の期間は1月1日~12月31日を1年と考えます。その年の1月1日から12月31日までの期間に使わなかった非課税投資枠は翌年に繰越すことはできません。

また、年間の非課税投資枠は一度利用したら投資した分を売却しても復活しません。仮に一般NISAを利用して、1年の間で120万円分の投資をした場合、そのうち20万円を売却してもその年の一般NISA利用はできません。

投資対象を比較

【一般NISA】
上場株式、投資信託、REIT、公募株式投信など

【つみたてNISA】
金融庁へ届け出がされている一定の投資信託

一般NISAは株式や投資信託など幅広い金融商品へ投資できます。また、大手ネット証券では一般NISA口座を利用して米国株の取引をすることもできます。

一方、つみたてNISAは金融庁が指定している投資信託銘柄のみ投資可能です。販売手数料がゼロ(ノーロード)であることや、信託報酬が一定水準以下といった条件が定められています。簡単に言えば、コストが小さく長期投資に適した商品がつみたてNISAで投資できる商品となります。

一般NISAとつみたてNISAは併用できる?

一般NISAとつみたてNISAの併用はできません。同じく投資の運用益が非課税になる制度としてiDeCo(個人型確定拠出年金)がありますが、iDeCoとNISAは併用できます。

一般NISAとつみたてNISAは併用できない

一般NISAとつみたてNISAの併用はできません。NISA口座は1人1口座しか開設できないので、複数の証券会社でNISA口座を開設することもできません(金融機関の変更は可能)。

※2024年から始まる新しい制度では一般NISA(成長投資枠)とつみたてNISA(つみたて投資枠)の併用が可能になります。

iDeCoとなら併用できる

iDeCo(個人型確定拠出年金)も運用益が非課税になる制度です。iDeCoは私的年金制度でNISAとは目的が異なる(NISAは少額投資優遇制度)ので、併用できます。

iDeCoは原則60歳になるまで引き出し不可、利用する金融機関によって投資可能商品が違うなどの制約がありますが、運用益が非課税になるメリットのほかに、拠出金が所得控除できるメリットがあります。投資資金に余裕があるならNISA制度と併用したい制度です。

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一般NISAとつみたてNISAのメリット・デメリット

一般NISAとつみたてNISAにはこのようなメリットとデメリットがあります。メリットとデメリットは裏返しの部分もあるので、それぞれの制度の特性を理解して利用すれば大きなデメリットにはなりません。

一般NISA、つみたてNISA共通のメリットは運用益が非課税(通常は20.315%課税される)になることです。

一方でデメリットは損益通算ができないことです。損益通算とは利益と損失を相殺して、課税対象になる利益を減らすことですが、NISA制度ではこれができません。つまり、NISA口座を利用した投資で損失が出た場合、特定口座などの課税口座で損失が出た場合よりもデメリットが大きくなります。

種類 メリット デメリット
NISA制度共通 ・運用益が非課税になる ・損益通算できない
一般NISA ・年間非課税投資枠が大きい
・投資できる商品が多い
・非課税期間が短い
つみたてNISA ・非課税期間が長い
・長期投資に適した商品に厳選されている
・年間非課税投資枠は小さい
・投資可能商品が投資信託に限定されている

一般NISAのメリット・デメリット

【一般NISAのメリット】

  • 年間非課税投資枠が大きい
  • 投資できる商品が多い

【一般NISAのデメリット】

  • 非課税期間が短い

一般NISAは年間非課税投資枠が大きく、投資できる商品が多いのがメリットです。個別株への投資も可能であるため、つみたてNISAを利用するよりも大きなリターンが期待できます。リターンが大きいほど運用益が非課税になるメリットも大きくなります。

一般NISAのデメリットは非課税期間が短いことです。NISA共通のデメリットである損益通算ができないことも考慮すると、含み損を抱えたときに株価が上昇するまで長期保有することができない可能性があります。

つみたてNISAのメリット・デメリット

【つみたてNISAのメリット】

  • 非課税期間が長い
  • 長期投資に適した商品に厳選されている

【つみたてNISAのデメリット】

  • 年間非課税投資枠は小さい
  • 投資可能商品が投資信託に限定されている

つみたてNISAのメリットは長期投資に向いているということです。非課税期間が長く、つみたてNISAで投資可能な商品は金融庁が定めたルールをクリアしている長期投資に適した商品ですので安心できます。

その代わり、年間非課税投資枠が小さく、投資可能商品は投資信託に限定されているため短期間で大きなリターンを狙うことは難しくなっています。

一般NISAとつみたてNISAどっちがおすすめ?

【一般NISAが向いている人】

  • 投資に慣れている人
  • 大きなリターンを狙いたい人
  • 個別株の投資にNISA口座を利用したい人

【つみたてNISAが向いている人】

  • 投資初心者
  • 長期投資したい人
  • 投資できる資金が小さい人

一般NISAは非課税投資枠が大きく個別株にも利用できるため、個別株に投資したい人や自分で考えて投資できる人には向いています。

つみたてNISAはこれから投資を始めようと考えている初心者の方や、そもそも投資できる資金が多くない方に向いています。

一般NISAとつみたてNISAは相互に切り替えできる?

一般NISAからつみたてNISAの切り替えは可能です。ただし、タイミングや保有銘柄の扱いなどに制約があるので注意してください。

一般NISAとつみたてNISAの切り替えは年1回のみ可能

NISA制度の変更(勘定変更)できるのは原則として年単位で行うので、切り替えは年に1回のみ可能で、変更後の口座は翌年から利用できます。

もう少し具体的に説明すると、翌年のNISA口座利用を変えたい場合、その年の10月1日から翌年9月30日までに申し込みする必要があります。ただし、翌年に1度でもNISA制度を利用していた場合、その年の変更はできません。

勘定変更は一般NISAとつみたてNISAのどちらにも変更できます。また、金融機関を変更することも可能です。

切り替え時の保有銘柄の扱い

一般NISAからつみたてNISA(またはその逆)に変更した場合、保有銘柄はもとの勘定口座で保管されています。例えば2022年に一般NISAで購入した商品は、2023年につみたてNISAに変更しても一般NISAのまま保管されます。非課税期間も変わらないため、この場合は2026年末(2022年から最大5年間)まで非課税期間が続きます。

これは金融機関を変えても同様です。NISA口座は新しい金融機関に移動しますが、元の金融機関で購入した商品は移管できません。

まとめ

一般NISAとつみたてNISAは特徴が違いますが、NISA制度を利用してこれから投資を始めてみたいという人にはつみたてNISAを利用することをおすすめします。投資の経験は豊富でNISAを利用していなかったという人であれば非課税投資枠が大きい一般NISAのほうがお得になる可能性があります。

現行のNISA制度を利用していない人は、現行制度の利用もまだ間に合うのでNISA口座の開設を検討してはいかがでしょうか。

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よくある質問

Q

2024年以降つみたてNISAはどうなる?

A

新NISAではつみたて投資枠となります。つみたて投資枠では、年間投資枠が120万円と枠が拡大します。

【関連記事】現行の積立NISAの年齢制限は何歳まで?新NISAになったら変わる?

Q

つみたてNISAとNISAの危険性は?

A

投資した商品次第で損失が出る可能性もあります。損失が出た場合、損益通算ができないので注意が必要です。

【関連記事】NISAと株式投資と投資信託の違いは?併用した場合はどうなる?

Q

新NISAと現行NISAの違いは?

A

つみたて投資枠と成長投資枠が併用できるようになります。そのほか非課税期間が無期限になるなど投資家にメリットが大きい変更がされています。

【関連記事】現行の積立NISAの年齢制限は何歳まで?新NISAになったら変わる?

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