テクニカル分析の基礎①:ローソク足とは?覚えておきたい基本パターンをわかりやすく解説!

投稿日:2022/05/16 最終更新日:2023/03/08
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テクニカル分析において、最も基礎的かつ重要な要素はローソク足と言えます。過去のデータから株価の推移やトレンドを読み取るには、ローソク足に対する知識が必要不可欠になります。 本文ではローソク足の種類・見方・パターンなどについて紹介します。
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 この記事の監修者
 菅原 良介
 Finatext サービスディレクター・アナリスト。日本テクニカル協会認定テクニカルアナリスト。早稲田大学 政治経済学部 経済学科卒業。
 Finatextグループで展開される投資・証券サービスのディレクターを担当する傍ら、アナリストとしても活動。グループで展開するコミュニティ型株取引アプリSTREAM内で開催されるイベントのモデレーターなども務め、国内メディアへの寄稿も行う。

ローソク足とは?

ローソク足とは、一定の取引時間内における株価の値動きを表すものです。ローソク足には2つのパターンがあり、株価の値動きを4つの値段から汲み取ることができます。
2つのパターンとは「陽線」と「陰線」のことを指します。「陽線」は株価の上昇を表すローソク足であり、「陰線」は株価の下落を表すローソク足です。株価の値動きを汲み取る4つの値段とは「始値」、「終値」、「高値」、「安値」のことです。それらについては後ほど解説します。
チャートに表示される大量なローソク足からは過去の値動きやトレンドを把握することができ、投資判断を下すための必要な情報を汲み取ることができますので、ローソク足は投資をする上で最も重要な要素の一つと言えます。

ローソク足の種類

ローソク足には主に「分足」、「日足」、「週足」、「月足」、「年足」の5種類があります。それぞれが一定時間内における株価の値動きを表しており、分足は1分間の値動き、日足は1日の値動き、週足は1週間の値動きを表しています。
それぞれの種類には異なる用途があります。一例として、中長期のトレンドから売買時期を決める時は日足や週足を利用することが多く、取引をする日の中のベストなタイミングを決める時に分足を利用することが多いです。
また、デイトレーダーなどの短期投資を行う投資家は1日中多くの取引を繰り返す必要があるため、分足を利用することが比較的多くなります。

ロウソク足の呼び方
ロウソク足の呼び方

ローソク足の見方

ローソク足の構成については、「ヒゲ」と「実体」の2部分から成り立っています。ヒゲは「高値」と「安値」を表しており、実体は「始値」と「終値」を表しています。つまり、ローソク足からは以下のように読み取ることが出来ます。

・株価が上昇か下落か
・最も高い/安い株価
・始まる時/終わる時の株価
 

【関連関連】
ローソク足の基本パターンとは?ローソク足の種類と見方について



ロウソク足の説明
ロウソク足の説明

陰線・陽線・四本値

以上の図のように、ローソク足には「陽線」と「陰線」の2パターンがあり、陽線は株価の上昇を表すローソク足であり、陰線は株価の下落を表します。陽線(株価の上昇)において、終値は始値より高くなっており、陰線においては始値が終値より高くなっています。 ローソク足からは4つの値段、つまり四本値を汲み取ることができます。それらは「始値」、「終値」、「高値」、「安値」であり、一定の取引期間内における株価の値動きを表します。

陰線と陽線の説明
陰線と陽線の説明
四本値(よんほんね)の説明
四本値(よんほんね)の説明 

実体・ヒゲ

ローソク足の構成については、「ヒゲ」と「実体」の2部分から成り立っています。実体とはローソク足の四角形の部分であり、始値と終値で囲まれています。実体が長い場合、取引時間内における値動きが大きく、最初に成立した取引と最後に成立した取引の相場が乖離していることの現れです。

ヒゲの部分については、「上ヒゲ」と「下ヒゲ」の2種類があります。上ヒゲは実体から上に突き出た線であり、線の先端部分は高値を表します。下ヒゲは実体から下に突き出た線であり、線の先端部分は安値を表します。ヒゲが比較的長い場合、取引時間内の相場展開が激しく、上昇/下落基調が持続できなかったことの現れです。
ロウソク足の実体とヒゲの説明
ロウソク足の実体とヒゲの説明

ローソク足の基本パターン(陽線)

陽線のローソク足には主に4種類の基本パターンがあります。4種類の基本パターンは以下となります。

・大陽線
・小陽線
・下影陽線
・上影陽線

これらの基本パターンから、株価上昇/下落の勢いを読み取ることができます。今後株価の変動についてヒントになりうるサインでもあり、売買のタイミングを見極める重要な要素の一つです。

ローソク足の基本パターン(陽線)
ローソク足の基本パターン(陽線)

大陽線

大陽線はローソク足の実体が大部分、あるいは全部を占める状態の陽線です。取引時間内の相場が継続的に上昇する場合、大陽線が形成されます。新しい上昇トレンドが形成される際、最初の数本のローソク足が大陽線であることが多いです。

一般的な陽線と比べて値上がりの幅が大きいため、投資家の強気な姿勢と上昇の勢いが示唆されます。

大陽線
大陽線 

小陽線

小陽線はローソク足の実体が比較的短い状態の陽線です。取引時間内における相場変動の幅が比較的小さく、始値から上昇した場合、小陽線が形成されます。しかし、小陽線が連続的に出現する場合は後に大陽線につながるパターンである可能性もあります。

ロウソク足の小陽線
ロウソク足の小陽線
 

下影陽線

下影陽線は下ヒゲが長く、ローソク足の大部分を占める状態の陽線です。始値から株価が下落を続けたが、最終的に下落分以上に上昇した場合、下影陽線が形成されます。

「下影陽線」という名前は一見弱気のサインに見えますが、なにかの原因で下落が収まって回復したため、下落トレンドに出現した場合は反転の強気なサインとして捉えられることが多いです。

しかし、高値圏に出現した場合、下落に転換する「売り」のサインとして捉えられることが多いため、下影陽線の出現場所に注意する必要があります。
 

 下影陽線
下影陽線

上影陽線

上影陽線は上ヒゲが長く、ローソク足の大部分を占める状態の陽線です。始値から株価が上昇を続けたが、最終的に始値に近い位置まで下落した場合、上影陽線が形成されます。

上影陽線はなにかの原因で上昇から反転したため、高値圏に出現した場合、売りのサインとして捉えられることが多いです。その一方、安値圏に出現した場合、上昇トレンドへの転換を示唆することが多いです。

上影陽線

上影陽線

ローソク足の基本パターン(陰線)

陰線のローソク足には陽線と逆な4種類(大陰線・小陰線・下影陰線・上影陰線)の基本パターンがあります。

陰線のローソク足の基本パターン
陰線のローソク足の基本パターン

大陰線

大陰線はローソク足の実体が大部分、あるいは全部を占める状態の陰性です。取引時間内の相場が継続的に下落する場合、大陰線が形成されます。

一般的な陰性と比べて値下がりの幅が大きいため、買いの勢いが弱く、下落トレンドに反転する可能性があります。 

大陰線
大陰線

小陰線

小陰線はローソク足の実体が比較的短い状態の陰線です。取引時間内における相場変動の幅が比較的小さく、始値から下落した場合、小陰線が形成されます。

小陰線が連続で出現する場合、下落トレンドが継続する可能性があります。

小陰線
小陰線 

下影陰線

下影陰線は下ヒゲが長く、ローソク足の大部分を占める状態の陰線です。始値から株価が下落を続けたが、最終的に下落分の大部分を回復できた場合、下影陰線が形成されます。

下影陰線も下影陽線同様、なにかの原因で下落が収まって回復したため、下落トレンドにおける反転の強気なサインとして捉えられることが多いです。しかし、高値圏に出現した場合、下落トレンドへの転換を示唆することが多く、注意が必要です。

下影陰線
下影陰線
 

上影陰線

上影陰線は上ヒゲが長く、ローソク足の大部分を占める状態の陰線です。始値から株価が上昇を続けたが、最終的に上昇した分以上に下落した場合、上影陰線が形成されます。

上影陰線も上影陽線と同様、なにかの原因で上昇から反転したため、高値圏に出現した場合は売りのサインとして捉えられることが多いです。その一方、安値圏に出現した場合、上昇トレンドへの転換を示唆することが多いです。

上影陰線

 上影陰線

まとめ

ローソク足は株式投資をする上で最も基礎的な知識ですが、最も重要な要素の一つでもあります。第一歩として、異なる取引時間を表す5種類のローソク足から自分の投資スタイルに適した種類を選び、四本値・実体・ヒゲなどの見方を熟知する必要があります。

種類や見方についての知識を固めた後、高い頻度で出現する陽線と陰線の基本パターンについて知ることで、売買タイミングや相場反転のタイミングを予測するヒントのレパートリーを増やすことができ、実際に取引する際に有利な立ち回りをすることができるでしょう。

▶テクニカル分析の基礎②:移動平均線における「ゴールデンクロス」と「デッドクロス」とは?
▶テクニカル分析の基礎③:ボリンジャーバンドの見方・使い方
▶テクニカル分析の基礎④:MACDの見方と使い方
▶テクニカル分析の基礎⑤:RSIの見方と活用方法

監修者:菅原 良介
編集者:K-ZONE money編集部

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