ナンピンすることは有効か?
ナンピン(※)については、する派としない派とで意見が大きく分かれるところですが、1度だけならナンピンも許されると考えられます。ただし、何のルールも決めずに、ただその場の雰囲気でナンピンすることだけは、避けた方が良いでしょう。ナンピンというのは、やり方ひとつの違いで、薬にもなれば毒にもなるからです。
米ドル売りでエントリーしたものの、相場が反対方向に動き出してしまい、自分の持っているポジションに含み損が生じたとします。誰でも、このような時は少しでも損失を早めに解消したいと考えますから、すぐにナンピンを入れようとします。
でも、ナンピンを入れたタイミングが、高値圏であるのかどうかは誰にも分かりません。ナンピンで怖いのは、平均の売りコストを上げようとしてナンピン売りをしたところ、さらにドル高方向に持っていかれてしまい、せっかくナンピンした売りポジションにも損失が生じてしまうことです。ドル高がさらに進んでしまい、ナンピンを繰り返す間にすべてに損失が生じてしまう、ということにもなりかねません。
このような状態で、最後にはポジションが取れなくなって強制ロスカットなどということになったら、莫大な損失を抱えてしまい、もう二度とゲームに参加できなくなってしまう恐れがあります。
そうならないようにするためには、3つのルールを守ることをおすすめします。
ナンピンで失敗しない方法
第一に、ナンピンは1回だけにすること。それは、あくまでも自分の相場観が正しいのかどうかを試すために行うためのものですから、そのナンピンに損失が生じたら、潔く自分の相場観は間違っていたのだということを認めて、持っているポジションをすべて清算するようにしましょう。
第二に、どこでナンピンするかということですが、これはチャートでトレンドの転換点と思われるところを見極め、そこでナンピンを入れます。たとえば1ドル=77円80銭で米ドルの売りポジションを持ち、80円20銭が転換点だとしたら、80円20銭に出来るだけ近いところでナンピンの米ドル売りを入れるのです。米ドル売りの相場観が正しければ、80円20銭に達する前に、ドル安へと流れが変わり、ナンピンした分だけ損失額が縮小していきます。
そして最後に、ナンピンした場合、そこでさらに大きく儲けるということは、考えない方が良いでしょう。出来れば、最初のポジションも含めて損失がチャラになるか、ほんのちょっと損したところで、素早く逃げる方が無難です。そもそもナンピンは後ろ向きの行為で、最初から含み損を抱えたところからスタートしているのです。入り方を間違った可能性が高いわけですから、「チャラ逃げ」を良しとすべきなのです。ここで欲張ると、再び相場はアゲインストになり、せっかくナンピンした意味が無くなる恐れがあります。
※ナンピン:買い建てた後に価格が下落した場合、下値で買い増しすることで、1株あたりの買い値(平均取得価格)を下げる手法。「ナンピン売り」は空売りした後で株価が上昇した場合に、上昇後の値段でさらに売り増しする手法。
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監修者:菅原 良介
編集者:K-ZONE money編集部