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退職・年金ナビ [ 退職金・企業年金の基礎知識 ]
【第6回】
401K、世代別に見る運用のヒント
- 401kの資産運用は世代によって方針を変えていく必要がある
- 20歳代は資産額も少ないため、積極的に運用の経験を積むとよい
- 30歳代は積極的に増やすアプローチを考えていい
- 40歳代は資産を増やす「攻め」と減らさない「守り」のバランスを
- 50歳代は定年退職後の受取額を安定させる工夫を考えたい
■世代別に運用の方針を考えてみるとよい
- 日本版401kこと確定拠出年金は、自己責任型の企業年金制度であり、資産運用の選択は自分で決めなければなりません。基本的な方針のたて方は前回説明したところですが、もうひとつ考えてみたい視点があります。それは「自分の年齢とのバランス」です。世代によって、資産運用に臨むアプローチが適当かどうか考えてみることも、確定拠出年金では重要になってきます。
- 今回は「世代別401k運用のヒント」について考えてみます。
■20歳代〜資産額は小さく、投資の経験をする時期
- あなたが新入社員で入った会社が401kを導入していたとしたら、これはぜひ投資の経験をしてみてください。会社によっては、401kに入るか入らないかを選べることがありますが、税制上も利用しないほうが明らかに損です(条件によりますが、給与上乗せで受け取るだけで20〜30%も目減りします)。
- また、確定拠出年金の資産運用において得られた経験は、個人の資産運用においても活用できますので、経験を積むことは一生役に立つ財産になります。
- 20歳代の資産運用でチャンスであるのは、「資産額が小さい」ということです。金額が小さいとつい無関心になりがちなのですが、ここはむしろ「失敗しても影響は小さい」と前向きに考えてみてください。20歳代で10万円を運用して20%の損をしても2万円の損失経験ですみますが、50歳代で1000万円の運用で同様の損失となれば200万円の損失になってしまいます。
- 金額が小さくても若いうちの投資経験は将来あなたの役に立ちます。資産が小さい今のうちにリスク運用の経験をして、資産運用に慣れておくことが重要です。
■30歳代〜積極的に増やすことを考えてもいい時期
- 仕事にも慣れ、それなりに責任もでてきた30歳代において、401kの資産運用をどう考えればいいでしょうか。
- 大事なことは、「仕事が忙しいから運用のことは後回し」とならないようにすることです。401kの資産運用は長い目でみて行えばいいので、毎日売り買いする必要はありません。しかし、年に一回程度は真剣に考える時間を取り、運用方針について考えてみるといいでしょう。
- 長い目で運用を考える場合、株価が下がるときもあれば上がるときもあります。短期的に一喜一憂して、株価が上がりきったところで慌てて買い足したり(ほとんど値上がりしないどころか、株価が下がるとすぐ損になる)、株価が下がりきったところで慌てて売る(様子を見れば株価が回復する可能性があるのに損失確定してしまう)ようなことのないようにしてください。
- 401kでは毎月の掛金でコツコツ買い足しを続ける点が特徴です。できれば、景気が低迷しているときこそ安値で株式投資信託等を買い足し、将来の値上がり益をねらってみたいところです。
■40歳代〜「攻め」と「守り」のバランスを意識する
- 40歳代で考えておきたいのは、資産額がだんだん大きくなってくることへの対応です。若いうちはなんとなくやっていた確定拠出年金の運用も500〜1,000万円となってくれば、気を引き締めていく必要があります。20〜30%の損失が出てしまうと年収の半分くらいの額を失うおそれもあるからです。それはつまり、あなたの老後の財産のマイナスに直結してしまうわけです。
- 一方で、保守的な運用ばかりでは上手に増やしていけません。500万円の資産があって、0.5%の利回りしかなければ2.5万円しか増えませんが、4%の運用ができれば、20万円も増えることになります。同じペースが10年も続くとなんと220万円もの差がつくほどです。減らさないことばかり考えてしまうと、今度は上手に増やすチャンスを逃してしまうおそれがあります。
- 40歳代は資産を増やす「攻め」のアプローチと、資産を大きく減らさない「守り」のアプローチをバランスよく取っていくことが必要です。例えば、投資信託100%(しかも外国株100%など)というような攻め一辺倒の運用方針では、失敗したときのダメージが大きくなりすぎます。また、定期預金100%のような守り一辺倒の方針もうまくありません。
- 満期まで保有すれば元本割れしない元本確保型商品(預金・生損保)と、元本割れする可能性があるものの値上がり期待も大きい投資信託(特に株式と外貨建て資産)とを上手に組み合わせて運用を検討してみてください。
■50歳代〜受け取りを意識した安定運用へ切り替える
- 50歳代に入ったら、「退職」を意識した運用を考えることが必要になります。確定拠出年金における資産運用は、60歳以降に受け取るまでその金額が変化し続けることになります。受け取り直前に株価が大暴落して、資産が大きく減ってしまうこともありえます。仮に資産全体が30%も減ってしまえば、老後の計画に大きな影響が出てしまいます。
- こうした事態に備えて、資産運用のマネジメントをしておきたいのが50歳代ということになります。
- 基本的な考え方としては、「安定運用への切り替え」ということになります。投資信託、特に国内株式や外国の資産で運用する投資信託は市場環境の変化により大きく値動きすることになります。こうした資産で100%運用することはリスクが高いことを意識し、安定的な値動きをする資産、すなわち元本確保型商品(銀行預金・生損保の商品)や国内債券で運用する投資信託にシフトをしていくわけです。
- ただし、50歳になったらすぐ、全額を安定運用に切り替えるような必要はありません。マーケットのタイミングも見ながら、徐々に切り替えるもよし、株価が大きく上昇しているタイミングを見計らうもよし、今までの投資経験を活かして判断してください。(なお、希望すれば70歳まで税制優遇を活かしつつ受け取りを先送りすることも可能です)
- ここに紹介したのはあくまで運用方針の一例ですが、自分の状況に応じた投資の方法に悩んだ場合は、年齢をキーワードにして検討してみるといいでしょう。