令和4年4月からの保険適用拡大に伴い、従来の特定不妊治療助成金は終了しました。現在は移行期間となっているため、経過措置としての申請が可能です。
申請には期限があるので、必要書類や申請方法をきちんと理解してスムーズに申請できるようにしましょう。この記事では東京都の助成金申請を基本に解説していきます。
実際に助成金の申請をする際には、お住いの自治体の最新情報を必ず確認してください
申請の流れ
特定不妊治療助成金の申請の流れは以下のようになります。
- 指定機関で不妊治療を受け、医療機関に書類を作成してもらう
- 必要書類を記載する
- 保健福祉事務局等へ提出する
- 審査・承認決定通知書受領
- 助成金の受け取り
タイミングとしては、「治療終了時(1.)」「申請期間(2.3.)」「受取までの期間(4.5.)」の3つに分かれます。
1回の不妊治療が終了した後に医療機関に「特定不妊治療費助成事業受診等証明書」を作成してもらいます。指定の医療機関はこちらをご確認ください。
参考:厚生労働省「不妊に悩む方への特定治療支援事業 指定医療機関一覧」
参考:東京都福祉保健局「指定医療機関」
証明書は各自治体のホームページや、健康福祉センターなどから取り寄せることができます。指定医療機関によっては、作成に1カ月程度時間がかかる場合があります。指定医療機関に作成時間を確認の上、助成金申請期限に間に合うように早めの申請をおすすめします。
申請に必要な書類に関しては次に説明します。 申請期限に間に合うように治療終了後には速やかに書類を作成しましょう。窓口に提出する前に、申請書類一式のコピーをとっておいて保管しておくことをおすすめします。(提出した書類は返却されません) 申請から助成金の受け取り(振込)までは3~4か月かかることもあります。状況によってはさらに時間がかかることもあるので、助成金受取までの目安についてはお住いの自治体の窓口で確認したほうが良さそうです。
必要書類
特定不妊治療助成金の申請に必要な書類について説明していきます。基本的な書類について説明しますが、詳細は各自治体の情報を確認するようにしてください。 書類は基本的に原本を提出(領収書はコピーで可)することになります。また、男性不妊治療で必要な書類もあります。
下表以外にも必要に応じて「事実婚関係に関する申立書(事実婚の場合)」や「死産届又は母子健康手帳の「出産の状態」ページ等の写し(助成回数をリセットする場合)」などを準備します。
必要書類 | コピーor原本 | 男性不妊治療 |
特定不妊治療費助成申請書 | 原本 | |
特定不妊治療費助成事業受診等証明書 | 原本 | |
住民票の写し(マイナンバーの記載がないもの) | 原本 | |
戸籍全部事項証明(戸籍謄本) | 原本 | |
医療機関が発行した領収書 | コピー | |
精巣内精子生検採取法等受診等証明書 | 原本 | 〇 |
精巣内精子生検採取法等受診の領収書 | コピー | 〇 |
特定不妊治療費助成申請書
特定不妊治療費助成申請書は申請者または配偶者が記載して、原本を提出します。様式は必ず各自治体のものを利用するようにしてください。東京都の様式は以下のサイトからダウンロード可能です。
参考:東京都福祉保健局「申請書のダウンロード」
特定不妊治療費助成事業受診等証明書
特定不妊治療費助成事業受診等証明書は指定医療機関に作成してもらいます。こちらも原本を提出します。医療機関によっては作成に1カ月程度時間がかかるので早めに作成してもらいましょう。
住民票の写し
申請日から3か月以内に発行されたものを準備してください。事実婚の場合や別居している場合など、状況に応じて必要になる事柄が変わる場合があるので、詳細は自治体の情報を確認するようにしてください。住民票の写しも原本が必要です。
戸籍全部事項証明(戸籍謄本)
婚姻関係、婚姻日等を確認するために利用します。住民票の写しと同じく申請日から3か月以内に発行されたものを提出します。こちらも必要な事柄などの詳細は自治体情報を確認してください。戸籍謄本も原本を提出します。
指定医療機関が発行した領収書
領収書はコピーを提出します。領収書の内容は以下の2点に注意してください。
- 領収書の日付が特定不妊治療費助成事業受診等証明書の「領収書の期間」内であること
- 合計の金額が申請額と同額か同額以上であること
精巣内精子生検採取法等受診等証明書(第2-2号様式)
手術を実施した医療機関が記入する書類です。領収書の日付を記載する箇所があるので、領収書のコピーと整合性が合うようにしてください。こちらの証明書も原本を提出します。 東京都の様式はこちらです。
参考:東京都福祉保健局「申請書のダウンロード」
精巣内精子生検採取法等受診の領収書
精巣内精子生検採取法等受診等証明書に記載した金額の領収書のコピーを提出します。日付と金額が証明書とあっているか確認してください。原本は必ず保管しておきましょう。
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申請するタイミング
令和4年度の申請期限は原則令和5年3月31日(金)である場合がほとんどです。ただし、治療終了日からの何日以内という場合もあります。
申請の方法は、「郵送」または「窓口(健康福祉センター(保健所))への持ち込み」があります。自治体によって「郵送」のみ、「持ち込みのみ」、「どちらも可能」など違いがあります。 東京都の場合、郵送のみ受け付けており、申請期限は以下のようになっています。 申請の期限は「1回の治療」が終了した日が属している年度の3月31日(年度末)(3月31日の消印有効)です。 例)令和4年の場合 令和4年8月6日に治療終了の場合 申請期限=令和5年3月31日(当日消印有効) 【3月31日消印有効とは】
3月31日の消印が押印されているものは、4月1日に到着しても申請として有効となります。その日の最終集配時刻を過ぎてからポストへ投函すると、翌日(4月1日)集配されるため、消印が4月1日となります。その場合には申請が受け付けされません。
差出しや配達の記録の残る簡易書留や特定記録郵便などのサービスをできる限り利用しましょう。普通郵便で送付した場合、書類が到達したかの確認は受けてくれないことがあります。
申請期限をすぎてしまうことがないように、早めの申請をするようにしましょう。
※仮に提出が間に合わない場合、東京都に問い合わせてみて下さい。対応してもらえる可能性があります。
参考:東京都福祉保健局 「東京都特定不妊治療費助成の概要」
申請期限や申請方法については各自治体の情報を必ず確認するようにしてください。(申請期限に間に合わない場合、助成を受けられなくなる可能性があります)
いつ振り込まれる?
いつ振り込まれるかも自治体によって異なりますが数カ月時間がかかることもあります。事前に知りたい場合は申請時に窓口に確認するのがよいでしょう。 東京都では令和4年11月16日時点で約4か月以上の時間がかかっています。令和4年分の申請期限である令和5年3月末はさらに時間がかかることが予想されるので、早めの申請を心がけましょう。
まとめ
特定不妊治療助成金の申請には期限があります。期限に間に合わない申請が受付されなくなってしまうので、必要な書類や申請方法をきちんと確認して手続きのトラブルがないようにしましょう。 必要書類や申請方法はお住いの自治体の最新情報を必ず確認するようにしてください。
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よくある質問
Q | 領収書を紛失した場合、どうしたらよいですか? |
A | 残っている領収書の合計額が助成上限額を超えていれば直接の問題はありません。残っている領収書の額が助成上限額に満たない場合は、医療機関に支払証明の発行を依頼してみてください。 詳しくは「指定医療機関が発行した領収書」を参照。 |
Q | 申請書の年齢はいつ時点の年齢を記載するのですか? |
A | 治療開始日(特定不妊治療費助成事業受診等証明書の「今回の治療期間」の初日)時点の年齢を記載してください。 また、各申請書について詳しく知りたい方は「必要書類」を参考。 |
Q | 振込口座の指定はありますか? |
A |