資産運用と保険の機能を兼ね備えた変額年金保険 - 退職・年金ナビ

投稿日:2022/05/09 最終更新日:2022/07/29
本コンテンツは当サイト編集部が独自に制作しております。各広告主様やアフィリエイトサービスプロバイダ様から商品案内や広告出稿をいただくこともありますが、各事業者様がコンテンツ内容等の決定に関与することはございません。本サイトは広告およびアフィリエイトサービスにより収益を得ています。コンテンツ内で紹介した商品が成約されると、売上の一部が当サイトに還元される場合があります。

退職・年金ナビ [ 保険の買い方選び方 ]

【第18回】

資産運用と保険の機能を兼ね備えた変額年金保険

公的年金の補完として自助努力で老後資金を準備する場合、どのような方法があるでしょうか?地道に貯蓄、株式や投資信託で運用、という方法がすぐに思い浮かぶかと思いますが、保険料を一定期間投資信託等で運用して、将来年金で受け取る変額年金保険という商品があります。
今回は運用と保険の機能を兼ね備えた変額年金保険についてご紹介します。

変額年金保険の仕組み

変額年金保険は、保険会社の他の財産とは別に「特別勘定」と呼ばれる投資信託で保険料の一部を運用し、その運用実績により将来の年金額が変動する個人年金です。特別勘定の数や種類は保険会社や商品により異なります。保険料は契約時に一時払いするタイプが主流で、保険料を何で運用するかは契約者が選択します(商品によって1種類しか用意されていないものもあります)。
万が一、運用期間中に被保険者が亡くなった場合には、死亡給付金が支払われますが、運用実績にかかわらず、払込保険料相当額が最低保証されるのが一般的です。
運用実績が好調な場合
運用実績が不調な場合
運用実績により年金額の増加が見込める変額年金保険は、インフレリスクに対応しやすいといわれます。しかし、運用がうまくいかなかった場合には、年金額が払込保険料を下回ってしまうリスクも。そこで銀行では、「払込保険料額を大きく下回るのはイヤ」という方向けに、年金原資や年金受取総額に最低保証が付けられているタイプが数多く販売されています。ただし、最低保証額がリスクヘッジがされている分、保証のないものに比べて大きく増える可能性も少なくなるので、注意が必要です。
なお、解約返戻金には最低保証がないのが通常です。

変額年金保険と投資信託の違いとは?

前述のように、変額年金保険は投資信託で運用を行うわけですが、投資信託そのものを購入して運用するのとはどう違うのでしょうか?主に、コストと税金の面で違いがあります。
表1 変額年金保険と投資信託の主なコスト
  変額年金保険 投資信託
加入(購入)時 契約初期費用(3〜5%程度) 販売手数料(0〜3%程度)
運用期間中 資産運用関係費用(0.001〜1.5%程度)保険関係費用(0.2〜3%程度) 信託報酬(1〜2%程度)
解約(売却)時 解約控除(0.4〜8%) 信託財産留保額(0〜0.3%程度)
変額年金保険は、投資信託にはない保険関係費用が余計にかかること、また、契約から10年間くらいまでの中途解約に対しては多額の手数料が差し引かれ、早期解約の場合には控除額が大きくなることは押さえておきましょう。
表2 変額年金保険と投資信託の税金
  変額年金保険 投資信託
加入(購入)時 一般の生命保険料控除の対象    所得控除の対象外
運用期間中 収益に対する課税は、年金受け取り・解約時まで繰り延べ ○公社債投資信託
 利子所得として課税
○株式投資信託
 配当所得として課税
解約(売却)時or受け取り時 ○一時金受け取り
 一時所得として課税
(加入後5年超の場合)
○年金受け取り
 雑所得として課税
 *一時金・年金受け取りとも、契約者=年金受取人の場合
○公社債投資信託
 利子所得として課税
○株式投資信託
 譲渡所得として課税
一方、税金面に関しては、投資信託より変額年金保険の方が有利です。払込保険料は一般の生命保険料控除の対象ですので、所得税や住民税が軽減され、運用期間中の収益に対する課税は繰り延べされるので、効率的な複利運用が期待できます。また、死亡給付金には「500万円×法定相続人の数」という非課税枠が使えます(ただし、非課税枠の適用は縮小の方向です)。
変額年金保険は、運用と保険の機能を兼ね備えた商品であり、運用リスクは個人が負うことになります。仕組みを理解した上で、加入を検討する際は、各商品の詳細についてよく確認することが大切です。

articles 投資を学ぶ

資産運用

article item
資産運用 現行のつみたてNISAの年齢制限は何歳まで?新NISAになったら変わる?
菅原良介 2024/04/16
article item
資産運用 つみたてNISAの手数料を比較!安い手数料を選ぶポイント
菅原良介 2024/04/16
article item
資産運用 つみたてNISAを始めるならどの証券会社がいい?おすすめの銘柄も解説!
菅原良介 2024/04/16
article item
資産運用 つみたてNISAは楽天証券で始めるのがおすすめ!商品の選び方も解説
菅原良介 2024/01/26

株式

article item
株式 (基礎編) 長期投資におすすめな銘柄は?選び方や失敗例を徹底解説
菅原良介 2024/04/16
article item
株式 (基礎編) つみたてNISA利回りランキング!平均利回りと商品の選び方について解説
菅原良介 2024/04/16
article item
株式 (基礎編) 【2023年】初心者向け株取引アプリ7選!アプリ選びのポイントも解説
菅原良介 2024/04/16
article item
株式 (実践編) 米国株式のインデックスファンドおすすめ5選!選び方のポイントについても解説
菅原良介 2024/04/16

信用取引

article item
信用取引 気になる機関投資家の空売り!機関投資家の動きを把握し、取引に活用!
菅原良介 2024/04/16
article item
信用取引 機関の空売りとは?空売り残高の活用方法と銘柄の特徴について紹介
菅原良介 2023/08/15
article item
信用取引 つなぎ売りとは?つなぎ売りの方法や注意点などを徹底解説!
2023/03/31
article item
信用取引 クロス取引とは?有名な「優待クロス取引」のメリットや気をつけるべき点などわかりやすく解説!
菅原良介 2023/03/31

投信/ETF

article item
投信/ETF 投資信託の平均利回りの計算方法を知って賢く投資
菅原良介 2024/04/16
article item
投信/ETF 投資信託とは?初心者でもわかる基本と仕組みについて解説
菅原良介 2024/04/16
article item
投信/ETF ETFの手数料とは?費用や税金などのコストについて解説!
菅原良介 2024/04/16
ETF
article item
投信/ETF SPYDの分配金はどれくらい?利回りの推移や安定性を徹底チェック!
菅原良介 2024/04/16

Jリート

article item
Jリート J-REITの種類とは?選び方のポイントも含めて丁寧に解説!
2023/03/31
article item
Jリート 【J-REIT初心者入門】J-REITとは?メリットやリスク、現物不動産投資との違いを解説
2023/03/31
article item
Jリート J−REITは長期保有?短期売買? - はじめてのJリート物語
2023/03/31
article item
Jリート リートっていくらから買えるの? - はじめてのJリート物語
2023/03/31

金銭信託

article item
金銭信託 安全性と収益性のバランスが良い投資方法とは?スマートプラスの合同運用指定金銭信託についてご紹介!
2023/10/31
article item
金銭信託 金銭信託にはどんな種類がある?それぞれの特徴やリスクを知っておこう
2023/10/31
article item
金銭信託 金銭信託でこれは知っておこう!利益がもらえる時の信託受益権とは?
2023/10/31
article item
金銭信託 信託銀行って何の銀行?どんな金融資産を運用してる?
2023/10/31

NISA

article item
NISA つみたてNISAにおける銘柄選びのポイントは?成功させるための方法も紹介
菅原良介 2024/04/16

不動産投資

article item
不動産投資 不動産クラウドファンディングのメリットは?ソーシャルレンディングとの違いも解説!
菅原良介 2024/04/16
article item
不動産投資 おすすめの不動産クラウドファンディングは?比較すべきポイントも合わせて紹介
菅原良介 2024/01/31