資産運用

年金制度が破綻するは本当?老後は公的年金だけで問題ない?

最終更新:2022/05/31 17:46

少子高齢化や人口減少が深刻化する中、国の年金制度に対する不安が拡大し、「公的年金制度はいつか破綻してしまうのではないか」という意見も見られるようになりました。しかし、ただ漠然と不安を抱えているだけでは、老後の生活に備えることはできません。この記事では、年金制度が破綻するとは本当なのか、そして老後の生活資金は公的年金だけでまかなえるのかについて詳しく説明していきます。さらに、公的年金以外の老後に向けた資産形成の方法もご紹介します。

公的年金とは?日本の年金制度の仕組みは?

公的年金とは、国がおこなっている年金制度全体を指します。日本の公的年金制度は2階建て構造といわれており、1階部分が「国民年金」、2階部分が「厚生年金」となっています。この上にさらに私的年金が加わると、あわせて3階建ての年金構造となります。

「国民年金」と「厚生年金」ってどんなもの?

1階部分にあたる「国民年金」とは、20歳以上60歳未満の国民全員が加入することになっている公的年金の一つです。また、2階部分にあたる「厚生年金」とは、国民年金に上乗せする形で、会社員や公務員が加入するものです。

私的年金にはどのようなものがあるの?

私的年金とは、公的年金に上乗せをして、企業や個人がさまざまな制度の中から選択をして加入する年金です。私的年金には、確定給付企業年金制度(DB)、確定拠出年金制度(DC)、国民年金基金制度、保険会社が販売している個人年金などがあります。

年金の受給開始年齢はいつ?

公的年金の受給開始年齢は基本的に65歳からとなっています。しかし、公的年金は請求することによって受給年齢を早めたり(繰り上げ)、遅めたり(繰り下げ)できる場合があります。また、私的年金は、制度によって受給年齢が異なりますが、商品によっては自分で開始年齢を選択できるものもあります。

【この記事もおすすめ】公的年金とはどんな制度?どのような種類がある?控除の仕組みは?

 

年金制度が破綻するって本当?

日本の年金制度は、現在働いている現役世代が、現在の高齢者世代の年金分を負担するという「賦課方式」で成り立っています。しかし、最近では労働人口の減少や少子高齢化が進んでおり、現役世代の負担が重くなっています。そのような背景から「日本の年金制度はいずれ破綻する」という年金破綻説が提唱され、年金を支払わない若者が増えています。しかし、結論から言うと「日本の年金制度は破綻することはない」といえます。ここからは公的年金制度が破綻しない理由と仕組みについてお伝えします。

財政検証とは?

現在の公的年金の定期健康診断のような役割を果たしているのが、財政検証という制度です。財政検証は少なくとも5年に1回のペースでおこなわれており、少子高齢化や人口減少などの社会状況や経済状況を考慮して、公的年金制度の見直しをしています。

公的年金が破綻しない理由

日本の公的年金制度が破綻しないといえる理由については、まず、国が年金制度を廃止するとむしろ損になってしまうということが挙げられます。他にも年金改正をしているから、年金積立金があるからなどの理由があります。年金制度が破綻しない理由について詳しくは別の記事で紹介しています。

【あわせて読みたい】【第1回】公的年金が破綻しない理由と破綻しなくても安心できない理由(前編) - 退職・年金ナビ
 

公的年金の将来の見通し

ここまで「公的年金は破綻しない」ということをお伝えしてきましたが、年金を受け取れる額が減ってしまう可能性はあります。このまま少子高齢化が進み労働人口が減少すれば、今の現役世代が年金受給年齢に達したときには、現在の年金受給額よりも受け取れる額が少なくなってしまうかもしれません。

老後は公的年金だけで問題ないの?

では、老後資金は公的年金だけで賄えるのでしょうか。上にもある通り、経済状況の変化によって、現在の年金受給額と将来の年金受給額とでは、もらえる金額が異なる可能性があります。受け取れる年金額が減少した場合、公的年金だけでは老後の必要資金が賄えなくなってしまうことも考えられます。

公的年金はいくらもらえるの?

厚生労働省発表の厚生年金保険・国民年金事業の概況(令和2年度)によると、国民年金・厚生年金あわせて平均約20万円前後もらえることになっています。老後の必要資金はいくらなのか、年金はどのくらいもらえるのか、詳しくは以下の記事をご覧下さい。

【あわせて読みたい】 老後資金は平均いくら必要?年金だけでは足りない?いまからでも間に合う資産形成について徹底解説! - 投資を学ぶ|K-ZONE money - 投資に役立つ情報サイト

老後2,000万円問題とは

一時期話題となった「老後2,000万円問題」ですが、これは2019年に金融庁が発表した報告書から明らかになった問題で、老後30年間で必要資金2,000万円が不足するというものです。「老後2,000万円問題」についても詳しくは上記の記事で説明していますので、ぜひあわせてご覧下さい。

資産形成で老後に備えよう!

ここまで読むと、公的年金が破綻することはないとわかっても、「やっぱり公的年金だけでは老後が心配」「老後に備えて資産形成を始めたい」と思う方は多いと思います。ここからは、今からでも始めることができる資産形成の方法をいくつかご紹介します。

財形貯蓄で貯金をする

資産形成の方法として、まず財形貯蓄があげられます。財形貯蓄とは、あまり知られていないかもしれませんが、会社が導入している福利厚生の一つです。財形貯蓄は、会社があらかじめ給料から天引きして、従業員の代わりに貯金をしてくれるという制度です。そのため、貯金をしようという気持ちがあっても、自分では中々お金が貯まらないという人におすすめの制度となっています。財形貯蓄にも一般財形貯蓄、財形年金貯蓄、財形住宅貯蓄の3つの種類があり、それぞれ積み立てる用途に応じて使い分けることができます。

iDeCoで老後に備える

資産形成の方法として、iDeCoもあげられます。iDeCo(イデコ)とは、「個人型確定拠出年金」の呼称であり、上で説明した公的年金に上乗せする形で個人が加入する、私的年金制度の一つです。iDeCoは、自分で拠出額を設定して積み立て、投資信託や保険商品などの中から、自分で好きな金融商品を選んで加入し、運用を行います。そして老後(60歳以降)、自分で積み立てた金額と運用で出た利益を受け取ることができます。また、iDeCoのメリットは税制面で優遇されることです。運用益が非課税になる上に、掛金が全額所得控除となるため、iDeCoを始めるか悩んでいる方は早めに加入すると、税控除を最大限に活かすことができます。しかし、iDeCoには60歳以上にならないと積立金が受け取れないことや、10年以上加入しなければならないなどの加入要件があるため、注意が必要です。

投資をして資産形成

自ら投資を行って資産形成していくという方法もあります。一言で投資といっても、株式投資、FX、暗号資産、不動産投資、投資信託などさまざまな種類の投資方法があります。投資初心者におすすめなのは、比較的安い金額から投資を始めることができる、株式投資や投資信託です。自分で好きな企業の銘柄を選択して投資したい場合は株式投資、何を選んでいいかわからないが色々な企業に分散投資したいという場合は投資信託が良いでしょう。

【この記事もおすすめ】初心者向け!基本的な株の取引方法まとめ -ゼロからはじめる株式投資

まとめ

近年日本は経済成長という点ではさまざまな問題に直面しているといえます。新型コロナウイルスによって経済活動は大幅に制限され、老後2,000万円問題に代表されるように、国民は将来の生活に大きな不安を覚えるようになりました。さらに少子高齢化や労働人口の減少といった社会情勢も相まって、年金問題、特に公的年金制度の破綻を恐れている人も少なくありません。しかし、現時点では日本の公的年金制度は破綻しないといえます。正しい情報を身に付け、自ら私的年金制度を利用したり、若いうちから資産形成を始めておくことによって、老後生活の不安を取り除いていくことが重要です。

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