医療保険の保険期間と払込期間とは?目的にあわせて正しく設定するポイントとは?

投稿日:2022/04/08 最終更新日:2023/03/17
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医療保険には保険期間と保険料の払込期間という2つの時間軸があります。保険期間は保障を受けられる期間で、保険料の払込期間は加入から保険料を支払う期間です。得たい保障を考えるときには、この保険期間と保険料払込期間をどうするのかがポイントになります。また保険期間と保険料の払込期間が決まれば、おのずと自身に合った保険も見えてきます。
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保険期間と払込期間とは?

医療保険の保険期間とは、保険契約が続く期間であり、病気や怪我で入院したり手術を受けた際に給付金や保険金が支払われて保障が受けられる期間です。

医療保険の保険料払込期間は、保険を契約している方が保険料を支払う必要がある期間を指しています。
保険料払込期間には、年齢で「60歳まで」や「10年間」と期間を区切る「短期払い」と、保険料を一生涯支払い続ける「終身払い」があります。

保険期間と払込期間の仕組み
保険期間と払込期間の仕組み

例えば「終身医療保険、60歳払込満了」の場合、保険期間は終身なので、保障を受けられる期間は一生涯となり、保険を契約した方が亡くなるまで保障は続きます。
一方で、保険料払込期間は「60歳払込満了」なので「60歳まで」となっています。

医療保険の保険期間には「定期型」と「終身型」がある

医療保険の保険期間には、保障が一生涯続く「終身型」と、保障が一定期間の「定期型」があります。
終身型は保障を一生涯受けられる一方で保険料は割安になり、定期型は保険期間が一定期間と限られている一方で保険料は割高になります。それぞれの特徴を見ていきましょう。

終身型医療保険のメリット・デメリット

終身型医療保険とは、保障が一生涯続く医療保険です。
保障が一生涯続くので、リタイア後の医療費の備えとしても考えられます。

保険料の支払いは、一生涯支払っていく「終身払い」と、一定期間内に支払いを終える「短期払い」の2パターンがあり、一般的に、保険料は一度加入すると一定なので、若いときから加入しておくと後々も保険料の支払いを安く抑えられることもできます。

一定期間内に支払いを終える短期払の場合、保険料は支払い済みなのでその後の保険料の出費に関しては気にすることなく病気や怪我に備えられます。
ただし、毎月の保険料は短期払いのほうが終身払いよりも割高になるのが一般的です。

年齢が上がるとそれに伴って医療保険の保険料も高くなるのが一般的なので、終身型医療保険を途中で解約する場合には要注意です。新しく医療保険に加入する際にはその点もしっかり確認しておきましょう。

定期型医療保険のメリット・デメリット

定期型医療保険は保障期間が10年など一定期間や60歳までなど一定年齢までの期間を保障する医療保険です。
保険期間が満了してからも、続けて同じ保障を得たいときには更新になり、健康状態に関わらず、一定の年齢になるまでは同じ内容で更新がなされます。
自動更新が可能な年齢は「70歳まで」や「80歳まで」など保険会社の商品によって異なります。
一定の年齢になると、契約が満了したり、終身型の医療保険に移行する場合もあります。

定期型医療保険の保険料の仕組み
定期型医療保険の保険料の仕組み

また、保険料は終身型の医療保険よりも割安になっているため、一定期間の保障を得たい方、家計と照らし合わせて保険料の支払いを抑えたい方に向いています。
ただし、保険料は更新を迎えると年齢に応じて高くなるのが一般的なので注意しましょう。

「定期型」と「終身型」、保険期間はどうやって決めるべき?

保険期間はどのように決めたらよいのでしょうか?
保険期間は、10年~20年間と区切ることもできますし、年齢で区切ることも可能です、また、保障を一生涯受けたい場合には終身保険にもできます。

働いている期間に病気や怪我で入院したり手術を受けることに備えたい場合には定期型で、働いている期間中の保障を厚くするというのも一つの考え方です。
ただし、保険期間を一定にしていると満期を迎えたときに更新するかどうかが問題になります。
更新時の保険料は年齢が上がったときに上がるのでその点は気をつけましょう。

退職してリタイア生活に入った以降も「医療費が心配」という方は終身保険に切り替えるのもポイントです。

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保険料払込期間の「終身払い」と「短期払い」

医療保険の保険料払込期間には、一生涯保険料を支払う「終身払い」と、一定期間内に保険料を支払い終える「短期払い」があります。

短期払いと終身払いの仕組み
短期払いと終身払いの仕組み

終身払いは一生涯かけて保険料を支払うので1回あたりの支払保険料は割安で、短期払いは一定期間内に保険料を支払わらなければいけないので1回辺りの支払い保険料は割高になります。
ただし、終身払いと短期払いはそれぞれにメリットとデメリットもあります。

終身払いのメリット・デメリット

医療保険の保険料払込期間を終身払いにする場合、一生涯支払いが続くことになります。
しかし、一生涯かけて保険料を支払っていくことで、1回あたりの保険料の支払額は短期払いに比べて割安になるため、月々の支払額を割安に抑えられるのは家計にとってはメリットでしょう。

また、終身払いであっても必ずしも一生涯保険料を支払う必要性があるわけではありません。
昨今ではがんや心疾患、脳梗塞などの三大疾病になった際に、それ以降の保険料の支払いが免除される「保険料払込免除特約」がある医療保険が増えています。
がんや心疾患、脳梗塞になった場合は治療が長引くことで医療費も高くなる傾向があるので、この点もメリットです。

加えて、終身払いは医療保険の内容を見直しやすいのもメリットです。
医療保険の保障内容は刻一刻と進化する医療体制に応じて様々な内容に変化しており、病気や怪我で入院する期間も最新の治療方法を用いた結果、短くなっていますし、また、通院や在宅での治療への保障を充実させた医療保険も出ています。
保障内容が見直しやすいのは終身払いならではのポイントです。

ただし、保険料の終身払いは一生涯保険料を支払わなければならないことはデメリットとして挙げられます。
一生涯払っていける保険料なのかはしっかり契約時に確認をしましょう。

短期払いのメリット・デメリット

医療保険の保険料を短期払いにする場合、一定期間内に保険料を支払うので、老後に入っても保険料の支払い負担がないのは大きなメリットです。
保険料を支払ってしまったと長生きすれば、保険料の総額は安くなるのもポイントです。

ただし、一定期間内に保険料を支払うということは1回あたりの保険料は、終身払いより割高になります。
また、医療保険は保障内容の改定が多いのもデメリットになるポイントです。
短期払いで支払った保障内容が、数年後そのとき自身が欲している保障内容とマッチするかはその時になってみないとわかりません。
短期払いにすることでのデメリットもあるのでその点はしっかり理解しておきましょう。

保険料払込期間はどうやって決めるべき?

医療保険の保険料払込期間はどのように決めていくのがよいのでしょうか?
カギになるのは平均寿命。2018年の日本人の平均寿命は男性が81.25歳、女性が87.32歳となっています。

例えば、35歳の男性が1日入院日額5000円、手術費用5万円の保険に加入した際の終身払いの保険料は1か月2500円程度ですが、60歳払込済みの保険料は1か月4000円程度です。

終身払いにした場合は60歳時点の総額保険料は80万円程度、70歳で110万円、80歳で140万円です。60歳払込済みの場合、総額保険料は120万円程度になります。
終身払いに比べて60歳払込済みの保険料総額が安くなるのは75歳前後になります。

男性の平均寿命は80歳前後。平均寿命よりも長生きする場合には、短期払いの方が安くなりそうです。
終身払いの場合は、長生きするほどに保険料が積み上がるので、保険料的には負担が増えていきます。

ただし、終身払いの方が保障内容の見直しが行いやすかったり、三大疾病にかかったときに保険料を支払わなくてもいい特約があることなどは大きなメリットです。
保険料の負担と言っても月額1500円程度の差をどう捉えるかが見直しのカギではないでしょうか。

終身払いの場合は一生涯保険料を支払わなければならないので、自身が平均寿命近くなった70代前後に病気や怪我で保障が必要かどうかや、保険料を支払い続けられるかどうかを考えてみてはいかがでしょうか。
短期払いの場合は保険料の支払いは一定額に抑えることができるので家計では助かるはずです。

解約返戻金とは

今まで支払った保険料に応じて、保険を解約する際に返還されるお金のことを解約返戻金と言います。
注意すべき点は、支払った保険金が満額返ってくわけではないこと、解約返戻金は全ての保険にあるわけではないと言うことです。特に掛け捨て型の保険に加入していて、途中解約した際に支払われる解約返戻金はごくわずかです。保険期間が長い終身保険や貯蓄性がある保険には解約返戻金はあります。
解約返戻金は3つの種類に分けることができます。どの型の解約返戻金になるのかを保険に加入する際に確認しましょう。

従来型

支払った保険料に応じて、解約返戻額が増えていく仕組みです。3つの種類の中で一番返戻率が高いのが特徴で、支払い期間内に解約をしても安心できます。保険料の払込みが終了しても緩やかではあるが、解約返戻金の額は上昇します。

低解約返戻金型

保険の商品によって異なりますが、従来の解約返戻金に比べると70%程度戻る型です。保険料の払込期間中に解約をすると、返戻金は低くなりますが、払込終了後に解約をすると返戻率がよくなるのが特徴です。
また、払い込み終了の経過年数が長くなればなるほど受け取れる返戻金は増えます。

無解約返戻金型

解約返戻金がない型で、いわゆる掛け捨てタイプです。
解約返戻金を受け取れない代わりに保険料が安いのが特徴です。 

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総払込保険料の違いがポイント

ここまで見てきたように、終身払いならば1回の保険料支払いは割安ですが、短期払いでは割高になります。
終身払いがいいのか、短期払いがよいのか。総払込保険料の違いでも比べてみましょう。

総払込保険料の例で、違いをチェック

入院日額1万円、1入院の限度日数60日、通算限度日数1095日、手術給付金10万円に加入した場合、
「終身医療保険の60歳払い」「終身医療保険の終身払い」「定期医療保険の10年更新」で、それぞれ総保険料にどのような違いが出てくるのか、比較してみましょう。

項目 終身医療保険 定期医療保険
保険期間 終身(保障が一生涯) 10年(自動更新)
払込期間 60歳払い(短期払い) 終身払い 10年(自動更新)
保険料(月額) 30~39歳 4,300円 2,980円 2,570円
40~49歳 3,100円
50~59歳 4,370円
60~69歳 -- 5,820円
70~79歳 -- 7,300円
80歳~ -- (更新限度)
総払込保険料 60歳時点での合計 1,548,000円 1,072,800円 1,204,800円
70歳時点での合計 1,430,400円 1,903,200円
80歳時点での合計 1,788,000円 2,779,200円

※あくまで一例です。詳細は各保険会社にご確認ください。

60歳払込済みの終身医療保険の場合には、月額5,000円弱の支払いで、総額保険料は約170万円になります。
終身払いの医療保険の場合、月額の保険料は3000円程度です。総額の保険料は60歳時点では110万円、70才時点で150万円、80歳時点で200万円弱になります。

10年更新の定期医療保険に加入した場合、30歳時点では月額保険料は3000円ですが、40歳時点では3500円、50歳では5000円弱、60歳では6500円、70歳では8000円と上がっていきます。
60歳時点の総額保険料は130万円、70歳時点では200万円、80歳時点では300万円程度になります。

保障内容が同じだった場合、加入時点での保険料は定期医療保険が安く見えますが、更新を重ねると総額の保険料は上がっていきます。
終身払いの医療保険は60歳時点では110万円程度ですが80歳まで支払い続けると200万円弱になります。

まとめ

医療保険の保障を得るために大切な、保険期間と保険料払込期間。
どのくらいの期間、どのくらいの保障を得たいのか、そして、保険料の払込をいつまでどれくらい支払うのかによっても選ぶ保険は変わってきます。
保険期間と保険料払込期間についてしっかり理解して自身に必要な医療保険を選びましょう。

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