上場企業に少額から投資できるFundsとは?特徴・注意点についても解説

投稿日:2023/10/27 最終更新日:2023/10/30
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Fundsは「貸付投資サービス会社」という位置づけで貸付型クラウドファンディングの募集・販売を行っています。個人投資家が検討するうえでは、貸付型クラウドファンディングやソーシャルレンディングに近いサービスと考えて問題ないでしょう。利回りは低めですが、審査が厳格なため上場企業など健全性の高い企業向けの融資をもとに組成したファンドが中心となっています。
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この記事の監修者

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菅原良介

株式会社Finatext

証券アナリスト

Finatext サービスディレクター・アナリスト。日本テクニカル協会認定テクニカルアナリスト。早稲田大学 政治経済学部 経済学科卒業。Finatextグループで展開される投資・証券サービスのディレクターを担当する傍ら、アナリストとしても活動。グループで展開するコミュニティ型株取引アプリSTREAM内で開催されるイベントのモデレーターなども務め、国内メディアへの寄稿も行う。

Fundsとは?

Fundsは「貸付投資サービス会社」として企業への融資を小口化したファンドを募集しています。運営会社は、もともと投資情報サービスを提供していた企業ですが、2019年より現行のファンド募集サービスを行っています。

Fundsの基本情報

Fundsはファンズ株式会社が2019年から開始した「貸付投資サービス」です。同サービス上では、いわゆる融資型クラウドファンディングにあたる企業への貸付をもとにファンド組成し、個人投資家から募集しています。

同社が募集するファンドは、上場企業やその子会社など健全性の高い企業への貸付が多く、ローリスクローリターンであるのが特徴です。また同社のファンドのなかには、抽選で貸付先の商品などが特典で当たる「Funds優待」がついているものもあります。安全性の高さや優待が人気で、2019年のサービス開始以降すでに350以上のファンドを組成しています。

ファンズ株式会社はもともと投資情報サービス「クラウドポート」を運営していた会社で、社名も「クラウドポート」という企業名でした。投資情報サービスを営む中で蓄積した情報を活かして、Fundsというサービスをスタートしています。

運営企業は多数の大手企業より出資を受ける

Fundsの運営会社である「ファンズ株式会社」は国内の複数の大手企業およびその参加の投資会社から出資を受けています。一例を挙げると次の通りです。

ファンズ株式会社の出資先

  1. 三井住友不動産
  2. 伊藤忠テクノロジーベンチャーズ
  3. 日本郵政キャピタル
  4. みずほキャピタル
  5. 楽天証券
  6. auカブコム証券
  7. 電通

 多数の大手企業からの出資は、Fundsおよび運営会社ファンズに対する評価の高さの表れといえます。また、万が一ファンズの業績が悪化した場合には、出資先から支援を受けられる可能性もあります。サービスの運営企業が健全であるため、安心して利用できるサービスです。

ソーシャルレンディングとの違い

Fundsの貸付投資サービスとソーシャルレンディングは若干異なるサービス形態ですが、投資する上ではあまり両者の違いを気にする必要はないでしょう。Fundsの貸付投資サービスは、投資の募集のみを扱っていて、ファンドの組成・運用は別の企業が行っています。

一般的なソーシャルレンディングや貸付型クラウドファンディングは、ファンド組成から募集までを一貫して同じ企業グループ内で行うサービスです。ただし、個人が投資をするうえで両者の違いがネックになることはあまりないので、投資先を検討するときには、他のソーシャルレンディング・融資型クラウドファンディングと同じ物として比較しても問題ないでしょう。

なお、貸付型クラウドファンディングの特徴についてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事も読んでみてください。

Fundsの特徴

Fundsは1円の少額から投資できるのが大きな特徴です。上場企業の案件が多く、健全性が高いファンドが多くなっています。また、貸付先の商品やサービス利用券などが当たる「Funds優待」がしばしば設定されているのも魅力の一つです。

少額から投資を始めることができる

Fundsは1円から1円単位で投資が可能なのが大きな特徴です。クラウドファンディングは一般に少額投資しやすい金融商品ではありますが、多くのサービスは最低投資金額1万円程度となっていて1円から投資できるサービスは珍しいといえます。

1円単位で投資できるため、たとえば運用期間中に発生した分配金を直ちに別のファンドに再投資可能です。その点では、他のサービスと比べて効率良く運用できます。

上場企業の案件が多い

Fundsは他の類似サービスと比べて厳しく審査を行っていて、上場企業およびその子会社の融資をファンドにした案件が多くなっています。たとえば、事業計画では5年間の事業予測が必要なうえ、テキストおよびインタビューで融資やファンドとして募集するうえでの適格性をチェックしています。

この審査をクリアできる情報の透明性や安定した財務基盤を持つ企業は限られているため、結果的に健全性の高い上場企業の貸付をファンドにした案件が多いのです。健全性の高いファンドを中心に募集しているため、すでに368本・約488億円の募集を行っているにもかかわらず、2023年10月26日時点で正常償還率100%となっています。

Funds優待を受け取ることができる

Fundsでは「Funds優待」というユニークなサービスを提供しています。これは株主優待のようにファンド保有者に対して提供される特典で、貸付先の企業が提供するサービス利用券・割引券や商品などがもらえる仕組みです。過去には、たとえば以下の様なFunds優待が実施されました。

Funds優待の例

  1. 【タイムカプセル優待がもらえる】石垣真栄里ホテルファンド#8|「石垣真栄里ホテル」の宿泊無料券・割引券
  2. 柚富の郷 彩岳館ファンド|「柚富の郷 彩岳館」の割引券
  3. からだにユーグレナファンド|「からだにユーグレナ グリーンタブレット乳酸菌」を1週間分プレゼント
  4. RENOSYサステナビリティファンド#1|「川崎フロンターレ」のペア観戦チケット(メインSS指定)

  5. タカラレーベン サステナビリティファンド#1|投資額に応じて最大2,200円相当分の全国共通おこめ券

  6. 大阪王将ファンド #1|「大阪王将」店舗の割引券

  7. ブロードマインドグループサステナビリティファンド#1|不動産仲介手数料が割引になる優待

Funds優待は、全てのファンドで実施されるわけではないので、優待に期待して投資する方は注意しましょう。

ファンド募集の頻度が多い

ファンド組成の頻度が多いため、投資機会が豊富なのがFundsの特徴です。Fundsでは、2019年1月に最初のファンドを募集して以来、368本(2023年10月26日時点)のファンドを募集しています。

平均すると約5日に1本の頻度で新しいファンドを募集している計算です。ソーシャルレンディングや不動産投資型クラウドファンディングは、ファンドが募集されているタイミングでしか投資ができないため、基本的に頻繁にファンドを募集するサービスの方が待機期間が少なく済むので利用しやすいといえます。

Fundsの注意点

Fundsが募集するファンドは、他の多くの貸付型クラウドファンディングと同様に元本保証はありません。また、健全性が高い企業向けの融資が多い分利回りが低い傾向にあります。また、人気ファンドの場合は短時間で募集が終了し、思うように投資できない可能性がある点にも注意が必要です。

元本保証がない

Fundsが募集するファンドは元本保証がなく、貸付先の元利金返済が滞るいわゆる貸し倒れ(デフォルト)が発生すると、ファンドの投資家に損失が及ぶ恐れがあります。健全性の高い企業向けの融資が多いこともあり、これまでFundsの募集ファンドでは貸し倒れは一度も発生していません。 しかし、経済環境の悪化や貸付先企業の固有事情による業績悪化などにより、将来貸し倒れが発生する可能性はあります。ただし、ほとんどの投資型クラウドファンディングは元本保証ではないので、こちらはFunds固有の問題ではありません。 投資先を選ぶ上では、ファンド情報や投資先の事業情報をよく調べて、信頼できる企業のファンドへ投資してください。

利回りが低め

Fundsが募集するファンドは、融資先の健全性が高い反面利回りが低いのが特徴です。2023年10月26日時点の直近10本のファンドを見ると、利回りは2%~2.4%程度となっています。他のソーシャルレンディングでは5%程度の利回りが出る案件も少なくないため、相対的に収益性が低いのがネックです。

金融市場では、一般に健全性の高い企業ほど低金利で借入ができるため、上場企業向け融資のファンドが多いFundsの利回りが低いのはやむを得ない部分があります。また、FundsではFunds優待というほかのソーシャルレンディングではあまりみられない特典も付与されるため、比較する際には優待の付加価値もふまえて検討しましょう。

募集がすぐに終わる場合がある

Fundsのファンドの多くは先着式での募集となっており、いわゆる「早い者勝ち」です。投資申し込み前に募集金額が埋まった場合は、そのファンドに投資することができません。

Fundsは比較的募集頻度が多いサービスではあるものの、いつでも募集ファンドがあるわけではないので、完売してしまったら次のファンド募集を待つ必要があります。確実に目当てのファンドに投資できるよう、日々Fundsの募集情報をチェックして、あらかじめ入金を済ませておくなどの対策をしておきましょう。

途中売却・換金ができない

Fundsのファンドには、途中売却・換金する機能がないため、投資したら償還されるまで現金化できません。投資する際には、当面の間使えなくても問題のない余裕資金を活用して投資してください。

他の多くのクラウドファンディングも途中換金は困難ですが、たとえば株式投資型クラウドファンディングのFUNDINNOには、保有する未公開株を売却するプラットフォームがあります。また、不動産投資型クラウドファンディングでは「COZUCHI」にファンドを途中売却するシステムがあります。

いずれも上場株のように自由に売買できるわけではありませんが、少しでも途中売却できる手段を残しておきたいなら、こうしたクラウドファンディングサービスを利用するのも一案です。株式投資型クラウドファンディングについて詳しく知りたい方はこちら。

Fundsに向いている人

Fundsは1円単位で投資できることから、少額投資していきたい方におすすめです。また、低リスクで安全性の高い投資を行いたい方やソーシャルレンディング初心者にも向いているサービスといえます。

少額で投資をしたい人

Fundsは1円以上1円単位で投資できるため、まとまった資金を用意できない人でも、資金ができ次第で柔軟に投資できます。毎月少しずつ余剰資金を投資に回していきたい方にもおすすめです。なお、投資資金が潤沢にある方も、多数のファンドに分散投資して償還タイミングやリスクを分散できるのがメリットといえます。

少ないリスクで投資をしたい人

ローリスクローリターンで安全性の高い投資をしたい方にも、Fundsがおすすめです。Fundsで募集しているファンドの融資先は、厳しい審査をクリアした企業ばかりです。

投資先の情報の透明性が高く、さらに財務基盤も安定している企業が多くみられます。利回りは低めでも、確実に元本が償還されるファンドで投資したいなら、Fundsの募集ファンドへ投資しましょう。

ソーシャルレンディング初心者

少額で投資できて、かつファンドのリスクも相対的に低いため、ソーシャルレンディング初心者が初めてチャレンジするのに適したサービスです。

ファンド組成をする段階で、厳格な審査のもと健全性の高い融資を厳選しているため、ファンドの中身を深く調査した経験がなくとも、健全性の高いファンドに投資できる可能性が高いでしょう。Funds優待というユニークながらわかりやすい特典が付与される点でも、初心者におすすめといえます。

Fundsの始め方

Fundsで口座開設して投資を始めるまでのプロセスは次の通りです。

Fundsの始め方

  1. メールアドレスの登録
  2. 個人情報の登録
  3. 審査結果の通知
  4. 入金と投資

メールアドレスの登録

Fundsのページの右上に表示される「新規会員登録」をクリックすると、メールアドレスとパスワードを入力するフォームが出てきます。それぞれ入力して利用規約に同意してください。なお、メールアドレスとパスワードは今後ログインするときに必要な情報なので、忘れないように注意しましょう。

個人情報の登録

登録したメールアドレスに口座開設手続きに関するメールが届きます。メール内に記載されたURLを開き、個人情報を登録してください。氏名や住所・電話番号などの基本的な情報の他、年収や金融資産、投資目的などの登録も必要です。一通り記入を終えたら、本人確認書類をアップロードします。

運転免許証やマイナンバーカードなどを本人確認書類として使用する場合は、Web上のアップロードで完結し、スピーディに審査が完了します。一方で、これらの書類がない場合は、郵送であれば保険証などを利用した本人確認も可能です。

審査結果の通知

一連の手続きを終えた後、審査結果が通知されます。審査に通過していれば、入金やファンド投資が可能です。なお、本人確認書類をアップロードした場合は最短1営業日で審査が完了します。郵送した場合の所要日数は5営業日程度です。

入金と投資

Fundsは入金と投資ファンドの申込どちらが先でも問題ありませんが、初めて投資する場合は先に入金して「デポジット」の範囲内で投資ファンドを申し込んだ方がスムーズです。入金後、その時点で募集中となっているファンドから、気に入ったファンドへ投資しましょう。もし募集ファンドがない場合は、次の募集タイミングを待ってください。

Fundsで少額からソーシャルレンディング

Fundsは少額から企業への融資を小口化したファンドに投資できる貸付投資サービスです。実質的にソーシャルレンディングと同じように利用できます。利回りは低めですがその分融資先の健全性が高いため、元本既存のリスクは相対的に低いといえます。

これまでの正常償還率が100%で貸倒れを引き起こしたことがない点でも安心です。また、Funds優待という独自の特典が付与される点でも魅力といえます。1円から少額投資できるため、投資初心者やまとまった投資資金がない方におすすめです。今回の記事を受けてFundsに魅力を感じた方は、ぜひ新規登録して投資を始めてみてください。

まとめ

貸付先クラウドファンディング・ソーシャルレンディングにはさまざまな事業者がありますが、そのなかでもFundsはローリスク・ローリターンである点が特徴です。安全性の高い方法で資産運用をしたいと考えている方は、ぜひ利用してみましょう。

一方で、クラウドファンディング全般として、キャピタルゲインが期待できない点には留意が必要です。キャピタルゲインによる高収益の獲得を目指している方は、償還時における不動産の売却益により収益がアップする可能性のある不動産投資型クラウドファンディングに投資するのも一案です。

不動産投資型クラウドファンディングについて詳しく知りたい方は、こちらの記事を読んでみてください。 おすすめの不動産クラウドファンディングは?比較すべきポイントも合わせて紹介  

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