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がんの治療費の平均はいくらくらい?がん保険の診断給付金とは?

最終更新:2022/04/08 11:57

代表的ながん治療の種類

日本のがんの治療法には主に「手術治療」「抗がん剤治療(化学療法)」「放射線治療」があります。
これらをまとめて「がんの三大療法」と呼ばれています。

代表的ながん治療の種類
代表的ながん治療の種類

手術治療、抗がん剤治療、放射線治療は保険診療で、公的な健康保険の対象になります。
他に、保険が適用されない「自由診療」や、保険診療と自由診療の中間に当たる「先進医療」があります。

手術治療

がんの手術治療は、がんに侵された病巣を手術によって除去する治療法で、がんの局所療法です。
手術治療は切開を伴ったり、全身麻酔を使用することで身体的な負担も多かったですが、昨今では内視鏡手術も増えて、負担も少なくなり入院日数も短くなりつつあります。

手術をする部位や内容によってもかかる費用は変わりますが、胃がんの場合には内視鏡手術での胃の粘膜の手術では30万円ほど、胃の一部を切除する手術では130万円ほどになります。

抗がん剤治療

抗がん剤治療は、抗がん剤やホルモン剤を使った治療法です。化学療法とも呼ばれます。
がん組織が全身に転移している場合や手術後に再発防止のために用いられる治療で、全身に対しての治療法で、正常な細胞にも抗がん剤が作用するので副作用などもあり、身体への負担も大きな治療です。

どのような薬剤をどのようなサイクルで用いるかによっても費用は異なりますが、1回の治療に6週間ほどかかることが多く、費用は100万円前後になります。

放射線治療

放射線治療はがん細胞に放射線を照射してがん細胞を死滅させる治療法です。
体の外から照射する治療と、放射線を放つ物質を体内に入れる治療と2種類あります。
放射線治療は小さながんの病巣に用いることが多く、費用はおよそ60万円前後となっています。

先進治療

がんの治療は日進月歩で進んでいます。先進治療は厚生労働省が認めた治療法で、公的な健康保険組合の保険適用にはならない治療法です。重粒子線治療や陽子線治療などがあります。

重粒子線治療や陽子線治療はそれぞれ200万~300万円前後かかり、その費用は保険適用にはならないので全額自己負担になります。先進医療は保険外診療との併用が認められています。

自由診療

自由診療とは健康保険の適用外となり、全額自己負担で受ける治療法です。
自由診療には、温熱治療法や免疫療法、漢方、ビタミンC療法などがあります。

治療方法 治療費 健康保険の適用
温熱療法 2万円(1回あたり) 健康保険適用外
ビタミンC両方 2万円(1回あたり)
漢方 3万~8万円(3週間分の薬剤料)
免疫療法 100万~200万円

※あくまで一例です。詳細は各医療機関にお問い合わせください。

それぞれかかる費用は、温熱療法は1回2万円、免疫療法は100~200万円程度、漢方は3万~8万円程度、ビタミンC療法は1回2万円程度となっています。

がんの治療で実際に支払う自己負担額はいくらくらい?

がんにかかる治療費はいったいどのような内訳で総額いくらになるのでしょうか?
具体的に入院費の総額が50万円だった場合を見てみましょう。

がん治療の自己負担額
がん治療の自己負担額

医療費が合計で40万円、食事負担や差額ベッド代など健康保険等が適用されない費用が10万円だった場合、医療保険の自己負担割合が3割だった場合には12万円を患者が医療機関に支払います。
残りの7割である28万円は健康保険組合から医療機関に支払われます。

がん保険未加入だった場合や保険適用されない費用や、自己負担額を軽減させる公的医療保険制度について、詳しく見ていきましょう。

がん保険に入っていなかったら?

がん保険に加入しているとがんと診断された時に保障を受けることができ、治療に専念することができます。しかし、がん保険に入っていなかった場合でも公的な手術を含む治療を3割負担で受けることができます。治療費が3割以下の負担額でも高額になることが多いです。そこで経済的支援を受けるとがん保険に加入していなくても公的な制度を活用して治療に専念することができます。その制度が高額療養費制度や傷病手当金です。

医療費以外にかかる費用

治療費・手術代以外にもかかる費用があり、これらは公的な保険の対象外のため、自己負担になります。

例えば、4人以下の個室を希望した場合に発生する差額ベッド代や、追加費用のかかる食事内容を選択した場合、パジャマのレンタル代、診断書などの作成を依頼した場合などで費用がかかります。
また、ご本人や家族が病院に出向くまでの交通費も自己負担になりますので、これらの金額に関してはしっかり準備をしておくことが望ましいでしょう。

高額療養費制度で自己負担額はどのくらい軽減される?

公的な健康保険には、高額医療費制度があります。
高額医療費制度は医療費の自己負担額が高額になった際に、限度額を設けるもの。

年収や年齢によっても変わりますが、一般的なサラリーマンで月収28万~50万円程度の場合、1か月の自己負担額の限度額は8万円程度になり、医療保険の適用範囲のものがこの高額医療費制度の対象になります。
ただし、先進医療は高額医療費制度の対象外なので自己負担なりますので注意が必要です。

高額療養費制度の世帯合算

高額医療費制度には世帯合算という仕組みもあります。
同じ世帯のなかで何人かが医療機関にかかって治療を受けていた場合、家族全員分の医療費を合算して、自己負担額の限度額を超えた場合には超えた分の金額が払い戻されます。

多数回該当している場合はどうなる?

高額医療費には多数回該当という仕組みもあり、直近12か月のなかで既に3回以上高額医療費制度を利用している場合に、自己負担額の上限がさらに引き下がる制度です。
高額医療費制度を直近12か月以内に複数回に渡って利用している方は、その分医療費の負担も大きいことからの制度です。

高額療養費制度を用いた際の具体例

がんの治療で高額医療費制度を利用したときには費用はどうなるのでしょうか。
一般的なサラリーマンで月額報酬が53万円以下の場合には、高額医療費制度を用いた自己負担額の限度額は8万円程度になります。

高額医療費制度を用いた自己負担額の限度額
高額医療費制度を用いた自己負担額の限度額

例えば、医療費が100万円かかった場合には7割は健康保険組合が支払いをします。
まず、自己負担の3割である30万円を医療機関の窓口で支払い、その後、高額医療費制度を申請することで、差額である20万円ほどが申請をした銀行口座に振り込まれるので、自己負担額は8万円程度になります。

傷病手当金

サラリーマンが加入する健康保険組合には傷病手当金という仕組みもあります。
傷病手当金は病気や怪我で連続して3日以上働けなくなり、会社から給与が支給されておらず、労働中に起きた病気やけが出ない場合に、健康保険組合から給与の3分の2にあたるお金が支給される仕組みです。

傷病手当金は最大で1年6か月間支給がされます。がんの治療や再発などで治療が長引いても、健康保険組合に加入している場合には傷病手当金を申請すると不安も軽減できるでしょう。

病気の時の公的保障はどんなものがあるの?

高額療養費制度、傷病手当金の他に高額医療・高額介護合算療養費制度や障害年金、他にもあるので説明していきます。

高額医療・高額介護合算療養費制度

2008年の4月1日から利用できるようになった制度です。毎年8月1日から翌年7月31日の医療保険と介護保険における食費・居住費及び差額ベッド代等は除く自己負担額の合計額が著しく高額になる場合に、負担を軽減する制度です。
対象者となる条件はいくつかあります。
・医療保険である、被用者保険、国保、後期高齢者医療制度の受給者が世帯内にいること
・自己負担額の医療保険と介護保険を合算した額が、設定された自己負担額を超えた場合

後期高齢者医療制度の対象である70歳以上は、若い世代より負担限度額がきめ細かく設定されています。
一定を超えた場合の負担額は保険者に申請書を提出し、差額を受け取る仕組みになっています。

障害年金

障害年金とは厚生年金保険、国民年金、共済年金全ての人を対象に支給される年金です。病気や怪我により生活や仕事が制限され他場合に受け取ることができます。国民年金に加入していた場合は、障害基礎年金を請求することができ、厚生年金に加入していた場合は障害厚生年金を請求することができます。
日常生活にどのくらい影響があるかで判定されるのが障害年金なので、傷病名は例となりますが紹介していきます。

・白内障
・緑内障
・メニエール病
・パーキンソン病
・うつ病
・慢性閉塞性肺疾患
・心不全
・人工透析
・悪性新生物がん

小児慢性疾患医療費助成制度

子どもの慢性疾患では、長期に渡ることが多く医療費が高額になります。小児慢性疾患医療費助成制度は医療費は自己負担額を補助する制度となっています。対象者は以下の条件を満たした18未満の児童になります。
・慢性に経過する疾病であること
・生命を長期に脅かす疾病であること
・症状や治療が長期にわたって生活の質を低下させる疾病であること
・長期にわたって高額な医療費の負担が続く疾病であること
自己負担上限額は決まっており、一般、重症、人工呼吸器等を装着している患者に分かれ、年収でも上限額は決まってきます。

医療費控除

この助成制度は、市町村ごとに条例等を定めているため異なることがあるので自身で調べる必要があります。例として東京都のひとり親家庭医療費助成制度の説明をします。
対象者は、ひとり親家庭の父、または母である方。両親がいない児童を養育している養育者の方。ひとり親家庭であるまたは、養育者に養育されている児童が18歳未満である。
助成範囲は医療保険の対象となる医療費、薬剤費等とされていて、健康診断や予防接種等は範囲外とされています。通院、入院ともに負担割合は1割です。

無料低額診療事業 

無料定額診療とは、低所得者、要保護者、ホームレス、DV被害者など生計困難者が無料、または低額な料金で診療を受けられる事業になっています。この制度を受けることができる診療所は決まっているので事前に市役所などに相談する必要があります。無料低額診療を受ける際には福祉事務所などに相談をし、診療券を発行してもらう必要があります。

がん保険の診断給付金とは

がん保険の診断給付金は、「がんと診断されたときに給付されるお金」です。
がん保険のタイプや契約内容によって、その金額は異なりますが、必ずしも使用用途はがんの治療のみではなく、生活費にも利用できるものです。
がん保険のなかでも有効な保障の一つである診断給付金について詳しく見ていきましょう。

診断給付金の保障内容

がん保険の診断給付金の保障はがん保険の他の保障と比べても手厚い内容となっています。

がん診断給付金は、がんと診断された時点やがんで入院をした時点、がんで入院して退院下地店で50~300万円などの給付金を受け取ることができます。しかし、受け取る金額を高く設定すれば支払う保険料も高くなります。
支払回数は初回のみのものや、無制限のものなどもあり、がん保険によって契約内容は異なるのでしっかりと内容を確認しましょう。

診断給付金以外のがん保険の主な保障

がん保険には診断給付金以外に、「がん入院給付金」「がん通院給付金」「がん手術給付金」「抗がん剤治療給付金」「がん放射線治療給付金」「がん先進医療給付金」などの保障があります。
診断給付金を検討する前に、それぞれの保障について見ていきましょう。

がん入院給付金

がんの入院給付金はがんの治療のために入院したときに受け取れる給付金で、「1日1万円」など、入院日数と入院日額に応じて受け取れます。

一般的な医療保険では1回の入院で「60日まで」など支払い限度日数が設定されていることが多いですが、多くのがん保険では入院給付金は無制限となっています。
長期間に渡って入院した場合や、繰り返し入院したときにも安心できる設定になっています。

がん通院給付金

がんと診断されて、その治療で通院したときに受け取れるのががん通院給付金です。
入院後や入院前後の通院が保障されるがん保険と、通院のみの治療でも保障されるがん保険もあります。

がん手術給付金

がんの手術を受けた際に入院給付金とは別に受け取れるのががん手術給給付金です。
その金額は「入院給付金額の何倍」など倍率で定められていますが、がん保険によっては、「外来手術は5万円」「入院手術は20万円」と治療の内容によって金額が定められているものもあります。

抗がん剤治療給付金

抗がん剤治療を受ける際に受け取れるのが抗がん剤治療給付金です。
「抗がん剤治療を受けた月ごと」に受け取ることができ、また、入院や通院の有無を問わずに、抗がん剤治療を受けた際に受け取れるのが特徴です。給付の条件はがん保険によっても異なるので確認をしましょう。
独立した保障ではなく、「がん治療給付金」とほかの治療と一緒になっている商品もあります。

がん放射線治療給付金

がんの放射線治療を受けた際に受け取れるのががん放射線治療給付金です。
こちらも、入院や通院の有無を問わず、放射線治療を受けた際に保障を受けられるものです。
給付の条件はがん保険によって異なります。
また、独立した保障ではなく、「がん治療給付金」とほかの治療と一緒になっている商品もあります。

がん先進医療給付金

厚生労働省が認める先進医療を受けたときに受け取れるのががん先進医療給付金です。
先進医療には重粒子線治療や陽子線治療などがありますが、先進医療には公的医療保険が適用されません。
そのため、先進医療の治療は全額自己負担になりますが、先進医療給付金はこの先進医療の技術料に当たる金額を給付されます。給付金の上限は500~2000万円程度に設定されているのが一般的です。

その他の給付金

がん保険の給付金には、がんで亡くなったときに受け取れるがん死亡給付金、退院時に受け取れる「退院給付金」や「在宅療養給付」「退院後療養給付金」、痛みなどを緩和する緩和療法を受けたときに受け取れる「緩和療法給付金」などもあります。

診断給付金の効果的な使い道を考えよう

がん治療はかかった部位やステージによって異なるため、治療費も人によって異なります。
がんの診断給付金は使い道が自由ですが、どのような場面で力を発揮するのでしょうか?

通院にも入院にも柔軟に対応

以前のがん治療は入院しての治療が多かったのですが、昨今は入院だけでなく外来治療も増えています。

がんの入院患者数と外来患者数
がんの入院患者数と外来患者数

がんと診断されたら給付金が受け取れる診断給付金は、通院にも入院にも柔軟に対応できるので、がん治療に有効です。

また、がんの部位やステージによっても治療法が異なってくるので、先進医療を受ける際にはその先進医療を受けるための費用や、その治療が受けられる病院への交通費などもかさむ可能性があります。
診断給付金の使い道は特に定められていないので、ざまざまながん治療に対して備えることが可能です。

まとまったお金は精神的な安心感

がんと診断されたときに何が不安要素になるのでしょうか。
2017年の内閣府による「がん対策に関する世論調査」によると、がんに対する印象について「どちらかというと怖いと思う」と答えた人の、その不安の理由は、「がんで死に至る場合があるから」や「がんの治療や療養は家族や親しい友人などに負担を書ける場合があるから」「がんの治療費が高額になる場合があるから」となっています。

がんが怖いと思う理由
がんが怖いと思う理由

がんの診断給付金は50~300万など、がんと診断されたときに給付を受け取れるものです。
がんと診断されたときの金銭的な不安をこのがん保険で備えることが可能であり、効果的な策と言えるのではないでしょうか。

診断給付金の注意点

がんの診断給付金はがんと診断されたときへの備えとして有効的ですが、いくつかの注意点もあります。
免責期間があることや、保険商品によって診断給付金の支払い条件や回数が異なること、確定申告が必要になるケースなどです。それぞれについて見ていきましょう。

免責期間がある

がん保険の保障は基本的に免責期間があります。がん保険に加入をしてから90日間と設定されている事が多いですが、この免責期間中にがんと診断されても保障の対象にはなりません。
また、がん保険のなかにはがんと診断をされても入院をしないとがん診断給付金が給付されないがん保険もあることは認識しておきましょう。

保険商品によって、診断給付金の支払条件や回数が異なる

診断給付金の支払い条件や支払回数は保険商品によって異なるのも注意すべきポイントです。
がん診断給付金の給付条件は統一されているわけではないので気をつけて見ていきましょう。

  給付金・一時金 保障内容
A保険 悪性新生物診断給付金 ・がん(悪性新生物)と診断確定された場合に給付
・給付は1回限り
B保険 がん診断給付金 ・初めてがんと診断確定された場合に給付
・給付はがん・上皮内新生物それぞれ1回限り
C保険 がん診断給付金 ・初めてがんと診断された場合に給付
・2回目以降は前回の給付から2年以上経過した後に、保険期間中に診断確定されたがんの治療目的で入院を開始した場合に給付
・上皮内新生物は保障対象外

※あくまで一例です。詳細は各保険会社にお問い合わせください。

例えば、がんと診断されて給付は1回限りのケースや、初めてがんと診断されたときに受け取れるもの、2回目以降は前回の給付から2年以降経っていることなどです。がんと上皮内新生物を分けているケースもあります。
支払い条件や回数に関してはしっかりと確認をしましょう。

確定申告が必要なケースも

がん保険の診断給付金は生存給付金として扱われるので非課税です。しかし、がんの診断給付金には確定申告が必要になるケースもあります。

非課税になるのは保険の一時受取人が「本人、配偶者、直系血族、あるいは生計を同一にしている親族」の場合のみです。これら以外の方が受取人の場合には確定申告が必要です。

また、給付金を受け取るのは非課税ですが、医療費控除を受ける際には確定申告が必要になります。
医療費控除とは1年間で支払った医療費が10万円以上になった場合に税金面での控除を受けられる制度です。
医療機関の明細や、行き帰りの交通費の領収書などをしっかり保管して確定申告を行いましょう。

まとめ

がんにかかった部位やステージによって、受ける治療が異なり治療費も変わってきますが、がん保険の診断給付金を設定しておけば、様々ながん治療にも備えることが可能です。
がん保険の診断給付金についてしっかり理解した上で、自身にぴったりながん保険を選んでいきましょう。

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