クラウンジュエル
クラウンジュエルとは、企業が敵対買収を受けたときに取る対策の一つです。
敵対買収の対象となった企業が、自社で最も魅力的である部門や子会社、資産などを分社化したり、第三者に譲渡したりして企業の魅力を低下させることによって敵対買収の対象から逃れることをクラウンジュエルといいます。価値の高い資産や稼ぎの良い部門を子会社化、譲渡して相手の買収意欲を削ぐことが目的です。
敵対買収の対象となった企業をクラウン、つまり王冠に見立て、稼ぎがしらである部門や資産を分社化する様子を、王冠から宝石を外し王冠の価値を下げることに例えて、クラウンジュエルと呼ばれるようになりました。
企業の全部または一部であっても重要な事業部門の譲渡に関しては、株主総会の特別決議が必要ですが、重要な財産の処分に関しては、取締役会決議で可能とされています。しかし、買収防衛のために財産譲渡を行う場合は取締役が善管注意義務や忠実義務違反に問われる可能性があるので注意が必要です。