年金はいくらもらえる?その計算方法とシミュレーション

投稿日:2023/03/03 最終更新日:2023/04/20
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若い世代の方は年金について調べる人は少ないかもしれません。年金は仕組みが少々複雑ですが、老後に自分とその家族がどのくらい年金を受給できるか把握するためにも年金について知っておきましょう。

厳密な受給額を計算するのは難しいので、日本年金機構の年金定期便や年金ネットを利用することをおすすめします。

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この記事の監修者

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菅原良介

株式会社Finatext

証券アナリスト

Finatext サービスディレクター・アナリスト。日本テクニカル協会認定テクニカルアナリスト。早稲田大学 政治経済学部 経済学科卒業。Finatextグループで展開される投資・証券サービスのディレクターを担当する傍ら、アナリストとしても活動。グループで展開するコミュニティ型株取引アプリSTREAM内で開催されるイベントのモデレーターなども務め、国内メディアへの寄稿も行う。

年金の種類と受給資格

現在の年金制度では、年金の種類は主に「老齢基礎年金」「老齢厚生年金」「企業年金や私的年金」の3種類に分けられます。それぞれ加入できる人も違うので特徴を理解しておきましょう。

基礎年金と厚生年金

3種類の年金は3階建て構造ともいわれています。1階部分の「基礎年金」(いわゆる国民年金)は20歳以上60歳未満のすべての国民が対象です。2階部分は「厚生年金」で会社員や公務員などが対象の年金です。3階部分は種類が多く企業年金や確定拠出年金などの私的年金、国民年金の第1号被保険者が加入できる国民年金基金や付加年金などがあります。

3階建て構造 年金種類 対象者
3階部分 企業年金、私的年金、国民年金基金等 年金制度により異なる
2階部分 厚生年金 会社員、公務員等
1階部分 基礎年金(国民年金) 20歳以上60歳未満のすべての国民

基礎年金はさらに3種類に分けられます。どの対象になるかで保険料の納付が変わります。

被保険者区分 対象者 納付
第1号被保険者 自営業者やその家族、学生、無職など 自己負担
第2号被保険者 会社員や公務員 会社と折半
第3号被保険者 第2号被保険者の配偶者など(※) 自己負担なし(配偶者が加入する年金制度が負担)

※第1号被保険者の配偶者は第3号被保険者にはなりません

厚生年金は基礎年金のような区分けはありませんが、加入中の報酬額や加入期間などに応じて支給される金額が変わります。基礎年金に上乗せする形で一定の年齢から受け取ることができます。

年金の受給資格

基礎年金と厚生年金を受給するには以下の条件を満たす必要があります。

年金種類 受給条件 受給時期
基礎年金 保険料納付済期間」および「保険料免除期間」を合わせた「受給資格期間」が10年以上あること 原則65歳から
厚生年金 老齢基礎年金の受給資格があり、厚生年金に加入していた期間があること

受給時期に関しては、受給開始を65歳より前に繰上げて減額された年金を受け取る「繰上げ受給」や、66歳以降に繰り下げて増額された年金を受け取る「繰下げ受給」を選択することもできます。

繰上げ受給する場合、繰り上げた月数×0.4%が年金額から減算されます。逆に繰下げ受給をすると繰り下げた月数×0.7%が年金額に加算されます。

年金はいくらもらえる?年齢別・年収別に解説

厚生労働省から発表されている令和5年度の新規裁定者(67歳以下の方)の年金額(月額)は前年比+ 2.2%の「66,250円(+1,434円)」となりました。

厚生年金(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額)の月額は「224,482円(+4,889円)」です。

年齢別の平均受給額(基礎年金+厚生年金)

年齢別の平均的な基礎年金と厚生年金の受給額(令和3年度の情報)は以下のようになっています。

年齢 基礎年金 厚生年金
60歳 38,945円 87,233円
61歳 40,150円 94,433円
62歳 41,904円 61,133円
63歳 43,316円 78,660円
64歳 43,842円 79,829円
65歳 58,072円 145,372円
66歳 58,016円 146,610円
67歳 57,810円 144,389円
68歳 57,629円 142,041円
69歳 57,308円 140,628円
70歳 57,405円 141,026円

※厚生年金は基礎年金の額を含んでいます。65歳未満の国民年金受給者は繰り上げ支給を選択しています。

年収別の平均受給額(基礎年金+厚生年金)

平均受給額について、基礎年金は年収での違いはありません。一方、厚生年金はおおよそ以下の金額が受給できます。

以下の計算は報酬比例部分(イ)(後述)の部分で40年間(480か月)加入したことを前提とした結果です。

年収 標準報酬月額(概算) 厚生年金(年額)
300万円 25万円 66万円
500万円 41.6万円 110万円
700万円 58.3万円 153万円
1,000万円 83.3万円 220万円

年金は満額いくらもらえる?

基礎年金は上でも説明した通り、令和5年の場合だと795,000円(月額66,250円)が満額となります。厚生年金は年収や加入年月によっても異なります。年収や加入年月が長いほど大きな金額となりますが、およそ30万円程度が満額(上限)となります。

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年金受給額の計算方法

基礎年金や厚生年金の計算方法を紹介します。ただし、厳密に計算するのはかなり複雑なので年金の受給額を知りたいときには「ねんきんネット」などを利用することをおすすめします。

参考:日本年金機構「ねんきんネット

基礎年金の計算方法

基礎年金の計算は比較的簡単です。基本的には満額で考えればよいですが、納付免除期間があった場合にはその期間を考慮する必要があります。

【計算方法】

受給額(年額)=777,800円(令和4年の場合)× 納付済月数(※)÷ 480か月(40年間)

納付済月数は免除期間を考慮する必要があります。免除の額に応じて以下のように計算します。

免除額 受給期間換算
全額免除 免除期間 × 4/8
1/4納付 免除期間 × 5/8
半額納付 免除期間 × 6/8
3/4納付 免除期間 × 7/8

例えば全額納月が400か月、全額免除期間が12か月あったとした場合、400か月 +(12か月×4/8)の406か月が納付済月数となります。

厚生年金の計算方法

厚生年金の計算はかなり複雑です。ここでは簡易的な部分を説明しますが、それでも複雑です。原則として年収が多いほど、加入年月が長いほど厚生年金額は大きくなります。

【計算方法】

老齢厚生年金の受給額 = 報酬比例部分 + 経過的加算額

報酬比例部分は2003年3月以前までの部分とそれ以降に分かれます。以下のア+イの金額が報酬比例部分となります。

報酬比例部分 計算式
平均標準報酬月額×7.125/1000 × 2003年3月以前の被保険者期間の月数
平均標準報酬月額×5.481/1000 × 2003年4月以降の被保険者期間の月数

経過的加算額がなぜ必要なのかはここでは割愛します。詳しくは日本年金機構の情報などでご確認ください。

参考:日本年金機構「経過的加算

経過的加算額の計算式は以下の通りです。

【計算方法】

以下の(A)ー(B)

  • (A)1,621円 × 被保険者期間の月数
  • (B)777,800 × 1961年以降で20歳以上60歳未満の厚生年金保険の被保険者月数/480カ月

【具体的なパターン】

仮に2003年3月以前の標準報酬月額を28万円(240カ月)、2003年4月以降の標準平均月数を40万円(240カ月)として60歳を迎えたとします。

  • 報酬比例部分(ア)の部分:28万円 × 7.125/1000 × 240カ月 = 478,800円
  • 報酬比例部分(イ)の部分:40万円 × 5.481/1000 × 240カ月 = 526,176円
  • 経過的加算額:1621円 × 480カ月 ー 777,800 × 480/480 = 280円

この3つを足すので、年間で1,005,256円が老齢厚生年金の額となります。

※厳密には家族構成等によって加給年金などが加わることもあります。

老齢厚生年金を受給できる額は年収と加入年月でおよそ以下の金額となります。

年収 加入年月
10年 20年 40年
300万円 16万円 33万円 66万円
500万円 27万円 55万円 110万円
700万円 38万円 77万円 153万円

※上表は標準報酬月数が一定で報酬比例部分(イ)で計算した結果です。

年金はいくらもらえる?受給額の手取りをシミュレーション

最後に家族構成によってどの程度年金がもらえるかのシミュレーションを紹介します。

以下のシミュレーションは令和4年度の基礎年金(777,800円)を満額受領、厚生年金は20歳から60歳まで働き(480カ月)、収入はその期間一定だった(上記報酬比例部分(イ)で計算)と仮定しています。

夫婦:会社員と専業主婦

夫(年収500万円)、主婦(年収0円)の世帯の場合の受給年金は約22万円(月額)受給できます。専業主婦の場合厚生年金はありません。

  国民年金(月額) 厚生年金(月額) 合計(月額)
夫(年収500万円) 6.5万円 9.1万円 15.6万円
妻(年収0円) 6.5万円 0円 6.5万円
合計 13万円 9.1万円 22.1万円

夫婦:会社員と会社員

夫(年収500万円)、主婦(年収300万円)の世帯の場合、受給年金は約28万円(月額)です。

  国民年金(月額) 厚生年金(月額) 合計(月額)
夫(年収500万円) 6.5万円 9.1万円 15.6万円
妻(年収300円) 6.5万円 5.5円 12万円
合計 13万円 14.6万円 27.6万円

独身の会社員

単身者(年収700万円)の場合、受給年金は約20万円です。

  国民年金(月額) 厚生年金(月額) 合計(月額)
単身者(年収700万円) 6.5万円 13万円 19.5万円

まとめ:年金受給額は人によって大きく変わります

年金には大きく基礎年金と厚生年金がありますが厚生年金は会社員や公務員の人だけがもらえるので、人によって年金の受給額は大きく変わります。

厚生年金に加入できない自営業者の方などでも付加年金や国民年金基金といった年金を上乗せする制度もあります。それでも将来に不安がある人はiDeCoなどの私的年金を利用して老後に備えるようにしましょう。

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よくある質問

Q

年金がもらえない人はどんな人?

A

未納(滞納)をしており、保険料納付済み期間と合算対象期間(カラ期間)を合計しても10年の受給資格期間にならない人はもらえません(免除期間等は除きます)。また、年金制度が破綻する可能性は考えられないため、必ず納付しましょう。

【関連記事】年金制度は破綻する?老後は公的年金だけで問題ない?

Q

年金を受給しながら働くことは可能?

A

年金を受給しながら働くことは可能ですが、厚生年金の受給額が減ることがあります。

詳しくは「年金はいくらもらえる?年齢別・年収別に解説」を参照。

Q

自分の年金受給額を知る方法は?

A

日本年金機構の年金ネットなどを利用しましょう。

詳しくは「年金受給額の計算方法」を参照。

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