積立FXの4つの魅力|10年積み立てたらいくらになる?シミュレーションを大公開
「実際、積立FXって儲かるの?」と気になる人も多いのではないでしょうか。
結論、積立FXはローリスクローリターンの投資方法で、一攫千金は狙えません。しかし、長期的にコツコツ続けていれば大きな利益になります。
この記事では、積立FXを続けた際のシミュレーションを観点別に3つ紹介。
積立FXにかかる税金まで詳細に解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
積立FXの仕組み | 積立FXは定期的に課金するFX

積立FXは、資金を定期的に積み立てておこなうFX取引です。
「レバレッジ・いつでも売却可能」といったFXの要素と、「定額を一定の間隔で課金」する積立の要素がハイブリッドしているのが積立FXの最大の特徴です。
設定する条件は4つ
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購入通貨ペア
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購入額
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購入頻度
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レバレッジ
積立FX取引所によりますが、購入額はおおむね、外貨1通貨分または日本円で100円から設定できます。
購入頻度は「毎日」「毎週」「毎月」から、レバレッジも「1倍」「2倍」「3倍」から選べます。
以上の4つをあらかじめ設定しておけばあとは見守るだけです。
通常FXとの違いはローリスク・ローリターン
積立FXと通常FXの違いを比較して表にまとめました。
積立FXは、レバレッジをかけなくても約100円から取引に参加できます。仮にレバレッジをかけるとしても3倍までなので、損害も生みにくい仕組みです。

少ない元本から始められる&レバレッジのかけすぎも避けられるからこそ、通常のFXに比べローリスク・ローリターンなんです。
積立FXのシミュレーション結果
ここからは、積立FXのシミュレーションについて見ていきます。
期間・レバレッジ・スワップポイントに着目し、「SBI FXトレード」で以下4つの積立FXシミュレーションをおこないました。
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米ドル/円を10年運用した場合
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【期間に注目】米ドル/円を20年運用した場合
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【レバレッジに注目】米ドル/円をレバレッジ3倍で10年運用した場合
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【スワップポイントに注目】トルコリラ/円を10年運用した場合
長期間であればあるほどリターンは大きい
取引期間に注目して米ドル/円を10年運用した場合(①)と米ドル/円を20年運用した場合(②)のシミュレーション結果を比較します。
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米ドル/円
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初期投資額は100,000円
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毎月購入額10000円
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運用期間10年
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レバレッジ1倍

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米ドル/円
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初期投資額は100,000円
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毎月購入額10000円
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運用期間20年
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レバレッジ1倍

シミュレーションの結果、①の合計額は約152万円、②の合計額は約345万円となりました。
10年から20年で期間は2倍ですが、合計額を見ると2倍以上となっているのがわかります。棒グラフの紫の部分も②の方が長いです。

スワップポイントは長く取引すればするほど増額します。増え続けるスワップポイントを長期間運用している②のほうが、当然リターンは大きいですよね。
レバレッジは利益は出るがリスクが高い
次は、レバレッジに注目して米ドル/円を10年運用した場合(①)と米ドル/円をレバレッジ3倍で10年運用した場合(③)を比較します。
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米ドル/円
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初期投資額は100,000円
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毎月購入額10000円
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運用期間10年
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レバレッジ1倍

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米ドル/円
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初期投資額は100,000円
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毎月購入額10000円
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運用期間10年
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レバレッジ3倍

シミュレーションの結果、①の合計額は約152万円、③の合計額は約213万円となりました。
③は①に比べ、レバレッジは3倍ですが合計額は1.5倍にとどまっているのがわかります。ただ、スワップポイントの収入は4倍近いです。

スワップ利回りだけを見ても17%→63%に上がっています。このように、レバレッジを上げれば少ない資金で多くの金額を動かし、利益を上げられるので効率良く稼げます。
スワップポイントの高い通貨ペアがおすすめ
次は、スワップポイントに注目して米ドル/円を10年運用した場合(①)とトルコリラ/円を10年運用した場合(④)を比較します。
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米ドル/円
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初期投資額は100,000円
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毎月購入額10000円
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運用期間10年
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レバレッジ1倍

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トルコリラ/円
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初期投資額は100,000円
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毎月購入額10000円
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運用期間10年
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レバレッジ1倍

シミュレーションの結果、①の合計額は約152万円、④の合計額は約215万円となりました。
両グラフの紫色の部分(スワップ収入)を比較すると、④は3年3か月目あたりからかなり伸びているのがわかります。

トルコリラは高金利通貨なので、早い時期から多額のスワップポイントをもらえます。早い段階で運用資金が増えれば増えるほど将来の増え幅は広がっていきますよね。
積立FXのメリット4選
長期運用で利益をあげられる積立FXですが、おすすめできる理由が4つあります。
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通常のFXに比べ格段にローリスク
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手間がかからない
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スワップポイントがもらえる
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信託保全で万が一にも安心
これらの強みを活かして、積立FXでコツコツ利益を積み重ねていきましょう。
①通常のFXに比べ格段にローリスク
積立FXは、レバレッジが3倍であったりドルコスト平均法に基づいて為替の購入価格を平準化できるのが魅力です。
だからこそ、仕組みはFXでありながら、通常のFXよりもローリスクで取引できるのです。
レバレッジが3倍まで
レバレッジが3倍だと、物足りないと感じるかもしれませんが、実はそのぶんリスクが抑えられているのです。
通常のFXは25倍までレバレッジをかけられますが、25倍で取引をすれば相場が下落したときの損害も25倍になってしまいます。

「レバレッジ」制度は、少ない資金でそれ以上の金額を扱うもので投資効率も高いですが、常にハイリスクと隣り合わせであることを忘れてはいけません。
ドルコスト平均法で購入価格を平準化
積立FXではドルコスト平均法に基づいて、外貨を自動購入しています。実はこのドルコスト平均法、「つみたてNISA」でも採用されています。

※引用:(SBI FX トレード 公式サイト)
ドルコスト平均法で外貨を買うときは、購入金額が常に一定になります。つまり、購入できる外貨量だけがそのときのレートに応じて増減する仕組みです。
たとえば毎月10,000円を積み立てているとき、1ドル=100円の月は100ドル分保有できますが、1ドル=150円の月は66ドル分しか保有できません。
このように、ドルコスト平均法は、レートが上下することを前提に外貨の購入価格を一定にする買いかたなので、買いすぎや買い忘れを回避でき、無駄な損失を出さずに済みます。

積立FXは、通常FXと同様にロスカットの可能性がありますが、低レバレッジでの運用ですのでそこまで証拠金維持率を気にする必要はありません。
②手間がかからない

積立FXは、とにかく手間がかからないので初心者の方におすすめです。
FXであれば為替レートの上下はもちろん、世界情勢や経済ニュースもいち早く入手しなければなりません。
一方、積立FXは冒頭に紹介した4つの条件さえ設定すればあとは自動で取引してくれます。

放っておいたら損失がかなりの額になっていることもあるので、損益を定期的にチェックすることは怠らないようにしましょう。
③スワップポイントがもらえる

積立FXでの主な利益は為替レートによるものではなく、このスワップポイントなのです。
スワップポイントは、「金利差調整分」とも呼ばれ、2国間の通貨の金利差を埋めるために毎日付与されるもので、以下のように通貨ごとに異なります
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ユーロ/円:約20~75円/10,000通貨
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南アフリカ/円:約145~400円/100,000通貨
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トリコリラ/円:約300~420円/100,000通貨
※(LIGHT FX・GMOクリック証券・DMM FX・みんなのFX・IG証券・GMO外貨・LION FX・LINE FX・松井証券)の9社が調査対象です。
※各FX会社公式サイトで公表されている2022/10/17~10/31間のスワップポイントの実績を平均しています。
ユーロ/円のスワップポイントが20円だとしても毎日もらえるので、年間(365×20=7,300円)。トルコリラなら(365×300=109,500円)付与されます。

定期的な積立によって取引量が増えれば、もらえるスワップポイントもさらに増えていきます。だからこそ、長期運用が大事になってくるのです。
④信託保全で万が一にも安心

※引用:(SBI FX トレード 公式サイト)
積立FXは通常のFXと同様、信託保全で資金が守られます。信託保全ならば、万が一FX会社が倒産したとしても、投資家の財産は返還されます。
信託保全とは、われわれ投資家の財産をFX会社ではなく、信用できる金融機関に保管する仕組みだからです。
このように自分の財産が守られていたら、安心して資金を預けられますよね。

金融庁の認可を受けているFX会社なら、法律で信託保全が義務付けられているので安心してください。
積立FXのデメリット3選
長期であれば比較的簡単に稼げる積立FXですが、もちろん以下のようなデメリットもあります。
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買→売はできるが、売→買はできない
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FXほどは稼げない
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スプレッド幅が広い
①買いから売りはできるが、売りから買いはできない

積立FXは、「安値で買ったあとに高値で売る」はできますが、「高値で売ったあとに安値で買う」稼ぎ方ができません。入金時に外貨購入の選択肢しかないからです。
つまり、レートが上昇しているときは利益を上げられますが、レートが下降しているときは逆に含み損を抱えてしまいます。

レートが下降しているとき、含み損を抱えますが、それを長期運用でならすのがドルコスト平均法です。含み損が出ても辛抱強く積み立て続けましょう。
②通常のFX取引ほどは稼げない
積立FXはあくまでローリスク・ローリターンなので通常のFXのようには稼げません。
通常のFXは為替レートの上下に応じて頻繁に売り買いすることで利益を重ねますが、積立FXはそれらができません。なぜなら上で見たように、積立FXは「売→買」の稼ぎ方ができませんし、そもそも為替レートで稼ぐ投資ではないからです。
「銀行預金に比べて利回りがいい」程度の投資なので、大儲けできると期待するのはやめましょう。

積立FXは、長期運用であればあるほど利益が増す投資でした。あくまでスワップポイントでコツコツ稼ぐ投資であることを忘れないようにしましょう。
③スプレッド幅が広い
積立FXのスプレッドは、通常のFXに比べ、かなり高く設定されています。
スプレッドがかかるタイミングはFXと同様、外貨を購入するときなので、1取引あたりのコストは膨らんでしまいますが、自動で積み立ててくれる手数料と考えれば妥当かもしれません。

初心者など積立FXのスプレッドが気になる人は、購入頻度を「毎月」にすれば、取引回数を減らしてコストを抑えられます。
積立FXを始めるのにおすすめ取引所
① SBI FXトレード | 積立FX

SBI FX トレード 公式サイト
SBI FXトレード 積立FXの最大の魅力は、自動入金サービスと定期購入申し込みを併用できるところです。
住信SBIネット銀行に口座を開設し、SBI FXトレードと連携すれば、手数料0円&全自動で積立FX口座に入金でき、さらに買い付けまでもおこなってくれます。
定期的に入金するのが面倒な人でも、入金の手間が減って楽に取引できます。

※引用:(SBI FXトレード 公式サイト)
また、スワップポイントを再投資できるのも魅力の1つです。
付与されたスワップポイントを貯めているだけではなく、外貨へ再投資することでより多くの元手を投資できるので、上の図のように利益も桁違いに膨らみます。
さらに、スワップポイントの分配も可能で、付与されたスワップポイントが合計10,000円以上のときは、1円単位で銀行振込と預託金口座に割り振ることができます。
SBI FXトレードの口コミ
▼SBI FXトレードの評判が気になる人はこちら
② 外為どっとコム | FX積立
外為どっとコム 公式サイト
※口座開設フォームはFX(外貨ネクストネオ)、FX積立(らくらくFX積立)共通です。
外為どっとコムのFX積立は、業界最高水準のスワップポイントが魅力的です。
100,000通貨で取引した場合ですが、以下の画像のように以前まで金利差が狭かった米ドル/円でも高水準のスワップポイントが付与されています。
長期の運用で利益を確保したい人にはおすすめのFX会社です。

また、外為どっとコム独自のFXポイントで、外貨の買い付けができるのも特徴の1つです。
FXポイントは、外為どっとコムの各種サービスやキャンペーンで獲得可能で、FX積立での外貨買付の際に「1ポイント1円」として利用できるので、より気軽に積立投資を始められます。

取引の簡単さを選ぶならSBI FXトレード、スワップポイントによるリターンの高さを選ぶなら外為どっとコムを選ぶとよいでしょう。
外為どっとコムの口コミはこちら
積立FXで着実に稼ぐコツ

ここからは、積立FXで稼ぐためのコツを深掘っていきます。
積立FXは、チャートを分析したり、自分で判断して売買する必要がないぶん、初心者でも始めやすい投資です。失敗する可能性は比較的低いと言えますが、リターンを余すことなく受け取る意味でも以下3つの心得を大切にしましょう。
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スワップポイント重視の長期運用とする
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証拠金維持率を常に気にする
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積立FXはローリターンである
①スワップポイント重視の長期運用とする
積立FXは、あくまで長期運用の投資方法です。
毎日もらえるスワップポイントを蓄積することが、さらなる利益の獲得につながります。利益が出ないからといって短期間で取引をやめるのではなく、辛抱強く積み立て続けて、利益が出るのを待ちましょう。

スワップポイントで稼ぐには高金利通貨ペア(メキシコペソ、トルコリラ、南アランド)がおすすめです。リスクを避けたいなら、ユーロ/円など値動きが安定している通貨でレバレッジをかけるのがおすすめです。
▼スワップポイントについて詳しく知りたい人はこちら
②証拠金維持率を常に気にする
意外に知られていませんが、積立FXには通常のFXと同様「ロスカット」が存在します。
SBI・外為どっとコムともに、証拠金維持率が「30%」を下回ったときに強制的にロスカットが実行されてしまいます。
突然のロスカットを避けるためにも常に証拠金維持率に気を配り、レバレッジをかけすぎない&毎月の購入額に見合った資金を口座に入れておくのを徹底しましょう。

突然のロスカットを避けるためにも、1日最低2回以上は運用状況を確認しましょう。
③積立FXはローリターンだと割り切る
積立FXで大儲けできることはまずありません。
積立FXはスワップポイントでコツコツとリターンを積み上げていく稼ぎ方でした。たとえ為替レートが急上昇しても、すぐさま多額のリターンを得られるわけではないですので、過度に期待しすぎないようにしましょう。
「一攫千金」ではなく「千里の道も一歩から」の精神で取引をおこなうのをおすすめします。

リスクが低いからといって、資金を投入しすぎず、あくまで「分散投資」を心がけましょう。
積立FXの評判・口コミ
積立FXは実際どうなのか。ここでは、すでに始めている人の評判・口コミをみていきます。
積立FXは、1年近くでプラスになることもあるようですが、あくまでスワップポイント目当ての長期運用を徹底しましょう。
また、「FX=怖い」のイメージを持っていた人でも始められるのが積立FXの魅力でもあります。さらに、積立FXには外貨預金にはない信託保全の仕組みもあるので安心して取引できます。
南アランド/円のレートがこのままだと、損失取り返すのに5年かかる計算になる。
積立FXは、下降トレンドのときにその強さを発揮できません。あまりにもレートが下がり続ける(円高の)際は、一度決済して別の通貨で積み立てるのも手です。
積立FXは申告分離課税
積立FXにかかる税金について確認しましょう。
税率は一律20.315%
積立FXで出た利益は、申告分離課税の対象となります。
申告分離課税とは?
所得税は、各種の所得金額を合計し総所得金額を求め、これについて税額を計算して確定申告によりその税金を納める総合課税が原則です。
しかし、一定の所得については、他の所得金額と合計せず、分離して税額を計算し、確定申告によりその税額を納めることとなります。これが申告分離課税制度です。
(引用:国税庁)
税率は、所得税(15%)+住民税(5%)+復興特別所得税(0.315%)=一律20.315%です。(※復興特別所得税は2023年12月31日まで)
具体的なケース
具体的な金額で、税金を計算してみましょう。
たとえば、積立FXで300万円稼いだとしたら、3,000,000円×20.315%=609,450円の税金を収めることになります。
税率が一律なので、徴収される税金は稼いだ額に応じて増加していきます。
よくある質問
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土日に取引できますか?
通常のFXと同様、マーケットは休場ですが、注文は可能です。
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ポジションの一部を売却することはできますか?
可能です。ただFX会社によっては1通貨単位、日本円のみでの売却となるので注意してください。
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買付時の必要保証金の計算方法を教えてください。
必要保証金の計算方法は、「買付時のレート×買付通貨量÷レバレッジ」です。
(例) 買付時のレートが110円、買付通貨量が100通貨、レバレッジ2倍のとき、110円×100通貨÷2倍=5500円となります。
設定した4つの条件は、取引開始後も変更可能ですので、あとから購入額を減らしたり、購入頻度を下げたりもできます。