資産を三分割してみる【第2回】 - 退職・年金ナビ

投稿日:2022/05/09 最終更新日:2022/07/29
本コンテンツは当サイト編集部が独自に制作しております。各広告主様やアフィリエイトサービスプロバイダ様から商品案内や広告出稿をいただくこともありますが、各事業者様がコンテンツ内容等の決定に関与することはございません。本サイトは広告およびアフィリエイトサービスにより収益を得ています。コンテンツ内で紹介した商品が成約されると、売上の一部が当サイトに還元される場合があります。

退職・年金ナビ [ 定年退職したらまずやる「資産管理術」 ]

【第2回】

資産を三分割してみる

ポイント
・資産の目録が作れたら、資産を3分割してみる
・「必ず残しておく資産」と「もしものときのために残しておく資産」が明らかになれば「セカンドライフで使える資産」が見えてくる
・「セカンドライフで使える資産」を二人の生活期間で割れば毎月の取り崩し可能額が見えてくる

資産の棚卸しが終わったら、資産を大きく3分割してみる

セカンドライフに向けて資産を三分割してみる
セカンドライフに向けて資産を三分割してみる
定年退職してまずやるべきことの第1ステップは「資産の目録作り」でした。今現在、どれくらいの価値のある資産を保有しているか一覧を作って、きちんと現状把握するところから始めよう、ということです。
「資産の目録」は作成するだけでも現状の確認として有意義ですが、これを一歩進めて、資産の管理を少し考えてみましょう。といっても、いきなりリスク運用など難しいことを考えるわけではありません。資産を大きく3つのグループに分けて今後のマネープランを検討する際の参考にしてみるのです。この3分割はその後のセカンドライフを通じて臨機応変に見直してもかまいませんので、まずは「初めてのセカンドライフ計画」だと気楽に考え、一度考えてみてください。

第一の資産:必ず残しておく資産

まず、はっきり整理しやすい資産は、生涯取り崩す予定のない資産です。たとえば自宅として住んでいる不動産については、夫婦が終の棲家として活用することを前提としていることが多いですから、この第一の資産に区分されることが多いと思います。これらの資産については「必ず残しておく資産」として他の資産とは区分します。それ以外にも相続を前提としている資産があれば、こちらにいれておきましょう。相続対策に保険を活用して備えている場合などは、こちらの区分に入るかと思います。
資産の一覧を見れば、「この資産については売るつもりは全くない」というものは自ずと明らかになると思います。あまり難しく考える必要はありませんので、第一の資産をまず分けてみてください。

第二の資産:もしものときのために残しておく資産

第二の資産として分けてみたいのは「もしものときのために残しておく資産」です。これは基本的には子どもたちに残しておこうと思っているけれども、病気療養や急な出費が生じた場合には使ってもいい、と考えるような資産をグループ化するものです。
このグループについては、「毎月取り崩して生活費に充てるつもりはない」が、「取り崩しはまったく考えていないわけでもない」という資産をまとめてみてください。判断に迷う場合はとりあえず第二の資産と区分して、後から第三の資産に移してもかまいません。
たとえば、子2人に500万円ずつくらいは残しておきたいと考えている1000万円の定期預金があるが、自分たちの入院・介護などに使う場合は相続にはこだわらない、と考えているのであればこのグループにいれておきます。あるいは、かつて勤めていた会社の株式を保有していて、配当には期待するが売却する予定が全くない、という場合もここに分類しておくといいでしょう。自分が先立った後、妻の介護等に必要であればこれを取り崩してもかまわない、というわけです。
もしものときのために資産の一部を少し残しておくという発想は、医療費や介護のためだけではありません。急激なインフレにより生活費がより多く必要になったり、公的年金のさらなる引き下げや自己負担が増えた場合(消費税増や医療費自己負担増などが考えられます)の備えにもなります。できれば1000万円以上の余裕をこの第二の資産にいれておきたいものです。

第三の資産:セカンドライフで使える資産

さて、資産全体から第一の資産と第二の資産を引いたものは自動的に第三の資産、すなわち「セカンドライフで使える資産」ということになります。つまり、
    (資産全体)
 − (第一の資産 必ず残しておく資産)
 − (第二の資産 もしものときのために残しておく資産)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
   (第三の資産 セカンドライフで使える資産)

ということになります。
セカンドライフで使える資産がどのくらいかは一人一人のご家庭によって異なりますが、「我が家はどのくらいか」を知っておくことはとても大切です。この第三の資産が分かれば、毎月いくらくらいは取り崩してもよいか、が見えてきます。
仮に1000万円が「セカンドライフで使える資産」であると整理された場合、これを割り算してみます。夫が65歳になった時点から取り崩しをスタートすると仮定するならば、男性の平均余命18年を参考に20年くらいを想定してみましょう。この場合240カ月分ということですから、公的年金収入に加えて、毎月41600円を取り崩してもいいということになるわけです。
これにより、公的年金に加え、毎週10000円の余裕があることが明らかになりました。公的年金だけでは足りない分を、自分の財産を計画的に取り崩してやりくりできる目安が見えてきたわけです。こうした計算をすることで、資産の整理をする前と比べ、よりセカンドライフへの安心がはっきりしてきます。
なお、利息分も加味すると、実際にはお金はもっと長持ちします。仮に年2%の金利が期待できるとして、1000万円を41600円ずつ取り崩すとすれば、25年と6カ月はお金がもつことになります。あまり金利をあてにした計画は禁物ですが、利息を加味するとお金はかなり長持ちする、ということは覚えておくといいでしょう。
まずは資産を三分割し、第三の資産についてとりあえず240で割ってみると、セカンドライフのイメージが出てくると思います。ぜひ、試してみてください。

articles 投資を学ぶ

資産運用

article item
資産運用 つみたてNISAは楽天証券で始めるのがおすすめ!商品の選び方も解説
菅原良介 2024/01/26
article item
資産運用 つみたてNISAを始めるならどの証券会社がいい?おすすめの銘柄も解説!
菅原良介 2024/01/26
article item
資産運用 つみたてNISAの銘柄のおすすめの組み合わせは?
菅原良介 2023/11/24
article item
資産運用 つみたてNISAの手数料を比較!安い手数料を選ぶポイント
菅原良介 2023/11/24

株式

article item
株式 (実践編) 米国高配当ETFおすすめ5選!おすすめの証券会社についても解説
菅原良介 2024/02/27
article item
株式 (実践編) 債券ETFとは?おすすめ銘柄やメリット・デメリットについても解説!
菅原良介 2024/02/27
ETF
article item
株式 (基礎編) 配当利回りが高い米国株ランキングTOP5!米国株の特徴やメリット・デメリットも解説
菅原良介 2024/02/27
article item
株式 (基礎編) 東証プライム市場(旧東証一部市場)で配当利回りが高い銘柄ランキングTOP10!おすすめの証券会社も解説
菅原良介 2024/02/27

信用取引

article item
信用取引 機関の空売りとは?空売り残高の活用方法と銘柄の特徴について紹介
菅原良介 2023/08/15
article item
信用取引 つなぎ売りとは?つなぎ売りの方法や注意点などを徹底解説!
2023/03/31
article item
信用取引 クロス取引とは?有名な「優待クロス取引」のメリットや気をつけるべき点などわかりやすく解説!
菅原良介 2023/03/31
article item
信用取引 信用取引はどうやって始める?制度信用取引と一般信用って何?信用取引の始め方について徹底解説!
2023/03/14

投信/ETF

article item
投信/ETF 配当が魅力のETF利回りランキングTOP10! おすすめ銘柄についても解説
菅原良介 2024/02/27
article item
投信/ETF 米国債券ETFランキングTOP10!おすすめ銘柄についても解説
菅原良介 2024/02/27
article item
投信/ETF 高配当ETFはおすすめしない?正しい選び方とメリット・デメリットを解説!
菅原良介 2024/02/27
ETF
article item
投信/ETF 投資信託の利回り(トータルリターン)ランキングTOP10!銘柄の選び方についても解説
菅原良介 2024/01/31

Jリート

article item
Jリート J-REITの種類とは?選び方のポイントも含めて丁寧に解説!
2023/03/31
article item
Jリート 【J-REIT初心者入門】J-REITとは?メリットやリスク、現物不動産投資との違いを解説
2023/03/31
article item
Jリート J−REITは長期保有?短期売買? - はじめてのJリート物語
2023/03/31
article item
Jリート リートっていくらから買えるの? - はじめてのJリート物語
2023/03/31

金銭信託

article item
金銭信託 安全性と収益性のバランスが良い投資方法とは?スマートプラスの合同運用指定金銭信託についてご紹介!
2023/10/31
article item
金銭信託 金銭信託にはどんな種類がある?それぞれの特徴やリスクを知っておこう
2023/10/31
article item
金銭信託 金銭信託でこれは知っておこう!利益がもらえる時の信託受益権とは?
2023/10/31
article item
金銭信託 信託銀行って何の銀行?どんな金融資産を運用してる?
2023/10/31

NISA

article item
NISA つみたてNISAにおける銘柄選びのポイントは?成功させるための方法も紹介
菅原良介 2023/10/18

不動産投資

article item
不動産投資 おすすめの不動産クラウドファンディングは?比較すべきポイントも合わせて紹介
菅原良介 2024/01/31
article item
不動産投資 不動産クラウドファンディングのメリットは?ソーシャルレンディングとの違いも解説!
菅原良介 2024/01/31