NISA口座比較検討のポイント〜NISA口座をどこで作るかチェックポイント - NISAの基本のキホン
NISA口座は銀行や証券会社で開設することができますが、どの金融機関でもサービスが同じとは限りません。また、同一金融機関で4年は連続して口座を開かなければなりませんので、口座選びの際にはじっくり比較検討が必要です。比較検討のためのチェックポイントをまとめてみます。
NISAは国の制度ですが、具体的なサービスを提供するのは民間の金融機関です。各社はNISA取扱い商品サービス等を競い合っています。NISA口座の開設をどこの金融機関で行うか悩んだ場合は、下記のポイントを参考にしてみるといいでしょう。
1.取扱商品のラインナップを確認する
まずしっかり確認したいのは、取扱商品のラインナップです。大きな商品カテゴリーとしては、個別株式(国内株・外国株)、投資信託、ETF、REITなどがあげられますが、必ずしもすべてのカテゴリーを取り扱っているとは限りません。自分が投資を検討している商品が、口座開設をする金融機関で提供されているかどうか、きちんと確認をすることが大切です。
また、それぞれのカテゴリーにおいても、個別具体的な取扱商品リストが各社ごとに異なってきます。ひとくちに投資信託を取り扱う、といっても本数や種類は各社ごとに違いがあります。投資信託は何千本もありますから、すべてを選択できるわけではありません。NISA向けとして各社ごとにラインナップを絞り込んで提供されますので、ホームページや提供される資料、またセミナーなどで確認してください。
NISAの運用において、どのような商品が売買できるかはとても重要なポイントです。投資家にとって好ましい商品ラインナップとなっているか、チェックすることがまず必要になってきます。
2.売買手数料や売買システム
売買手数料や売買の仕組みについてもしっかりチェックしておきたいところです。まず、株式の売買手数料については各社設定が異なりますので、しっかり確認します。また、投資信託についても信託報酬や、販売手数料などが異なる商品が様々ありますので、こうした条件も検討課題です。高いコストは運用成果を引き下げるマイナスの要因になります。
売買のシステムについて特に注目してみたいのは「定額の自動引き落としによる積立投資」ができるかどうかです。毎月一定額を積み立てるような形で、積立投資を行うことは多くの金融商品で可能になっていますが、NISAにおいても可能であれば、毎月少額からの資産形成を行うことができます。可能な場合も、いくらから指定が可能か、積立投資可能な商品は多いか、銀行口座と証券口座が連携していて自動的に引き落とし可能か、などを確認してみましょう。
3.口座維持手数料
多くの金融機関については、NISA口座について無料で提供すると見込まれています。もともと証券口座や銀行預金口座について口座維持手数料が無料であることが多いことを考えれば当然と思うかもしれません。しかし、口座開設にあたって確認は必要です。
もし、口座の開設あるいは維持に手数料がかかる場合は、かからない金融機関と比較して開設のメリットがあるか慎重に判断する必要があります。
4.その他情報サービス
NISA口座開設に付随して、各種情報サービスを利用できることもあります。例えば証券会社のNISA口座を開設した場合に、証券口座のユーザーとほぼ同様のマーケット情報や投資情報を入手できるとしたら、利用のメリットがあるわけです。
近年では驚くほどの投資情報が、スピーディーに得られるようになっています。NISAの資産運用においても投資情報やシミュレーションの活用が、運用の成果に違いをもたらすかもしれません。比較検討のひとつにしてもいいでしょう。
なお、NISA口座開設にあたって、証券口座の開設も求められる場合もあり、結果としてこうした情報サービスの利用権が手に入ることもあります。
5.開設時のキャンペーンやプレゼント
金融機関では、ひとりでも多くの顧客を獲得しようとNISA口座開設の際に商品券、電子マネーのチャージ、ポイント付与、現金のキャッシュバック、などのキャンペーンを行っている場合があります。年金受取口座のように、定期預金をあわせて組み入れると優遇金利が受けられるようなキャンペーンなども登場するかもしれません。
しかし、こうしたキャンペーンやプレゼントは一時的なものであり、何年もつきあうこととなるNISA口座の開設理由とするのは本末転倒です。検討においては、前述のサービスを優先して吟味を行い、こうしたキャンペーンに踊らされないよう、注意すべきでしょう。
口座開設のチェックポイント
NISA口座は1人は1口座しか開設できません。また1金融機関に開設を行うと4年は連続して同じ金融機関で取引を行います。ぜひ慎重に検討を行い、満足のいくパートナーを探してみてください。
執筆:フィナンシャル・ウィズダム代表 ファイナンシャル・プランナー/山崎俊輔
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