FX・CFD [FX 基本編]
【第2回】
FXで取引する際にかかるコストは?
FXの基本的な仕組みは理解していただけただろうか。では、今回はFXを取引する際にかかるコストについて考えてみよう。外貨預金や外貨MMF、外貨建債券のいずれも、外貨を売買する際には為替手数料がかかってくる。その金額の高低が外貨投資全体の損益にも影響してくるため、コストはとても重要な問題になってくる。FXの場合、どのようなコストがかかってくるのか、それは他の外貨建ての金融商品に比べて有利なのかどうなのか、川瀬先生と祥子さんのやりとりを見てみよう。
「ところで、どんな投資商品でも、取引する際にはコストがかかりますよね。FXの場合、どんなコストがかかるんですか?」
「外貨投資の場合、コストはとても重要なんだ。たとえば外貨預金。米ドルの場合、1ドルの外貨預金をすると1円程度の為替手数料が取られることが多い。満期時には、また同じ額の手数料が取られる。つまりドルの買いと売りで2円程度の為替手数料がかかることが多いが、この負担が結構重い」
「え〜、だって、たったの2円でしょ」
「2円を笑う者は2円に泣く。考えてみたまえ。1ドル=100円の時に1万米ドルを売り買いしたとして、1ドルにつき2円の為替手数料を払ったら、どれだけの負担になると思う?100万円で2万円のコストだから、率にしたら2%だ。今は米ドル建て外貨預金の利率が低いので、為替手数料で利息のかなりの部分が吹き飛んでしまう」
「なるほど。じゃあ、FXの取引手数料はどのくらいになるの?」
「これは取り扱っている会社によっても異なるが、最近は手数料競争が激しくなっているので、だいぶ安くなっているようだね。たとえば、1ドル=100円の時に1万米ドルを売り買いして400円程度のところもあれば、なかには無料にしているところもある。100万円に対して400円の取引手数料が取られたとしても、率にして0・04%だ」
「え、それはお得」
「だろう。FXのメリットのひとつは、何といってもこのコストが安いということなんだ」
「他には何かコストがかかるの?」
「FXの場合は、取引手数料以外にスプレッドというコストもある。」
「スプレッドって?」
「あ、すまん。説明が足りなかったな。FXで提示されている為替レートを見るとわかるが、2WAYプライスといって、外貨の売値と買値の両方を、同時に提示する慣例になっておる。たとえば米ドルの場合、『100.69‐100.71』などと表示されているのだが、右側のレートが業者から見たドルの売りレート、左側のレートが業者から見たドルの買いレートになるんだ。つまり投資家の側から見ると、1ドル=100円71銭でドルが買え、1ドル=100円69銭でドルを売れるということになる」
「つまり、100円71銭でドルを買ったと同時にドルを売ろうとしても、100円69銭でしか売ることができない。ということは、両者の差の2銭がコストということ?」
「そう。この2つのレートの差がスプレッドということになる。仮にドルの買いと売りの取引手数料が1万米ドルに対して400円だとすると、スプレッドが1万米ドルにつき200円だから、合わせて600円がコストになる。でも、外貨預金の場合は、同じ1万米ドルを売買するのにかかるコストが2万円だから、どちらがお得かは一目瞭然」
「確かに。スプレッドを含めても、外貨預金などに比べれば、コストは安いということになりますね」
「ただ、注意しなければならないのはスワップポイントなんだ」
「でも、スワップポイントは利息のようなものでしょ」
「それは、より金利の低い通貨を売って、より金利の高い通貨を買った場合の話。逆に金利の高い通貨を売って、金利の低い通貨を買うと、スワップポイントを支払わなければならなくなるんだ。通貨の金利水準次第では、スワップポイントもコストになるケースがあるのだよ」
「日本は今、他の国に比べて金利が低いことがほとんど。だから、外貨を売る場合には、スワップポイント支払いになることが多いので、要注意ということですね」
「ふむ。なかなか飲み込みの早い生徒じゃのう」
<川瀬先生のワンポイントレッスン>
●スワップポイントの支払い●
スワップポイントを、外貨預金の「利息」と同じものと考えるのは間違い。確かに、金利の低い通貨を売って、金利の高い通貨を買えば、両者の金利差を日々、利息と同じように受け取ることができるが、逆に金利の高い通貨を売って、金利の低い通貨を買うと、両者の金利差が日々、証拠金から差し引かれてしまう。要は取引コストの一種になってしまうのだ。たとえば日本の金利が年1%、豪ドル金利が年5%の時、これから豪ドル安・円高が進むという前提で豪ドル売りを仕掛けた場合は、両者の金利差である年4%を日割りした程度のスワップポイントが、証拠金から差し引かれていくことになる。現在のように、円の金利が低い時に外貨の売りポジションを持つ場合は、スワップポイントの支払いに十分、注意すること。
執筆:MoneyLife(掲載日:2010年04月14日)
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