- NISAはいつでも解約できるからこそ若い世代の資産形成に使いやすい
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若い人がNISAを利用する最大のメリットは、「解約がいつでもできる」ということです。マネープランにおいては目的額に向かってしっかり貯めていくことが必要ですが、どうしても解約して使いたいときもあります。
貯めておきたい資産であっても、同額を借金するくらいなら一度解約して返済等に充て、またお金を貯め直すほうが効率的です。
このとき、確定拠出年金だけで資産形成をしていると60歳まで取り崩すことができません。すべての資産を確定拠出年金で増やそうとすると税制メリットは強力なものの、さすがに60歳は遠すぎる未来なので、若い世代にとっては困ってしまうこともあります。
その点、NISAは解約の利用制限がまったくないため、必要なときはいつでも売ることができるというメリットは(結果として使わなかったとしても)便利なポイントとなってきます。
- 年100万円貯められなくてOK 10年後に500万円目指せ
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NISAの詳しい制度解説は、Fanet MoneyLife内にたくさん書かれていますので、ここでは詳しく触れませんが、若い人がNISAを活用するヒントを紹介してみたいと思います。
まず「年100万円の枠にこだわらなくていい」ということです。NISAについて勉強すると「100万円投資しなければいけない」という錯覚を持ってしまいます。しかしこれはあくまで「年100万円が上限」という意味であって、それより少ない利用がNGというわけではありません。
半分の50万円しか使えなくてもOKですし、毎月1万円で年12万円の積立でもいいのです。むしろ投資経験が浅い若い世代が毎月8万円も積み立て、無理をしてリスク商品を購入する必要はないぐらいです。
しかしながら、少額過ぎると資産形成のペースは遅くなってしまいます。できれば、10年後に500万円になるくらいを目指してみたいところです。つまり、最初の5年間は年40〜50万円程度を積み立て、6年目以降のNISA口座にロールオーバー、最終的に10年目には500万円に育つようなステップを考えてみるのです。
仮に40万円の投資元本を1年間に投入するとすれば、毎月2万円×12カ月=24万円、ボーナスごと8万円×2回=16万円という案分です。ボーナスを13万円×2とできれば、年50万円の積み立ても不可能ではありません。
- 毎月2万円の積立をするためにやるべきこと
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とはいえ毎月2万円というのは普通の20代にとっては、そう簡単な目標ではありません。手取りが15〜16万円ということも多い中で、家賃や携帯電話代、公共料金を払ったあとに2万円というのはしっかり家計管理をしなければ捻出できないと思います。
してみると、投資のスタートラインは家計の管理であり節約であることが分かります。この考え方に気づくことはとても大事で、投資は売り買いだけで増やすという固定観念から卒業するチャンスにもなります。
毎月1万円の積み立てをしたいのであれば、1日あたり333円の倹約が必要です。2万円ということは666円何か削らなければならないということになります。
日々の買い物やムダな会費などを総チェックして「NISAで積み立てる原資確保」をしてみましょう。
- 平成世代はNISAで何を買うといいのか
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また、NISAで何を買うか、という問題もあります。先ほどNISAで10年後まで持ち続けて運用益も含めて500万円を目指すと説明しました。できるだけ売らずにNISAのメリット(運用益非課税)を追求しようとすれば、長く保有しても不利にならない商品を選ぶ必要があります。
具体的かつ現実的に「10年保有できる商品」を考えた場合、以下のポイントを満たすことが望ましいでしょう。A:個別企業に賭けるより複数企業に同時に投資したほうが失敗したときのダメージが少ない
B:0.1%の差でも10年かけると無視できないので、手数料はなるべく少なく払う(払わないのが理想)
C:一度売るとNISA口座から出金されてしまうので、商品内で売買されるほうが好ましい
A)のアプローチは分散投資を行うという趣旨で、そのまま実行すれば投資信託かETFを選ぶということになります。個別企業の株式投資では見込みが外れたときダメージが大きくなりますが、投資信託は一般に数十〜数百の企業を同時に投資するので、1社の外れの影響は少なくなります。TOPIXに連動する投資信託などでは1,700社へ同時投資するような効果が生じます。
B)のアプローチを追求すると割安な手数料設定の投資信託もしくはETFの活用が選択になってきます。投資信託の場合は、販売手数料は原則無料で、同一投資対象で投資する他の投資信託と比べて運用の手数料(信託報酬)が低いものをフィルタリングして探してみます。ETFの場合は、もっとも割安な投資信託と同水準かそれより割安であるため、有利です。
C)のアプローチを採用すると、債券と株式を投資対象としている投資信託を活用することになります(国内のみならず外国も投資対象に加えることもできる)。いわゆるバランス型投資信託です。投資信託の中で、ファンドマネージャーが運用方針にもとづき行う売買は、一度売ったらNISAの税制メリット終了という個人の売却制限に抵触しないのがメリットです。ただし、バランス型投資信託は(B)の方針にそぐわないことがありますので精査が必要です。
ちなみに、過去の実績が好ましいことは残念ながら将来の好成績の保証になりません。また、魅力的な売り文句もまったく将来の運用成績を約束してくれません。2つの要素は確かに好成績を期待させてくれますが、あくまで期待限りだということをお忘れなく。自分に目利きの才能があると思うのも自信過剰の恐れがあります。
本気で10年投資できるアプローチをぜひ考えてみてください。
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