食い逃げ増資
各投資家や株主が増資に応じるときというのは、当然その企業の提示する長期的な収益計画や配当レベルを意識して慎重に決めていくものです。
ところがいったん提示して公約した配当計画などに乗って、各投資家や株主が増資したあとでもって、最初の配当額を減らしたり無配にしたりする半ば詐欺のような行為もあるのです。このことを食い逃げ増資と言ったりします。
もっと簡単な言い方に代えて説明するならば、もしもお金を貸してくれたら倍にして返すと約束したはずの人に裏切られてしまうようなイメージになります。
実際には個人間のお金の貸し借りという規模では済まないのですから、食い逃げ増資という行為は非常に悪質であり、一度でもそんなことをおこない大切な投資家や株主を裏切ってしまえば、再び信用を取り戻すことは極めて困難でしょう。
増資をする立場になったときは本当に信頼に値する企業と判断してもよいのかという部分について、鋭く観察することも重要と言えるのです。