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先進医療保障はどういう特約?必要性と加入時のチェックポイントについて解説!

最終更新:2022/04/08 14:23

先進医療とは、高度で新しい医療技術のなかでも公的医療保険(国民健康保険や健康保険)の対象とはならない治療法です。 先進医療は、治療技術ごとに実施できる病院が定められています。公的医療保険の対象外となるため、もし先進医療を受けることになった場合は、患者がすべての費用を負担しなければなりません。 そこで、高額になる自己負担金をカバーする保障が「先進医療保障」です。医療保険に加入して先進医療を受けた場合、約2,000万円までの保険金が受け取れます。 この記事では、先進医療保障の基礎知識や必要性、加入時のチェックポイントを詳しく説明します。

そもそも先進医療とは?

先進医療とは、新しく開発された治療法や技術のうち、公的医療保険の適用に入らない治療法です。厚生労働省が治療の内容や安全性を精査して認定しており、2021年10月時点で全83種の治療法があります。ただしこの数は固定ではなく、公的医療保険に該当するかどうかは厚生労働省が随時見直しを行っています。

83種の治療法なかで実施件数が多い先進医療は、陽子線治療と重視線治療です。双方とも、がん治療における治療法の一種です。ほかにも外科的手術をせずに悪性腫瘍にアタックしたり、損失してしまった体の機能を取り戻したり、従来の方法では難しい高度な治療を行います。

このような先進医療は新しく開発された治療法であるため、治療費が高額になることが一般的です。しかし、先進医療は公的医療保険・高額療養費制度の対象外となるため、基本的にすべての費用は自己負担となってしまいます。先進医療を受けるには、金銭的な負担が大きな壁となります。

なお、先進医療はまだ一般化された治療法ではないため、治療法やリスクなどをしっかり理解したうえで受ける必要があります。先進医療を受けるためには、治療に対する同意書の署名が必須です。

参考;厚生労働省『先進医療の各技術の概要』

評価療養と選定療養との違いを解説

公的医療保険の範囲外となる医療技術やサービスには、厚生労働省によって「評価療養」と「選定療養」の2種類に分けられています。

評価療養とは「公的医療保険の対象にするか評価中の医療」です。先進医療や治験にかかる診療などがこれにあたります。

対して選定療養とは「患者自身が希望し、追加費用を負担することで受けられる、保険適用外の医療やサービス」です。差額ベッド代や大型病院の初診、歯科の金合金などが該当します。

先進医療は保険診療と併用して良い!

日本国民のほとんどが、公的な医療保険である国民健康保険に加入しています。この公的医療保険の対象となる診療が「保険診療」です。

保険診療において患者が支払う負担額の割合は、年齢や納税額に応じて異なり、6歳未満は2割負担、6歳以上70歳未満は3割負担、70歳以上75歳未満は2割負担、75歳以上は1割負担です。(70歳以上かつ現役並み所得者は3割負担)保険診療に該当しない治療はすべて「自由診療」と定義されており、美容整形や歯列矯正などがあたります。自由診療の場合、治療費のすべてを患者自身が負担することになります。

また、保険診療と自由診療を併用するのが混合診療です。混合診療における費用は、保険診療に該当する部分もすべて含めた全額を患者が負担します。本来であれば保険診療で国の負担となる7割の部分も含めて、患者が支払わなければなりません。これは厚生労働省による、混合診療を規制するための施策です。

混合診療を規制する理由には、主に2つがあります。ひとつは、有用性や安全性が確認されていない自由診療の増大を抑制するためです。ふたつ目は、本来なら保険診療のみで必要な治療が完了するにもかかわらず、自由診療を加えることが常態化することを防ぐためです。

しかし、混合診療のなかでも、例外的に保険診療における医療費の負担軽減ができるケースがあります。これが先述した「評価療養」および「選定療養」です。

先進医療は評価療養に含まれるため、保険診療分は自己負担分だけで済みます。例えば先進医療の手術を受ける場合、入院費などは保険診療の対象となるため、総支払い額を抑えることができます。

先進医療の注意点

先進医療について注意したいポイントには、次の3つが挙げられます。

絶対に先進医療の方が良いとは限らない

先進医療と聞けば、最先端で画期的な治療法をイメージするかもしれません。しかし、比較的新しい治療法のため、安全性や有効性がまだ確立されておらず、必ずしも優れているとは限りません。

また、先進医療は公的医療保険の対象外のため、主治医からの勧めではなく患者自身からの希望で受けることが一般的です。先進医療を希望する際は、主治医に治療の合理性や必要性を診断してもらい、判断を仰ぎましょう。患者自身がどれほど望んでも、主治医が認めないと先進医療は受けられません。

提供している病院が多くない

先進医療を実施している医療機関は限定されています。病院側が先進医療の技術を厚生労働省に申請し、認定を受けた医療施設でしか行うことができません。したがって、先進医療の種類によっては、全国で1施設しか提供していない場合もあります。都心と比べ、地方ではさらに先進医療を提供する施設は少なくなると考えられます。

高価な薬や医療機材を使う

先進医療を受ける場合、全額自己負担になるため、金銭的負担は決して軽くありません。さらに高価な薬や医療機材を使うことがあるという点も不安材料のひとつです。

がん治療における放射線療法の一種となる「陽子線治療」の費用は約270万円、同じく悪性腫瘍に対する「重粒子線治療」では約312万円もの費用がかかります。一般的にがん治療に関わる先進医療は、大規模な設備が必要となるため高額になる傾向があります。

一方、家族性アルツハイマー病の遺伝子診断は先進医療ですが、費用は約3万円と安価です。先進医療は最先端の医療技術ですが、治療費には幅があります。

また、先進医療を受ける確率は極めて低いというデータもあります。厚生労働省がまとめた令和2年度における先進医療会議の実績報告によると、がん治療で有名な重粒子線治療および陽子線治療の実施実績は年間約1,900件です。全国のがん患者は、約178万人もいることを踏まえると、先進医療の治療は決して多くないことが分かります。

参考;厚生労働省『令和2年6月30日時点における先進医療Aに係る費用』
   厚生労働省『平成29年(2017)患者調査の概況』

先進医療特約とはどういった保険?

先進医療特約とは、先進医療にかかる技術料を、所定の限度額まで通算で保障してくれる保険契約です。そもそも特約とは、任意に加入する民意保険のなかでも、基本となる保険(主契約)に付加できるオプション契約を指します。近年では、特約ではなく、単体で先進医療に備えられる保険も登場しています。

先進医療特約を追加できる主契約には、主に「医療保険」と「がん保険」があります。医療保険とは、入院や通院など医療にかかる費用全般に備える保険です。入院給付金や診断一時金などが支払われます。

がん保険とは、がん治療を対象とした保険です。すべての病気を網羅することはできませんが、お金のかかるがん治療に対して、医療保険より手厚くできます。

先進医療特約で保障される限度額は生命保険会社や保険商品によって異なりますが、通算2,000万円までの上限額が設定されていることが一般的です。ほかにも、所定の病院へ向かうための交通費や宿泊費までカバーしてくれる特約や、一時金が給付されるタイプもあります。

先進医療特約の保証条件は大きく2つ

先進医療特約で保障を受けるには、大きく2つの条件があります。

・各社が定める保障内容に沿っていること
・治療を受けた時点で、厚生労働省により先進医療として認可されていること

先進医療特約といっても、保険会社や保険商品によって保障内容が変わります。規定する条件を満たしていなければ、保険金は給付されません。

たとえば、がん治療にまつわる先進医療の場合、契約後90日間の免責期間があります。免責期間とは、健康診断でがんと診断され、慌てて保険に入ることを防ぐために設けられている期間です。免責期間を90日間に設定している場合、先進医療特約に加入してから91日目以降でないと、保険金が支払われません。どのような時に保険金が給付されるか、自身の保険内容をしっかり把握しておくことが大切です。

また、先進医療の対象となる治療法は定期的に見直されています。加入した時点で先進医療だったとしても、その後対象から外れる可能性があります。あくまで、施術を受けた時に先進医療として認定されていることが条件となります。

先進医療特約のチェックポイント

先進医療特約を検討する際に気を付けておきたいポイントに、「上限金額」「保障範囲」「更新型と終身型の違い」の3つが挙げられます。

上限金額は通算で支払われる

先進医療特約には、支払い額の上限が定められています。上限金額が高額になれば、月々の保険料も連動して上がります。支払うことができる保険料とバランスを考慮して設定しましょう。

また、先進医療特約で支給される保険金は、先進医療を受けた際、実際にかかった技術料相当の実費が限度額まで全額支払われます。保険金は上限金額に達するまで、何回でも支給されることが特徴です。

たとえば、上限1,000万円の先進医療特約を医療保険に付帯した場合、300万円の技術料を支払った際に支給される金額は、実費相当の300万円です。ただし、その後まったく違う病気の先進医療を受けて再度300万円の費用が発生しても、また300万円が給付されます。通算金額が1,000万円になるまで、何度でも給付を受けられます。先進医療特約を付ける際は、この上限金額を確認しておくことが重要です。

どこまでが保障される?

先進医療特約の保障内容は、保険によって異なります。医療保険に先進医療特約を付加した場合、厚生労働省が定める先進医療であれば、基本的にすべてが保障の対象になります。一方がん保険に付帯した場合、先進医療のなかでも、がんに関わる治療しか基本的に保障されません。

ここで気を付けておきたい点が「重複加入」です。医療保険とがん保険、それぞれ別で加入する人も多いでしょう。先進医療特約は月々に支払う金額が少額のため、気が付かないうちに重複して契約している場合があります。先進医療特約は、基本的にかかった技術料のみに支払われる「実費払い」です。重複して治療費が支払われる訳ではないため、保険料が無駄にならないためにも、保障範囲をしっかり把握しておきましょう。

更新型と終身型の違いとは?

先進医療特約は、一生涯保障が続く終身型と、ある一定期間が過ぎると自動的に更新される更新型の2タイプがあります。

終身型は支払う保険料が一定で、亡くなるまで保障が続く保険です。対して更新型は、保険期間10年だった場合、10年ごとに保障内容や保険料が更新される保険です。更新を希望しない場合は、保険満了日の2か月前までに保険会社への申し出が必要です。

更新型の場合、保険料は更新時における被保険者の年齢などに左右されます。ほかにも、主契約となる医療保険やがん保険は短期払い(※)で、先進医療特約は更新型というタイプもあります。新しい先進医療が発見された場合、契約時に指定した先進医療のままだと対応できません。

特約を付加する場合は、更新型か終身型かをしっかりチェックしましょう。

(※)短期払い:保障される期間よりも保険料を支払う期間が短い保険です。たとえば保障が一生涯続く保険の保険料を、60歳で払いきってしまうことを短期払いといいます。

先進医療特約は本当に加入する必要がある?

上述のとおり、先進医療を受ける確率は極めて少ないとされています。先進医療を受ける人が少ないからこそ、最大2,000万円という高額な保障がありながら、保険料は比較的少額に設定されているケースが一般的です。

しかし、確率が低いといっても、可能性はゼロではありません。もし先進医療特約に加入していれば、万が一がんが発覚したときにも、費用負担を理由に治療を諦めることはありません。先進医療のなかでも、高額になりがちな「がん医療」に備えたいなら、先進医療特約の加入をおすすめします。

まとめ

先進医療とは、公的医療保険の対象外となる新しい医療技術です。治療費は患者自身が全額負担しなければなりません。先進医療特約に加入しておけば、先進医療の治療を受けるときに治療費の保障を受けることが可能です。万が一のときに先進医療を検討されている方は、加入しておくことをおすすめします。ただし、保障内容や保障範囲などは保険会社によって異なるため、先進医療特約に加入する際は事前によく確認しておくことが重要です。

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