株式を学ぶ (実践編)

【第8回】60代前半をどうやりくりする? 10年限定の自分年金の作り方

最終更新:2021/11/18 10:22

 平成世代にとって、実際に年金としてもらうのはずいぶん先のことです。また、積み立てたお金は年金以外に使われて、また改めて老後資金を積み立てていくこともあるでしょう。
 しかし、これからお金を貯め・増やしていくにあたり、制度の選び方や積立額の決定をしていかなければなりません。そのとき、老後の受け取りイメージをもっておくことは役立つはずです。そこで、少し「自分年金」としてNISAやDCをどう使うか考えてみたいと思います。

セカンドライフは60代、70代、80代の各ステージで考えてみる

 セカンドライフは思ったより長い、と第2回のコラムで解説しましたが、セカンドライフはいくつかのステージで分けて整理していくといいでしょう。

 まず「60〜65歳」のステージです。公的年金を満額もらえるのは65歳からですが、60歳以降は賃金が下がるのが一般的です(再雇用)。つまり、年金をもらえるまでの間、収入は減ってしまい、やりくりに苦労する時間がある、ということです。
 私たちが60歳になったときにはさすがに65歳定年になっていると思いますが、現状として60代前半をどうやりくりするかが、ひとつのポイントとなることは覚えておくといいでしょう。
 次に考えてみたいのは、「65〜80歳までの15年間」です。平均余命などを考えても半数近くが80歳以上まで長生きする時代になっており、15年くらいセカンドライフを楽しむイメージが現実となっています。
 現代においても、65歳時点での男性の平均余命は19年、女性は24年ですから、もしかすると元気に楽しめるセカンドライフはもっと長くなるかもしれません。
 そのとき「アクティブな老後」を楽しむお金の問題が生じます。公的年金だけでは日常生活費はなんとかなっても豊かな老後とはいきません。自分で用意したお金を計画的に取り崩してこの期間をエンジョイしていくのです。
 そして「80歳以降の人生」です。これは5年になるのか、15年になるのかまったく分からない期間になります。もし100歳まで長生きすれば、80歳になるまで楽しんできたのと同じ期間、20年の時間がセカンドライフに追加されることになるわけです。
 老後が長いことは楽しみですが、経済的には長すぎるのも苦しいものです。セカンドライフのスタート時点では、20年くらいをイメージしていたら40年も長かった、となっては計画はまったくズレてしまうわけですが、実際には起こりうる話なのです。
 80歳以降の長寿については、世界中を旅行して回るような行動力はなくなりますので、無制限にお金がかかる心配はないものの、医療費負担や介護費用などが心配になってくるステージになってきます。

仕事の具合で、やりくり方法はまったく変わる
年金受け取りを考えるなら 確定拠出年金を軸に検討

 つまり、年金受け取りを考えて制度の選択を行うとしたら「確定拠出年金」と「財形年金」が軸になります。NISAは定期的な年金取り崩しの機能がないため、自分で定期的に取り崩すか、不定期に取り崩す(旅行資金とか)ような資金ニーズに使っていくことになります。
 まず、財形年金については、金融機関によって受取方法が制限される場合があります。「年1,2,3,4,6回から選択」というところもあれば「毎月か3カ月ごとのどちらか」のように選択肢が限られる場合もあり、金融機関の提示された範囲で選ばなくてはなりません。期間は5〜20年のあいだで指定できます。
 財形はほとんどが定期預金なので、年金受け取りの途中で元本割れするような心配もありません。そのまま分割受け取りをし、利息も少しつくような感じで年金として利用するといいでしょう。
 確定拠出年金については、いくつかの段階で自由に決定ができ、個々人の生活スタイルに応じて受け取り方を選ぶことができます(最終的には企業ごとの規約が優先されますので、下記の選択肢がすべて選べるとは限りません)。

 「一時金でとるか、年金でとるか」......確定拠出年金については年金受け取りを原則としつつも、希望すれば一部ないし全部を一時金で受け取ることができます。使い道はもちろん、税制で有利なほうを選ぶこともできます。

 「年金を何年間で受け取るか」......年金でもらう場合、5〜20年の受取期間を指定します。5.10.15.20年のどれかから選ぶというルールが多いようです。有期年金ではなく、終身年金として受け取りたい場合、生命保険商品に全額預け替えし、保険会社と年金受け取りの契約を行います。

 「年金の受け取り回数は年何回にするか」......システム上は、1.2.3.4.6.12回から選べることが多く、年数と同時に受け取り回数も指定します。ただし、振込手数料を自己負担とする規約も多く、確認が必要です。この場合は、年2回振込にしてボーナス感覚で利用するのも方法のひとつです。

 「1回あたりの年金額をいくらにするか」......仮に1,000万円があって、10年払い年2回振込とした場合でも、1回あたり50万円ずつもらわないことができます。年金受け取りにおいては利息が得られることが前提ですから、「1度あたり60万円ずつ解約して振込」というような指定もできます。

 この場合、運用がうまくいかない場合、予定期間ずっと受けられず、ゼロ円になって終了ということもあります。逆に運用が好調で受取期間が終了しても残高がある場合は精算して一括で最終振込を行います。

NISAの資金は「臨時出費」に活用しよう

 DCや財形年金で定期的な年金受取額を決定したら、NISAや手元にある資金について残高の一覧を作っておきます。
 定期的に振込がされない資金については、必要に応じて取り崩していく「臨時出費」用の資金とします。例えば、年に1度は旅行に行くとします。出かけるタイミングや予算は毎年変わるため、定期的な年金受け取りを予算にするとうまくいきません。
 「毎年X万円を上限として、そのつどNISA口座からおろす」というように決めておけば、老後の楽しみも増し、ムダづかいで取り崩す心配もなくなります。
 積み立て段階でも、上手な制度の組み合わせがコツでしたが、受け取り時点でも同じことがいえる、というわけです。

執筆:フィナンシャル・ウィズダム代表 ファイナンシャル・プランナー/山崎俊輔
掲載日:2014年月11月27日

 

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