株式を学ぶ (実践編)

【第6回】会社のDC制度は入らないと損!マッチング拠出もフル活用したい

最終更新:2021/10/08 14:42
新入社員に説明があったときどちらを選ぶか

 確定拠出年金の加入者の多くは、会社が制度を導入していたことがきっかけで加入しています。企業型の確定拠出年金は2014年1月末で465万人です。会社員の7〜8人に1人が加入している割合です。
 企業型の確定拠出年金の場合、基本的にお金を出すのは会社です。これは退職金や企業年金の一部として確定拠出年金が実施されているからです。そのため、事務手数料なども会社が出していることがほとんどです(個人型の場合、事務手数料を自分で負担する)。
 このとき、「確定拠出年金に入るか、入らないか」選べることがあります。新入社員の説明会でいきなり聞かれて、困ってしまう人もいるようです。入らない場合、現金でもらえて給与に加算されたり、ボーナス時にまとめてもらえるらしいので、こっちがお得なような気もします。

しかし、原則として確定拠出年金には加入をすることをオススメします。理由をいくつかあげてみると、

 「投資の経験を積むことができる」

 「投資の勉強の機会を得られる」

 「一般に投資をするより有利な商品が多い」

 「そもそも現金でもらってしまうと損する」

 「老後のためのお金を貯めることができる」

といったところです。それぞれ簡単に説明します。

 「投資の経験を積むことができる」......投資について興味や関心を持つ若い世代が増えていますが、実践する人はあまり多くありません。投資は実経験を積むことが大切です。従来の企業年金は会社にお任せでしたが、確定拠出年金に加入することで、自分で運用を行う体験を得られます。

 「投資の勉強の機会を得られる」......今まで会社が運用や管理をしていたものを社員に自己責任として押しつけるわけですから、会社には投資の社員教育を行う義務が課せられています。これはある意味、無料で投資の勉強ができるチャンスでもあります。内容も良心的ですからぜひ勉強して投資知識を身につけたいところです。

 「一般に投資をするより有利な商品が多い」......確定拠出年金では、一般に販売されているより有利な商品設定の商品が多数あります。定期預金等は毎月数百円でも300万円預けたときの定期預金金利になります。投資信託は銀行の窓販で買うより割安な手数料のものが多く用意されています。いずれも同じ運用をするなら確定拠出年金が有利になります。

 「そもそも現金でもらってしまうと損する」......毎月あるいはボーナス時にもらえるなら加入しなくても損得なし、と誤解している人が多いのですが、現金で受け取ると税金や社会保険料を引かれます。年収にもよりますが、10〜15%は確実に減ります。確定拠出年金に積み立てを選択すれば1円も引かれず積み立てられるので、何もしないでも10%以上トクしたようなものなのです。しかも運用益についても税金は1円も引かれません(通常は20%課税)。

 「老後のためのお金を貯めることができる」......退職金制度というのは、なかば老後のための強制的貯金の性格があります。社員に全部現金で渡してしまうと使ってしまいかねないので、会社でキープしておいて退職時に支払うというわけです。これに加入しないということは、個人的に老後のための貯金をしなければなりませんが、ほとんどの人は実行できません。年金も減る時代に老後の積み立てをしないでもいいのでしょうか?

DCに入ったら20代はいろいろ投資にチャレンジしてみよう

 もし、会社が確定拠出年金を実施しており、加入することになったら、せっかくのチャンスを活かして投資の経験を積んでみてください。

 まずは投資教育を受けます。金融機関が講師を務めることが多いのですが、法律によってセールストークが禁止されており、落ち着いて投資を学ぶ絶好のチャンスです。
 また、投資商品もベーシックなものが多く、投資の基本的な仕組みを学び、マーケットに慣れていくよいチャンスになります。
 新入社員の場合は、毎月の掛金が数千円程度であることも多く、いろいろ試して失敗するにもよい条件です。
 WEBのメニューにもアクセスしてみてください。追加のEラーニングがあったり、投資情報満載のページがあったりと投資の役に立つことでしょう。
 もし悩んでいるなら、まずは掛金の半分、投資信託を買ってみましょう。株や債券で資産を増やす経験を積んで欲しいからです。インデックス型といわれる市場連動型の投資信託を買うと手数料は低く、値動きは分かりやすいので、オススメです。ニュースでTOPIXがあがったと報道されたら、TOPIX連動型のインデックス型投資信託も値上がりしたことになり、シンプルに投資ができます。
 徐々に投資割合を高めたり、投資対象を広げていくといいでしょう(例:外国の株式や債券に投資するなど)。

マッチング拠出が利用できるなら要検討

 ところで、会社が実施する企業型の確定拠出年金において、会社がお金を出すだけではなく、本人が追加でお金を出すことができる場合もあります。これをマッチング拠出といいます。2013年末時点で約20%の規約が対応しています。
 もし、あなたの会社の確定拠出年金が、マッチング拠出ができるのなら、余裕を見て利用してみたいところです。なぜなら、自分の老後のために追加入金すると目の前の所得税・住民税が軽減され、運用も非課税になるなど、NISA以上の税制メリットがあるからです。
 注意しなければいけないのは原則として60歳まで解約できないことですが、マッチング拠出できる額は数千円から最大でも2.5万円程度です(会社の掛金額と、法令上の拠出限度額によって、本人がマッチング拠出していい上限が変わる)。家計と眼前のマネープランに問題ない範囲で利用していくといいでしょう。

執筆:フィナンシャル・ウィズダム代表 ファイナンシャル・プランナー/山崎俊輔
掲載日:2014年月10月27日

 

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