【株式投資】順張りと逆張りの違いは?どういう時に使う?
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株を売買する取引には「順張り」と「逆張り」の2種類の考え方があります。 株式投資を始めたばかりの頃は、株式を購入するタイミングを見極めきれず、チャンスを逃してしまうことがあるかもしれません。売買に適したタイミングを見つけるために、順張りと逆張りについての知識を深めておきましょう。 今回は、順張り・逆張りとはどのような取引か、両者のメリットとデメリットについて詳しく解説します。
そもそも順張り・逆張りとは?
そもそも順張り・逆張りとはどのようなものなのでしょうか。株式投資にはさまざまな判断が必要になりますが、そのなかでも特に株式投資が未経験・初心者の方は、「株を売買するタイミングが分からない」と悩むことも少なくありません。
こうした株取引のタイミングを判断するために、「順張り」「逆張り」という投資スタンスがあります。まずは、この順張りと逆張りについて詳しく解説します。
オーソドックスな順張り
「順張り」とは、株価が上昇傾向にあるタイミングで買い、下降傾向になったら売るといった取引方法です。株価が上昇・下降しているときに、そのトレンドに沿って注文する投資スタンスのため、初心者の方でも売買のタイミングを把握しやすくなります。順張りをする場合は、株価のトレンドをチェックしておく必要があります。
攻めの逆張り
「逆張り」とは、株価が下降するタイミングで買い、上昇傾向になったら売るといった取引方法です。下降トレンドのときには「これから株価が上昇するだろう」と反転を狙い、上昇トレンドのときには「これから株価が下降するだろう」と反転を狙います。
このように、株価のトレンドに沿って注文する順張りとは反対に、トレンドに逆らって底値・天井値を狙うため、タイミングが合えば高い利益が期待できます。ただし、順張りと比べると取引の難易度は高くなります。
どのような相場で有効?
考え方が相反する順張りと逆張りは、それぞれで有効な相場が異なります。 基本的に、上昇・下落がはっきりしている、つまり方向性のはっきりした相場では「順張り」が有効です。順張りはトレンドに沿って売買注文をするため、上昇・下落のどちらか一方向に相場が動いている場合に利益を伸ばしやすくなります。
一方、短期間で株価が上下するもみ合い相場では「逆張り」が有効です。逆張りは、底値・天井値を狙って売買注文をするため、短期間で価格変動を繰り返すもみ合い相場の方が、利益につながる可能性が高くなります。
順張りのメリット・デメリット
トレンドに沿って売買注文をする順張りには、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。両者をよく理解したうえで、自身の投資方針や性格などに合った方法を選ぶことが重要です。
ここからは、順張りのメリット・デメリットを詳しく解説します。
順張りのメリット
順張りのメリットには、以下の3つが挙げられます。
・長期投資には有利 |
順張りはトレンドが長期に渡るほど大きな利益が期待できます。なぜなら、順張りはトレンドに従って売買注文をするため、トレンドが続くほど得られる利益が大きくなります。
また、「上昇トレンドには買い」「下降トレンドには売り」といったトレンドの流れに沿うため、売買のタイミングを見極めやすく、初心者でも理解しやすいでしょう。さらに、買い注文のときに想定したトレンドに反して株価が下落した場合には、そのタイミングで損切りしやすいといったメリットもあります。
順張りのデメリット
初心者にも理解しやすい順張りですが、いくつかデメリットもあります。 順張りのデメリットとして、下記の3つが挙げられます。
・長期的なトレンドに従うことになるため、やや取引が縛られる
・上昇トレンドの継続性を見極める必要がある
・短期の順張りは負けることが多い=短期投資には不向き
順張りは長期的なトレンドに従う注文方法のため、一つの取引にかける時間が長く、取引に縛られやすいというデメリットがあります。また、買い注文後にすぐに下降トレンドに切り替わると、損失を被りかねません。上昇トレンドがどれくらい続くのか、分析によって予測しておくことも重要です。
長期投資には向いている順張りですが、短期の順張りをすると利益を得られないケースもあります。我慢強く長期投資をできない方は、順張りには向いていないでしょう。
順張りのポイント
ここまでご紹介した順張りのメリットとデメリットを踏まえて、取引のポイントをご紹介します。 順張りのポイントは、以下の3つです。
・短期的な変動なのか長期的なトレンドなのか見極める |
気になる上昇トレンドがある場合には、そのトレンドが短期的な変動なのか、長期的に続くのかを見極めることが重要です。買い注文後にトレンドが反転すると損失が発生するため、上昇トレンドに切り替わってすぐのタイミングを狙うか、上昇トレンドが一時的に下がったタイミングで「押し目買い」することが有効です。
また、順張りでは中長期にわたって株を保有し続ける忍耐力も必要です。なぜなら、トレンドが上昇し続ければ、その分高い利益が得られるためです。「購入した時よりも少し株価が上昇したから」とすぐに売りに出してしまうと、さらに得られる可能性のあった利益を逃しかねません。
ただし、上昇トレンドが継続する保証はありません。損失リスクを抑えるためには、「いくらまで株価が下落したら売る」といった損切りラインを決めておくことも重要です。
逆張りのメリット・デメリット
続いて、トレンドに逆らって売買注文をする逆張りのメリット・デメリットを解説します。
逆張りのメリット
逆張りのメリットとして、以下の2つが挙げられます。
・短期投資では有利な場合がある |
逆張りは長期投資よりも短期投資向けです。なぜなら、逆張りは相場の反動を予測して取引するため、短期間で利益を得られる可能性が高くなります。また、底値で購入した株価が上昇トレンドの波に乗れば、より大きな利益につながることもあります。
逆張りのデメリット
短期間で大きなリターンを狙える逆張りにも、注意しておきたいデメリットがあります。 主なデメリットは、以下の2つです。
・損切りをしづらい |
逆張りは、順張りとは異なり「損切りをしづらい」というデメリットがあります。これは、逆張りでは「この株価はもう下がらないだろう」とトレンドの反動を期待して購入するためです。購入した株が底値ではなく、さらに下降し続けていると、なかなか損切りをしづらいという心理に至ります。また、トレンドの動きに反した購入方法のため、トレンドを見慣れない初心者には判断が難しく、ややギャンブルに近い状態になってしまう恐れもあります。
逆張りのポイント
逆張りで利益につなげるポイントは、以下の3つです。
・相場の境目(底や天井)を見極める |
逆張りでは、株価の底値を狙って、上昇トレンドに乗ったときの反動による売買差益を狙います。そのため、下降トレンドでは相場の底値を見極める力が必要です。より大きな売買差益を狙う場合には、上昇トレンドでの株価の天井値を見極めましょう。
また、トレンドの潮目を逃さないためには、国の経済政策や企業の発表などの情報をすばやくキャッチすることが重要です。短期間で株価が上下するケースもあるため、長期間のスパンで値動きを見るよりも、できるだけ短期間で売却注文を確定させるようにしましょう。
結局どっちがいいの?
投資スタンスが全く異なる順張り・逆張りは、「どちらを選べばいいの?」と迷ってしまう方も多いでしょう。 ここからは、順張り・逆張りのどちらを活用すればよいのか、またその理由について日経平均を用いたシミュレーションとともに解説します。
初心者にオススメはこれ!
株式投資が初心者の方には「順張り」がおすすめです。その理由は主に2つあります。
1つ目は、順張りは長期投資に適しているためです。逆張りが向いている短期投資の場合、トレンドの情報を入手する速度が鍵となります。一方で長期投資では、目先の株価の値動きに捉われず余裕を持って投資できます。
2つ目の理由は、逆張りのような難しい判断が少ないことです。逆張りは、底値や天井値を予測する必要があり、トレンドの動きだけで判断できません。一方で順張りは下降トレンドが現れた際に売るため、トレンドの動きに合わせて取引の判断がしやすくなります。このように、長期投資向けで難しい判断が比較的少ない順張りの方が、初心者には向いているといえます。
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シミュレーションによると...
実際に、2010年4月1日〜2021年3月31日までの日経平均を用いて、シミュレーションしてみましょう。 まず、シミュレーションの概要は下記の通りです。
▼シミュレーションの概要
・当初100万円を投資 ・投資家は1期間の当初に前期の収益率((最終日終値ー初日終値)/初日終値)に基づいて投資判断を行うとし、投資する場合は期間初日の終値で買い、期間最終日の終値で売るとする。 現金化する場合は、簡易化のために前期最終日の終値で全資産を売却する。 ・数値は日経平均、調整後終値を使用 ・順張りの場合:前期の収益率がプラスなら投資、マイナスなら現金化して保有 ・逆張りの場合:前期の収益率がマイナスなら投資、プラスなら現金化して保有 ・現金は預金しないと仮定する(現金保有時のリターンは0%) ※細かな数字に違いあり |
次にシミュレーションの結果を中期投資と短期投資に分けて確認してみましょう。
▼結果
▽25営業日スパンの投資(中期投資) 順張り:64.13%(約64万円のもうけ) 逆張り:30.01%(約30万円のもうけ) ▽5営業日スパンの投資(短期投資) 順張り:43.67%(約43万円のもうけ) 逆張り:24.53%(約24万円のもうけ) |
上記の結果からも分かる通り、今回のシミュレーションでは中期・短期投資ともに順張りの方がリターンが高くなりました。ただし、期間差などがあるため、このシミュレーションが絶対に正しいとは言い切れません。事実、短期投資の場合には、逆張りのリターンの方が高くなるというシミュレーションもありました。
なお、今回のシミュレーションにおいては、順張りでは上昇相場・下落相場がはっきり分かっている時にはかなり効率的にリターンが出る、もしくはロスを回避していました。一方で逆張りは、上昇・下落を1期ごとに繰り返す相場(揉み合い)で効率的にリターンが出ていました。
このことから、順張りと逆張りを併用して取引できれば、より効率的にリターンが出ることが分かります。ただし、順張りと逆張りの併用は株式投資に慣れている中上級者向けで、初心者にはあまりおすすめできません。
初心者の方は、順張りを原則とした中長期投資がおすすめです。なぜなら、今回のシミュレーションでも元本割れの起きた頻度が少なく、継続的な下落相場も回避しているためです。上昇相場のときは、着々とリターンを積み重ねることができました。
ただし、下落相場の後にくる大幅な上昇を拾えないこと、急激な下落には対処できないといったデメリットもあります。ロスを回避するためには、損切り基準の明確化がとても重要といえます。
まとめ
ここまで、順張り・逆張りとはどのような手法か、両者のメリットとデメリットについて詳しく解説してきました。順張りは、トレンドに沿って購入する中長期投資向けの購入方法で、株式投資が初心者の方でも分かりやすいでしょう。一方で逆張りは、短期間で利益を得やすいため、短期投資をしたい方や、辛抱強く株を保有できないという方に適しています。それぞれの注文方法にメリットとデメリットがあるため、自分に合った購入方法を見つけましょう。
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株式を学ぶ (基礎編)










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