寄付型クラウドファンディングおすすめ比較!メリット・特徴も合わせて紹介
さまざまな課題に対する研究や新製品開発など多様なプロジェクトのファンドが立ち上げられています。寄付型クラウドファンディングを活用すれば、自分が興味を持つ分野に少額から支援可能です。
近年あらたな投資方法として、クラウドファンディングが注目を集めています。インターネットを活用して不特定多数の投資家から小口の資金を集めて、特定の事業や企業などに融資する手法です。
一般的にクラウドファンディングは投資と考えられがちですが、今回の記事では文字通り寄付・募金の一環となる「寄付型クラウドファンディング」を紹介します。クラウドファンディングごとの違いを理解して、自分のスタンスにあったファンドに投資しましょう。
なお、投資収益を追求するタイプのクラウドファンディングの一つには「不動産投資クラウドファンディング」があります。以下の記事で詳しく紹介しているので、クラウドファンディング投資を考えている方は、合わせて参考にしてください。
寄付型クラウドファンディングとは?
寄付型クラウドファンディングは特定の事業や企業に寄付をするもので、基本的にリターンは期待できません。投資手段としてクラウドファンディングの活用を考えている方は、別のタイプのクラウドファンディングを検討しましょう。寄付型クラウドファンディングには、公益性が高い案件や、未成熟ながら将来性のある事業をサポートするプロジェクトが多く見られます。
寄付型クラウドファンディングはリターンを期待しないファンド
寄付型クラウドファンディングは、特定の事業やプロジェクトなどを推進するための寄付金を募る方法です。商品やサービスの社会性や将来性に共感して、支援してくれる人を募ります。
本質的には寄付金に対するリターンは発生しませんが、事業者の好意でお礼メッセージやささやかな返礼品などが設定されるケースもあります。また、支援金がどのように使われているか、支援先事業の進捗状況などをレポートで紹介するファンドなどもみられます。
どのようなプロジェクトが多い?
寄付型クラウドファンディングは、社会的意義はあるが金銭的な利益をすぐに生み出せないもの、未成熟で収益性が不透明なプロジェクトの支援金を募るのに適した方法といえます。これらのプロジェクトは投資家にリターンを提供できるか不確実性が高く、貸付型や株式投資型のクラウドファンディングでの資金調達が困難です。
支援者が見返りを求めない「寄付型」だからこそ、収益性が不透明でも調達資金を原資にプロジェクトを加速させられます。より具体的には、次の3つのタイプのプロジェクトが多くみられます。
プロジェクトのタイプ
- 社会的公益性の高いプロジェクト
- 未熟なビジネスアイデアの製品化・事業化プロジェクト
- 芸術・文化的な活動で収益の創出が困難もしくは不透明なプロジェクト
それぞれのタイプについて詳しくみていきましょう。
社会的公益性の高いプロジェクト
弱者の救済や世の中の課題解決、歴史的な文化・建造物の保全などさまざまな公益性の高いプロジェクトに対して、しばしば寄付型クラウドファンディングが活用されます。
これらの事業は、本来は利益計上の必要がない自治体・国や公共機関などが実施するケースが多いものです。公的機関だけで対応するのは限界があるため、活動を加速させるためにクラウドファンディングで集めた資金がしばしば社会的な活動に使われます。日本では、2011年に発生した東日本大震災の支援プロジェクトを契機に普及したクラウドファンディング形態です。
たとえば、次の様なプロジェクトに活用されています。プロジェクトの例も合わせてまとめました。
プロジェクト事例
- 被災地の支援|子供達に寄り添う夢が砕かれかけた。秋田豪雨被災を乗り越えたい!
- 社会課題への取り組み|和歌山県紀南地域に助産師の経営するお母さんのための産後ケア施設を創りたい
- 調査研究活動|小児がん患者に治療を。BRAF遺伝子変異をもつ小児がんの臨床試験へ
- 環境保全|石垣島カンムリワシ「自然の権利」訴訟に力を貸してください!
未成熟なビジネスアイデアの製品化・事業化プロジェクト
世にまだない製品やサービスについて、アイデアは魅力的ながら事業性・収益性が不透明なプロジェクトの資金調達にも、しばしば寄付型クラウドファンディングを活用します。製品・サービスを提供したのちに、充分な収益が計上できるかがわからないため、リターンを求めない寄付型クラウドファンディングとの相性がよいのです。
たとえば、次の様なプロジェクトに活用されています。
プロジェクト事例
なお、新技術や新製品の立ち上げに、しばしば活用されるもう一つのクラウドファンディングのタイプとして「購入型クラウドファンディング」があります。こちらも金銭的なリターンを求めないクラウドファンディングですが、支援額に応じて商品をもらったり、ファンドで立ち上げたサービスを受けたり出来るのが特徴です。
購入型クラウドファンディングについてはこちらで詳しく紹介しているので、合わせて参考にして下さい。
芸術・文化的な活動で収益の創出が困難もしくは不透明なプロジェクト
芸術や文化の領域において、収益を産み出さないもの、もしくは収益性が困難なプロジェクトにも寄付型クラウドファンディングがしばしば活用されます。寄付金を通じてCDの販売や作品公開など新たな芸術活動を加速させたり、特定のスポーツ団体の運営を維持したりと特定の文化・芸術活動に使われます。そのため、支援者はアーティストやスポーツクラブなどのファンが寄付するケースが多いです。
たとえば、次の様なプロジェクトが寄付型クラウドファンディングとして立ち上がっています。
プロジェクト事例
- 文化財の保護・継承|道指定文化財・蠣崎波響『釈迦涅槃図』を120年ぶりに修復し未来へ!
- スポーツチーム支援|#アントラーズの未来をみんなで2023
寄付型クラウドファンディングサイト比較
寄付型クラウドファンディングサイトには、さまざまな運営サイトがあります。今回はそのなかでも規模の大きい次の5つのサイトを紹介します。
寄付型クラウドファンディング大手サイト
- CAMPFIRE
- READY FOR
- FORGOOD
- MOTION GALLERY
- GREEN FUNDING
余剰資金の寄付を検討している方は、ぜひ利用してみてください。
CAMPFIRE
特徴
- 寄付型クラウドファンディング
- 最低寄付金額は数千円程度~案件による
-
社会貢献・新規事業・文化や娯楽コンテンツへの支援と多様なプロジェクトに寄付が可能
-
実績豊富なので、迷ったらまずはCAMPFIREを利用するのがおすすめ
CAMPFIREは、すべて寄付型クラウドファンディングとして運営されているサービスです。ただし、プロジェクトによっては寄付金を通じて製造された製品やサービスの提供をお礼としている「購入型クラウドファンディング」に近い性質を持つプロジェクトも少なくありません。
最低寄付金額はプロジェクトによって異なりますが、数千円程度から寄付できるプロジェクトもあります。一つのプロジェクトでも1口の投資金額に差があって、寄付額によって返礼品が異なるケースもあります。すでに、2022年10月まで時点で約6.9万のプロジェクト掲載、総額約640億円の資金調達実績があるなど実績豊富です。
掲載プロジェクトについても社会貢献、新規事業立ち上げの支援、ポップカルチャーを含む文化・娯楽コンテンツの制作支援など多岐にわたります。実績充分なため、初心者がまず寄付型クラウドファンディングを利用してみたいときにおすすめです。また、特定地域に絞ってプロジェクトを探すことも出来るため、地域振興を目的とする方にもおすすめです。
READY FOR
特徴
- 購入型・寄付型クラウドファンディング
-
最低寄付金額は数千円程度~案件による
- 多様なプロジェクトがあるが、社会貢献や課題に対する研究・文化保全などのプロジェクトが多い
- 社会貢献を重視して支援を行いたい方におすすめ
READY FORは購入型クラウドファンディングと寄付型クラウドファンディングの双方を扱っているサイトです。また、寄付金額をふるさと納税として取り扱える「ふるさと納税型」もあるのが特徴です。
寄付金控除を使えるのが寄付型クラウドファンディングのメリットの一つです。しかし、READY FORでは購入型を中心に寄付金控除の対象外となるプロジェクトもあります。控除による節税効果を期待している方は、ファンド選びに注意してください。
最低投資金額はファンドによって大きく異なり、低いものでは3,000円程度ですが、最も低いメニューでも1万円以上で設定されているプロジェクトもみられます。 多様なプロジェクトの中でも自然や社会課題に関する研究のプロジェクトや、歴史的建造物および美術品の保護や保全活動、困った人への支援など社会貢献性の高い案件が多いのが特徴です。社会貢献を第一の目的として寄付型クラウドファンディングで支援しようと考えている方は、READY FORを利用するとよいでしょう。
FORGOOD
特徴
- 購入型・寄付型クラウドファンディング
- 最低寄付金額は千円程度~案件による
- 社会課題の貢献を意図した案件が中心
- 確実に支援金を運営者に届けたい方におすすめ
FORGOODは購入・寄付型の明記がありません。しかし、プロジェクトを見ると御礼メッセージなどが中心のもと、拠出額と同額(もしくはそれ以上)のクーポン券や商品が手に入るものがあり、実質的に購入型・寄付型の双方を扱っています。
最低寄付金額が、最も低いもので千円程度と少額からでも支援しやすいのが特徴です。ただし、プロジェクトによって1口1万円~の高額なものもあります。
FORGOODは地域振興や空き家問題の解決、貧困層の支援、動物保護など何らかの社会課題の解決を土台としたプロジェクトが中心です。それぞれのプロジェクトは支援者がコメントを書き込める仕様になっています。コメントを参考に支援先を決めるのもよいでしょう。
FORGOODは、ファンド立ち上げにおける掲載手数料がないため支援金のうち運営業者に渡る割合が低いのが特徴です。また、目標金額への到達・未達に関わらず支援金が運営者にわたる「All in」方式なので、支援金を確実にプロジェクトに充当させられます。支援金を最大限、確実にプロジェクトに使ってほしい方には、FORGOODがおすすめです。
MOTION GALLERY
特徴
- 購入型・寄付型クラウドファンディング
- 最低寄付金額は数百円程度~
- 芸術や文化関連のプロジェクトが中心
- ファンアーティストの支援や芸術・文化振興を支援したい方におすすめ
MOTION GALLERYは「購入型・寄付型クラウドファンディング」として運営されています。ただし、扱うプロジェクトが芸術・文化や娯楽コンテンツ中心ということもあり、お礼のメッセージや記念グッズなどがもらえる寄付型に近いプロジェクトが多く見られます。
最低寄付金額は数百円程度と、ほかのクラウドファンディングと比べても安価な傾向にあるのが特徴です。また、MOTION GALLERYは寄付型クラウドファンディングのなかでも、特に芸術・文化や娯楽関連の支援プロジェクトが多くなっています。
たとえば、特定アーティストの活動支援金やCD・映像コンテンツ制作費の支援、動画や劇場作品の政策支援、芸術イベント開催支援などがあります。特定のアーティストや劇団などをファンとして支援したい場合や、文化・芸術や娯楽の振興に興味がある方は、MOTION GALLERYを利用してください。
GREEN FUNDING
特徴
- 購入型・寄付型クラウドファンディング
- 最低寄付金額は数千円程度~だが購入型の中には高額なものも
- TSUTAYA等を営むCCCのもと新技術やサービスの支援プロジェクトが多い
- デジタルデバイスや新しい設備・サービスに興味ある方におすすめ
GREEN FUNDINGは購入型・寄付型クラウドファンディングを企画しています。ただし、新たな機械やサービスの開発プロジェクトを中心に、その新製品・サービスを受け取るファンドがあり、今回紹介したクラウドファンディングのなかでは特に購入型に近いプロジェクトが多くなっています。
最低購入金額は、寄付型で御礼メッセージなどがもらえるプロジェクトの場合数千円と低水準です。一方で、プロジェクトを通じて開発される機械やサービスを購入できるタイプについては、それらの価格により数万円~数十万円が最低額になる場合もあります。GREEN FUNDINGはTSUTAYAなどを営むCCCが支援したクラウドファンディングサービスです。
CCCと連携してTSUTAYAなど店舗内でプロジェクトを紹介できます。同社が営む先進的な家電・デジタルデバイスを展示・販売する「蔦屋家電+」と連携してマーケティングデータを入手したり、製品を展示したりできるのも特徴です。特に新技術支援に興味があって寄付型クラウドファンディングを始めようとしている方にはおすすめです。
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寄付型クラウドファンディングのメリット・特徴
寄付型クラウドファンディングには、次のような特徴・メリットがあります。
寄付型クラウドファンディングの特徴
- 寄付金の使い道がわかりやすい
- 寄附金控除を受けられる場合がある
- 自分に関心のある社会問題に合わせて寄付ができる
以上の特徴に魅力を感じる方は、寄付型クラウドファンディングを利用してみてください。
寄付金の使い道がわかりやすい
寄付型クラウドファンディングは、クラウドファンディングのなかでも寄付金の用途や支援プロジェクトが詳しく紹介されています。クラウドファンディング全体の特徴として、特定のプロジェクトや事業に特化したファンドが多いのが特徴です。
投資型のクラウドファンディングなら、プロジェクト内容に加えて利回り・収益性なども訴求材料となりますが、寄付型クラウドファンディングは支援者に大きな見返りがないため、プロジェクト自体の魅力が支援金獲得において特に重要です。そのため、支援金の使い道やプロジェクトのコンセプト、意図や目標などを詳細に発信しているプロジェクトが多くみられます。
進捗状況が分かるプロジェクトも
プロジェクトによっては、寄付型クラウドファンディングの多くは寄付をした後、定期的な活動報告を行う形式になっています。支援者向けにプロジェクトの進捗がレポートで発信されたり、LINEやSNSなどで活動報告が行われるプロジェクトも少なくありません。自分の支援金がいまどのように使われているのか確認しやすいのも、寄付型クラウドファンディングのメリットです。
寄附金控除を受けられる場合がある
寄付型クラウドファンディングでは、社会貢献性の高いプロジェクトを中心に寄付金控除を受けられる場合があります。寄付金控除とは、国や自治体、一部の公益法人に対する「特定寄附金」を所得から控除できる制度です。適用すれば、その年の税額計算上の所得が減少し、所得税や住民税を減らす効果があります。
控除額は、次の式で算出します。「所得控除」の一種なので、下記で計算された数値をその年の所得から差し引く仕組みです。
次のいずれか低い金額 - 2000円 = 寄附金控除額
- その年に支出した特定寄附金の額の合計額
- その年の総所得金額等の40パーセント相当額
なお、特定寄付金に含まれなれば、たとえ寄付型クラウドファンディングでも寄付金控除は使えません。控除を確実に活用したいなら、READY FORのように控除対象のプロジェクトが明記されているサービスを利用しましょう。
自分に関心のある社会問題に合わせて寄付ができる
自分に関心のある課題に合わせて寄付できるのが特徴です。寄付型クラウドファンディングは、金銭面で収益を産み出せないプロジェクトでも案件を設定できます。解決することで社会全体に便益があっても、事業者や投資家へのリターンが不確実な社会課題への取り組みに適したクラウドファンディング形態です。
そのため、寄付型クラウドファンディングでは、各サービスが多様な社会課題の解決に貢献できるプロジェクトを多数企画しています。さまざまなプロジェクトの中から、自分が解決したい社会課題に取り組むプロジェクトを選んで支援してください。
まとめ
寄付型クラウドファンディングは、投資リターンを求めない支援を目的としたクラウドファンディングです。収益を狙う投資型のクラウドファンディングとは用途やファンドの購入目的が大きく異なるので注意しましょう。
寄付型クラウドファンディングを通じて、企業単体では解決困難な社会課題への取り組みや、まだ見ぬ新技術・新製品の開発などが進められています。よりよい社会の実現を目指して、少額から課題解決に貢献できるのが、支援者から見た寄付型クラウドファンディングの大きなメリット・特徴です。自分が支援したいプロジェクトを見つけて、早速ファンド購入を始めてみましょう。
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