資産運用

資産を三分割してみる【第2回】 - 退職・年金ナビ

最終更新:2022/05/09 15:44

退職・年金ナビ [ 定年退職したらまずやる「資産管理術」 ]

【第2回】

資産を三分割してみる

ポイント
・資産の目録が作れたら、資産を3分割してみる
・「必ず残しておく資産」と「もしものときのために残しておく資産」が明らかになれば「セカンドライフで使える資産」が見えてくる
・「セカンドライフで使える資産」を二人の生活期間で割れば毎月の取り崩し可能額が見えてくる

資産の棚卸しが終わったら、資産を大きく3分割してみる

セカンドライフに向けて資産を三分割してみる
セカンドライフに向けて資産を三分割してみる
定年退職してまずやるべきことの第1ステップは「資産の目録作り」でした。今現在、どれくらいの価値のある資産を保有しているか一覧を作って、きちんと現状把握するところから始めよう、ということです。
「資産の目録」は作成するだけでも現状の確認として有意義ですが、これを一歩進めて、資産の管理を少し考えてみましょう。といっても、いきなりリスク運用など難しいことを考えるわけではありません。資産を大きく3つのグループに分けて今後のマネープランを検討する際の参考にしてみるのです。この3分割はその後のセカンドライフを通じて臨機応変に見直してもかまいませんので、まずは「初めてのセカンドライフ計画」だと気楽に考え、一度考えてみてください。

第一の資産:必ず残しておく資産

まず、はっきり整理しやすい資産は、生涯取り崩す予定のない資産です。たとえば自宅として住んでいる不動産については、夫婦が終の棲家として活用することを前提としていることが多いですから、この第一の資産に区分されることが多いと思います。これらの資産については「必ず残しておく資産」として他の資産とは区分します。それ以外にも相続を前提としている資産があれば、こちらにいれておきましょう。相続対策に保険を活用して備えている場合などは、こちらの区分に入るかと思います。
資産の一覧を見れば、「この資産については売るつもりは全くない」というものは自ずと明らかになると思います。あまり難しく考える必要はありませんので、第一の資産をまず分けてみてください。

第二の資産:もしものときのために残しておく資産

第二の資産として分けてみたいのは「もしものときのために残しておく資産」です。これは基本的には子どもたちに残しておこうと思っているけれども、病気療養や急な出費が生じた場合には使ってもいい、と考えるような資産をグループ化するものです。
このグループについては、「毎月取り崩して生活費に充てるつもりはない」が、「取り崩しはまったく考えていないわけでもない」という資産をまとめてみてください。判断に迷う場合はとりあえず第二の資産と区分して、後から第三の資産に移してもかまいません。
たとえば、子2人に500万円ずつくらいは残しておきたいと考えている1000万円の定期預金があるが、自分たちの入院・介護などに使う場合は相続にはこだわらない、と考えているのであればこのグループにいれておきます。あるいは、かつて勤めていた会社の株式を保有していて、配当には期待するが売却する予定が全くない、という場合もここに分類しておくといいでしょう。自分が先立った後、妻の介護等に必要であればこれを取り崩してもかまわない、というわけです。
もしものときのために資産の一部を少し残しておくという発想は、医療費や介護のためだけではありません。急激なインフレにより生活費がより多く必要になったり、公的年金のさらなる引き下げや自己負担が増えた場合(消費税増や医療費自己負担増などが考えられます)の備えにもなります。できれば1000万円以上の余裕をこの第二の資産にいれておきたいものです。

第三の資産:セカンドライフで使える資産

さて、資産全体から第一の資産と第二の資産を引いたものは自動的に第三の資産、すなわち「セカンドライフで使える資産」ということになります。つまり、
    (資産全体)
 − (第一の資産 必ず残しておく資産)
 − (第二の資産 もしものときのために残しておく資産)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
   (第三の資産 セカンドライフで使える資産)

ということになります。
セカンドライフで使える資産がどのくらいかは一人一人のご家庭によって異なりますが、「我が家はどのくらいか」を知っておくことはとても大切です。この第三の資産が分かれば、毎月いくらくらいは取り崩してもよいか、が見えてきます。
仮に1000万円が「セカンドライフで使える資産」であると整理された場合、これを割り算してみます。夫が65歳になった時点から取り崩しをスタートすると仮定するならば、男性の平均余命18年を参考に20年くらいを想定してみましょう。この場合240カ月分ということですから、公的年金収入に加えて、毎月41600円を取り崩してもいいということになるわけです。
これにより、公的年金に加え、毎週10000円の余裕があることが明らかになりました。公的年金だけでは足りない分を、自分の財産を計画的に取り崩してやりくりできる目安が見えてきたわけです。こうした計算をすることで、資産の整理をする前と比べ、よりセカンドライフへの安心がはっきりしてきます。
なお、利息分も加味すると、実際にはお金はもっと長持ちします。仮に年2%の金利が期待できるとして、1000万円を41600円ずつ取り崩すとすれば、25年と6カ月はお金がもつことになります。あまり金利をあてにした計画は禁物ですが、利息を加味するとお金はかなり長持ちする、ということは覚えておくといいでしょう。
まずは資産を三分割し、第三の資産についてとりあえず240で割ってみると、セカンドライフのイメージが出てくると思います。ぜひ、試してみてください。

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