つみたてNISAにおいては、投資先が分散され、かつ信託報酬が低いインデックス型投信を選ぶのが重要です。
そのなかで、純資産総額の大きい銘柄であれば、長期で継続保有するうえでさらに安心といえるでしょう。また、長期で着実に資産を成長させていくためには、余剰資金から少しずつ継続的に積み立てて行くことも大切です。
つみたてNISAの銘柄選びのポイント
つみたてNISAで投資する銘柄を選ぶうえでは、次の4点に留意することが大切です。
リスクを抑える銘柄選びのポイント
つみたてNISAは、定期的に元本を積み立てながら長期投資する仕組みです。以上の4点をおさえた銘柄選びをすることで、途中で運用が終了するリスクを避けながら、じっくり資産運用に取り組めます。
インデックス型の銘柄
つみたてNISAでは、基本的にインデックス型銘柄に投資するのがおすすめです。投資信託には、大きく分けて特定の市場指数に連動することを目指すインデックスファンド型と、市場指数を上回るパフォーマンスを目指すアクティブファンドがあります。
アクティブファンドは、インデックスファンドに比べて多くのリターンを得られる可能性が高いように見えます。ただし、アクティブファンドの方がコストをかけて投資先や市場分析などを行っていることから、信託報酬が高い傾向にあります。
また、あくまでアクティブファンドは指数を上回ることを目指しているだけで、必ず達成できるとは限りません。むしろ、長期でみると以下のように指数を下回る銘柄の方が多いという調査もあります。
指数をアンダーパフォームしたファンドの割合(絶対リターンベース)
運用年数 | 全ての日本株ファンド | グローバル株式ファンド |
1年 | 49.27% | 54.69% |
3年 | 66.23% | 63.68% |
5年 | 64.19% | 79.67% |
10年 | 69.04% | 93.62% |
長期で安定した投資を実践するためには、比較的信託報酬が低く、値動きがわかりやすいインデックス型の投資信託を選択するのがおすすめです。
全世界もしくは米国に分散投資されている銘柄
長期的に資産運用を行う際には、全世界で分散投資を行うか、米国に投資している投資信託を選びましょう。長期的な資産運用を実現するためには、投資する地域を分散し、リスクを分散させることが非常に重要です。
つみたてNISAの銘柄の中には、世界中の株式に投資する銘柄が複数あるので、そのような銘柄を選ぶのが1つの選択肢といえます。
一方で、米国市場の株式に投資するという考え方もあります。米国の時価総額は世界一で、かつ世界の半分以上を占めています。そのため、世界の株式市場に与えるインパクトが大きく、米国株が大きく下落すれば世界中の株が下落する可能性が高いでしょう。
米国の株式市場は長期でみると堅調に成長していることもあり、高成長を狙う方にとってはつみたてNISAのおすすめの投資先の一つといえます。
信託報酬(手数料)が低い銘柄
できるだけ信託報酬の低い銘柄を選んで投資するのも大切なポイントです。信託報酬とは、投資信託を保有する際に発生する手数料の一つです。
ただし、投資家が自己資金から直接支払うのではなく、投資先の資産の中から日々間接的に徴収されていきます。そのため、信託報酬が高い銘柄を保有していると、投資信託のパフォーマンスを低下させてしまうのです。
信託報酬は投資信託を保有している期間にわたり徴収されるものなので、長期間にわたって保有し続けるほど最終的な損益に大きな影響を与えます。つみたてNISAにおいては、信託報酬が低い銘柄を選んで投資した方が、効率よく投資収益を獲得できます。
純資産総額が大きい銘柄
純資産総額ができるだけ大きく、資金流入により残高が継続的に増加する傾向のある銘柄を選びましょう。
純資産総額が小さい投資信託は、運用会社や販売会社が充分な収益を確保できなかったり、ファンドのルールに沿った運用ができなくなったりする可能性があります。
そのため、純資産総額が極端に縮小した銘柄は運用を終了し、繰り上げ償還する可能性が高まるのです。
繰り上げ償還とは、あらかじめ決まっていた信託期間が終了する前に、投資信託の運用を終了することです。ファンドが繰り上げ償還されると、投資信託はそのときの価値で強制的に売却され、投資家に現金が戻ります。
意図しないタイミングで償還が行われ、そのときのリターンがマイナスの場合、損失が生じることになります。
また、つみたてNISAは1度売却または償還されると、非課税枠を再び使うことができないため、繰り上げ償還してしまうとそれだけ非課税のメリットを享受できる期間が短くなります。
このように、投資信託の途中償還は投資家にとってデメリットの方が大きいため、20年にわたって運用継続が期待できるファンドを選びましょう。
以上から、純資産総額が大きく、かつ資金流入が持続的に増えている投資信託を選ぶのが有効です。純資産残高が増加し続ける場合、繰り上げ償還されるリスクは小さく、投資家にとって安心感が高まります。
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つみたてNISAを成功させるために
つみたてNISAをうまく活用するためには、長期的な目線で運用をおこない、かつ着実に投資資金を積み立てて行くことが重要です。また、想定外に資金が不足して投資がストップしてしまわないように、余剰資金で積立を行うようにしましょう。
長期的に運用を行う
つみたてNISAでは投資収益が20年間非課税となる特性を活かして、長期で運用を継続することが大切です。過去の統計に基づくと、長期で運用するほど最終的な投資損益のバラツキが抑えられ、安定的に収益を獲得できる可能性が高くなります。
長期での保有を継続すると、ファンドの中で発生した収益が再投資され、さらに収益を生み出すため、複利効果が大きくなります。
特に、つみたてNISAの対象銘柄にしばしばみられる「分配金なし」のファンドは、分配金を出さずに収益を全て再投資に回すため、複利効果がより大きくなります。
分配金を必要としない方にとっては、分配金なしのファンドで長期運用するのが、つみたてNISAにおける有効な投資手法です。
毎月一定額の積立を続ける
毎月一定額の積立を継続すると、ドルコスト平均法のメカニズムが働き収益が安定します。ドルコスト平均法とは、定期的に定額投資することで安いときに多くの単位で、高いときに少ない単位で購入するテクニックです。
長期にわたって続けると購入価格は平準化されていき、安定的な収益を実現しやすくなります。
つみたてNISAは2023年12月末で終わり、2024年からは新NISAのつみたて投資枠に引き継がれることになります。新NISAに移行した後も毎月購入し続けることで、長期にわたり着実に資産を増やしていけるでしょう。
余剰資金で投資を行う
つみたてNISAの効果を最大化するためには、途中で積立をやめたり売却したりしないようにしなければなりません。そのため、余剰資金で確実に積み立てていくことが大切です。
無理な金額を積立設定してしまうと、どこかのタイミングで急な出費などにより現金が足りなくなって、投資を継続できなくなるリスクが高くなります。そうならないように、無理なく長きにわたって積立を継続することが大切です。
例えば、現行のつみたてNISAの非課税保有限度額は年間40万円で、月々にならすと約3.3万円となります。年間40万円を20年間続ければ投資元本は800万円となり、投資成績が良好ならば1,000万円の資産形成も決して不可能ではありません。
このように月々の積立額は小さくとも、長期で継続することで大きな資産を築けるのがつみたてNISAの魅力です。
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まとめ:つみたてNISAのポイントをおさえて、将来に向けた資産形成をはじめよう
つみたてNISAで効果的に投資するためには、信託報酬などの手数料が低いインデックス型投資信託でうまく分散投資していくことが重要です。また、無理のない金額で長期にわたり継続的に積み立てて行くことで、着実に収益を上げられる可能性が高くなります。
ときには市場が悪化して損失が出る局面も想定されますが、長期的な視点に立って積立と保有を継続することが大切です。20年間にわたり投資収益が非課税になるつみたてNISAは、長期投資に適した制度といえます。
また、2024年から始まる新NISAでは、非課税保有期間が無期限になるため、より長期にわたって投資しやすくなります。その有効性を正しく理解して、長期での資産形成にうまく活用していきましょう。
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