有事のドル買い
有事のドル買いとは戦争や紛争が勃発した際、安全資産と言われる米ドルが買われる現象を言います。
尚、安全資産とは国際的な信頼が高く、流動性が高い資産の事を言い、日本円、スイスフラン、金等も安全資産とされています。
有事のドル買いは株式市場や商品先物市場等のリスク資産から資金が引き揚げられ、米ドルに資金が向かう為、株価や商品先物価格の下落と同時に発生する事が殆どです。
以前は国際情勢が不安定になるとしばしば見られる現象でしたが、21世紀に入ってからは9.11でアメリカがテロの標的となったり、双子の赤字と呼ばれるほどアメリカ経済が弱体化した事から米ドルが基軸通貨としての信頼が弱まりつつあり、アメリカも「強いドル」を望まなくなりつつある事から、以前の様に一方的にドルが買われる事は少なくなり、2003年のイラク戦争時には逆に有事のドル売りが発生した事もあります。
但し、直近ではアメリカ経済の回復しゼロ金利解除が近いと噂される事から、スコットランド独立騒動でも有事のドル買いが観測されています。