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入院費用の相場・平均は?自己負担額はいくらくらい?

最終更新:2022/04/08 11:48

病気や怪我で入院してしまった時にはどれぐらい費用がかかるものでしょうか。もしも病気や怪我で入院した場合には保険で備えておくと安心です。一般的な入院費用の相場と、入院にまつわる費用について、公的医療保険制度も踏まえながら解説していきます。

入院費用の相場はいくら?

医療保険への加入検討の前に、まずは入院時の自己負担費用がどのくらいなのかを確認していきましょう。
一般的な入院時の自己負担費用、入院期間別や傷病別の自己負担費用や医療費用を見ていきます。

入院時の自己負担額はどのくらい?

生命保険文化センターが行った「平成28年度 生活保障に関する調査」によると、入院時の自己負担費用の全体平均は22万1000円となっており、男性と女性で入院時の費用に大きな差は見られません。

入院時の自己負担額
入院時の自己負担額

全体で一番大きなボリュームゾーンは10万~20万円未満と回答した方、全体の39.3%が1回の入院で10~20万円前後の自己負担費用が掛かった模様です。

入院期間別の自己負担費用

生命保険文化センターが行った「平成28年度 生活保障に関する調査」で、入院期間別での自己負担費用の調査データも見ていきましょう。

入院時の自己負担額
入院時の自己負担額

入院5日以内の自己負担費用は平均9万9000円。
5万円以内と答えた方が26%、5万円以上10万円未満と答えた方が30.1%、10万円以上20万円以内と答えた方が27.4%でした。
全体の8割以上の方が20万円以内と答えています。

入院期間が5日から7日、8日から14日、15日から30日の場合も、一番答えた方の割合が多いボリュームゾーンは10万円~20万円でした。
入院期間が31日以上60日間になると自己負担額の平均は47万9000円になり、61日以上の入院になると自己負担額の平均は58万4000円になりました。
入院期間が長くなるとその分自己負担費用も上がる傾向にあります。

傷病別の平均的な医療費用

一口に病気や怪我といってもさまざまな種類があります。
主な病気による平均的な入院費用と自己負担額を見ていきましょう。

傷病 1回の入院費用 自己負担額(3割)
胃がん 985,154円 295,546円
結腸がん 964,653円 289,395円
直腸がん 1,019,524円 350,857円
気管支がん・肺がん 843,677円 253,103円
乳がん 759,737円 227,921円
急性心筋梗塞 1,779,158円 533,747円
肺炎 763,965円 229,189円
喘息 398,979円 119,693円
脳梗塞 1,644,616円 493,384円
脳出血 2,479,226円 743,767円
糖尿病 636,461円 190,938円
胃潰瘍 714,380円 214,314円
急性腸炎 295,365円 88,609円
急性虫垂炎 533,118円 159,935円
胆石症 710,977円 213,293円
腎結石・尿管結石 436,587円 130,976円
前立腺肥大症 579,403円 173,820円
大腿骨頸部骨折 1,935,599円 580,679円
膝関節症 2,044,975円 613,492円
白内障 261,449円 78,434円
子宮筋腫 768,899円 230,669円

※出典:公益社団法人全日本病院協会「医療費(2019年度)」

公益社団法人全日本病院協会による調査データによると、急性心筋梗塞の場合、1回の入院費用はおよそ180万円弱、自己負担額は3割なので53万円ほどです。
脳梗塞で入院した場合は160万円ほど、自己負担額は50万円弱です。

がんも部位によって1回の入院費用は異なりますが、胃がんの場合は1回の入院費用は100万円ほど自己負担額は30万円で、肺がんの場合は1回の入院費用は85万円、自己負担額は25万円ほどになります。

どんな病気にかかってしまったかによって費用は異なりますが、公的な医療保険があるので現役世代の医療費の自己負担額は3割程度に抑えられています。

自己負担額と逸失収入

病気や怪我で入院をした場合、仕事をしている方ならば仕事は休まなければいけません。
入院期間には収入が無くなってしまいますので、得る機会を逸した「逸失収入」が発生してしまいます。
会社員ならば有給休暇なども利用すれば逸失収入を抑えることができますが、自営業の方などは入院のために休業した分、そのまま逸失収入になる可能性があります。

逸失収入も含めた自己負担額はどの程度になるのでしょうか。
公益財団法人生命保険文化センターによる「生活保障に関する調査」によると、「直近の入院時の自己負担費用と逸失収入の総額」は、平均で30万4000円となっており、10万~20万円未満と答えた方が全体の31%を占めています。

入院時の自己負担額と逸失収入の総額
入院時の自己負担額と逸失収入の総額

自己負担額と逸失収入の総額なので、自己負担費用や逸失収入がない場合には0円として算出しています。
無職の方はそもそも逸失する収入がないのでその点も加味されていることも考えれば、実際に働いているサラリーマンの逸失収入はもっと多いと考えたほうがよいでしょう。

入院費の中でも治療費は健康保険が適用できる

公的な健康保険が適用できる入院費用は治療費です。
実際に病院に支払う入院費や、治療の上で必要な費用に関しては健康保険の適用になります。

入院でかかる治療費の大きな割合を占めるのは病院に払う治療費です。
会社員の方は勤務先が加入している健康保険組合、公務員は共済組合、自営業の方は国民健康保険に加入しており、何かしらの公的な公的な健康保険組合に加入しています。
入院した際にも公的な医療保険があるため、現役世代の医療費の自己負担分は3割となっています。

また、治療が高額になるときには高額療養費制度があります。
年齢や所得に応じて一か月の医療費の上限が決められており、それを越えた分は医療費が戻ってきます。

病院の規模や種類などによって1日あたりの入院基本料は決まっており、この入院基本料に入院日数をかけた費用がかかるほか、その他、診療費用や投薬料、処置手術料、医療器具費用などがかかります。
例えば、切迫流産や流産をした際の入院費用や手術費用も治療費となり、健康保険が適応されます。
ただし、通常の妊娠や出産は病気や怪我にはならないので保険の適用にはなりません。

健康保険が適用できないものとは?

公的な健康保険が適用できないものの、実際に病気や怪我で入院した場合にかかる費用に食事代や差額ベッド代、その他の生活費などがあります。
公的な健康保険が適用できない入院費用について見ていきましょう。

食事代

入院中の食事代は健康保険の適用になりません。全国保険協会によると、入院中の食事代金は1食につき一律460円と定められてますが、住民税が非課税の方は210円、入院日数が90日以上の場合は160円、高齢者の場合は100円など、条件に該当する場合は安くなるケースもあります。

一週間入院した場合にはおよそ3000円ほどかかる計算になり、この金額は公的な健康保険の適用にならないので個人が準備しておく必要性があります。

差額ベッド代

入院した際、通常の大部屋ではなく、4人以下の個室を希望した場合には差額ベッド代がかかります。こちらも公的な健康保険の適用にはなりません。

差額ベッド代は厚生労働省 平成30年11月「第401回中央社会保険医療協議会・主な選定療養に係る報告状況」によると、1人部屋の場合は8000円弱、2人部屋だと3000円ほど、3人部屋だと2700円、4人部屋だと2400円ほどとなっています。
個室を希望した際の差額ベッド代は自身の自己負担分として準備をする必要があります。

その他生活費など

入院するためには病院に赴くまでの交通費がかかったり、パジャマ代や日用品代などの生活費がかかります。
これらの生活費も公的な健康保険の適用にはならないので自身で準備をする必要性があります。

生活費とは少々異なりますが、先進医療の治療を受ける場合も公的な健康保険の適用外なのでこの自己負担費用を準備しておく必要があります。

公的医療保険制度を活用しよう

病気や怪我で長期期間に渡って入院をするとどうしても費用がかかってしまいます。
そこで、費用の負担を抑えるために公的な医療保険制度には、高額療養費制度や傷病手当金などの制度があったり、また、かかった医療費について「医療費控除」の枠を用いて確定申告をすると控除を受けられます。
これらの公的な医療保険制度の活用方法について見ていきましょう。

高額療養費制度

公的な医療保険には、医療費が自己負担の上限額を超えた場合に自己負担額を軽減してくれる高額療養費制度があり、月収28万円~50万円程度のサラリーマンの場合、高額療養費制度による自己負担額の上限額は8万円程度になっています。
3割負担の医療費が8万円以上を越えたら一旦、病院の窓口では自己負担額を支払うのですが、高額療養費制度の申請を出すと後日払い戻されます。

急な入院で「すぐに数十万円単位のお金を準備できない……」という方も多いでしょう。
しかし、高額療養費制度にはほかにもさまざまな医療費の負担を軽減してくれる制度があります。

限度額適用認定証

高額療養費の医療費の負担を軽減させてくれる制度に、「限度額適用認定証」があります。
入院する前に「限度額適用認定証」の発行を受ければ、病院での支払いを高額療養費制度の自己負担限度額内にすることができますので、「高額療養費制度の限度額を超えそう」と思ったら、事前に加入している公的医療保険に相談をすれば発行が可能です。
医療費が自己負担額の上限を超えるかわからない場合でも発行は可能です。

高額療養費受領委任払い制度

国民健康保険では高額療養費受領委任払い制度があります。
限度額適用認定証が発行されていなくても、高額療養費受領委任払い制度が設定されていれば、病院での支払いが自己負担額の限度額までになります。
ただし、住んでいる自治体や病院によっては高額療養費受領委任払い制度に対応していない場合もあるので、確認を行いましょう。

高額医療費貸付制度

高額療養費制度によって払い戻される金額のうち、約8割を無利息で貸し付けてもらえる高額医療費貸付制度もあります。貸付といっても高額療養費制度によって払い戻されるお金で相殺されるので、返済は不要です。
また、高額療養費からの払戻しのうち、残り金額も後日振り込まれます。

この高額医療費貸付制度は、国民健康保険の場合は約9割が貸付されますので、国民健康保険の場合はより貸付割合が多く手厚くなっています。

傷病手当金

サラリーマンが加入している健康保険組合には傷病手当金の制度もあります。
傷病手当金は病気や怪我で会社を休んでいて、給料が会社から支払われなかった際に、健康保険組合が本人や家族の生活を支えるために保障をする制度です。

傷病手当金を受け取るためには「業務外の自由による病気や怪我による休業であること」「連続する3日間を含む4日以上仕事に就けていないこと」「休業期間中に給与の支払いがないこと」などの条件があります。
傷病手当金は、働いていたときの給与の3分の2が支払われ、支給開始から最長で1年6か月受給が可能です。
申請は医師から必要書類を書いてもらい、勤務先と健康保険組合に申請書類を提出することで可能です。

医療費控除

医療費の負担が年間で10万円を超えている場合には、医療費控除を受ければ翌年の所得税と住民税の負担を軽減させることができます。
医療費控除を受けるには1月1日から12月31日までの1年間にかかった医療費を申請して、その年の所得から差し引く控除をして確定申告をします。

医療費控除の対象になるのは、病気や怪我の治療に関する費用で、また、家計を同一としている家族の医療費は合算して申請が可能です。
ただし、予防や検査、健康増進や美容のための費用は、治療でないため、控除対象にはならないので気をつけましょう。

入院費用が払えない!どうする?

これまで見てきたように、入院時にはそれなりの負担がかかります。もちろん、上記の公的制度を活用できれば、ある程度まで負担を少なくすることは可能です。

しかし、場合によってはこれらの公的制度を利用できなかったり、もしくは負担が大きすぎて「入院費用を払えない!」という事態に陥ってしまうことも考えられます。そのような時にはどのように対応すれば良いのでしょうか?

まずは、入院先の病院に相談してみましょう。公的制度を利用しても入院費用を払えないなどという場合には、分割払いや支払いの延期に応じてくれることがあります。クレジットカードなどの分割払いとは違って、病院の分割払いでは利息が発生しないことが多いようです。入院費用に困った際には病院に相談してみる、ということを覚えておきましょう。

 

自己負担額を考えた時に、医療保険はどのように選ぶべき?

病気で入院する際にも治療費がかかりますが、公的な医療保険を活用すれば自己負担の金額は抑えられます。
医療保険を選ぶ際には公的な医療保険で得られる保障とかぶらないようにすることが必要です。

特に重要なのは、逸失収入の保障をどのように考えるかです。
自営業の方は入院期間中に働けなければ逸失収入が大きいのでその分の保障を考える必要があるでしょう。
また、公的な医療保険の対象外で自己負担額になる差額ベッド代を準備したい場合や、先進医療の治療を受けたい場合には医療保険で準備をする必要があるでしょう。

まとめ

一般的な入院での自己負担額は10万~20万円となっています。
公的な医療保険が充実しているので1か月の入院費の自己負担額は限られていますが、公的な医療保険の対象外になる入院の項目もあります。

入院をしたときにどれくらいの費用がかかるのか、どれくらいの費用を逸失してしまう可能性があるのかを確認した上、公的な医療保険でどの程度保障されるのかを確認しながら、保険対象外になってしまう部分は民間の医療保険も合わせてしっかり備えをしましょう。

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