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目次 [
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退職・年金ナビ [ 退職金・企業年金の基礎知識 ]
【第2回】
一時金としてもらう〜退職一時金、中小企業退職金共済
- 退職金の多くは「一時金」受取になるが、その水準は各社さまざま
- 一時金受取をするとほとんど税金はかからない(税制上の優遇がある)
- まとまった大きなお金なので、計画的な使い方を心がけたい
- 会社ではなく退職金の共済から受け取る場合もある(中小企業退職金共済)
■退職金の基本はやはり「一時金」での受け取り
- 述べ人数で言えば会社員の2〜3人に1人は企業年金制度があるものの、やはり退職時に受け取るお金の基本は「退職一時金」です。会社によっては、企業年金と退職一時金の制度を併用していることもありますので、ほとんどの会社では何らかの一時金が受けられることと思います。(ちなみに、企業年金のみの会社でも、本人が希望すれば一時金で受けられることがほとんどです)
- 一般に、退職金と呼ぶ場合、定年もしくは中途の「退職時」に「現金」で「一括」でお金を受けられる社内制度のことを意味します。会社内の退職金規程で定められていることがほとんどで、規程がきちんとある限り、会社の景気の状況に関わらず、必ず支払わなければならない約束になります。(景気が悪かったので払えない、は基本的に認められません)
- 退職金の水準は会社によってそれぞれです。1000万円程度とする統計もあれば、2000万円を超えるとする統計もあります。一般に企業規模が大きい会社ほど退職金額も多い傾向はありますが、こればかりは会社ごとの過去の労使交渉の経緯や経営者の考えによって千差万別、としかいいようがありません。
- 「自分の会社の退職金は?」と思ったら、社内の規程をチェックするか、人事労務の担当者に聞いてみるといいでしょう。自分の会社の制度の確認方法は前回のコラムでも紹介していますので参考にしてください。
- また、退職金額の一部が企業年金化されていることもあります。退職金の規程と企業年金の規程(規約)がそれぞれ受取額を定めている場合と、退職金の規程があって受取額を定め、その何割かは企業年金から支払う、としている場合とがあります。これについても、自分の会社の退職金制度を確認してみてください。
■退職金のもらい方、注意するところ
- 退職金を受け取るとき、いくつか注意しておくことがあります。
- 退職金額は誰でも一律にもらえるわけではありません。勤続年数、最終給与や退職金の累積ポイント、退職事由(自己都合か会社都合か定年退職か)によって金額が変わってきます。できれば自分の条件に近い計算をして受け取り見込額を把握してください。定年直前者であれば会社に照会すれば回答してもらえるのが一般的です。また、一般的なモデル退職金というものを設定していることが多いので、目安として把握するのも有効です。
- 受け取りの際、最初に気をつけておくのは税金です。退職金を一時金として受け取る場合、大きな税制優遇措置が設けられています。これは長年にわたって働いた対価として受け取る退職金が老後のための大切な財産であることを考慮し、通常の課税より優遇されることになっているからです。
- 通常、1000万円を一時所得として得ると、およそ52万円程度の税金が引かれ手取りが減ってしまいます。しかし、勤続38年(大卒60歳定年のイメージ)の方が1000万円の退職金を受け取ると、1000万円がそのまま受けられます。具体的には、(勤続年数×40万円)+(20年以上の勤続年数×30万円)が非課税枠で、かつ超えた分についても税金を引かれる対象は半額ですむ、といった仕組みになっています。ほとんどの人は退職金について課税を気にしなくてもいいようになっています(執筆時点。今後の税制改正によっては、控除枠が縮小される可能性があります)。
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- しかし、一時金を受け取る場合に気をつけることとしては「使い切らないような注意」が必要です。あまりにも大きなまとまった金額を手にして、自由に使えるようになるわけですが要注意です。退職直後はやりたいこともいろいろありますし、出費がかさむのが常ですので、気がつけばどんどん取り崩してしまうことがあるのです。せっかく税金がかからなかったというのに、長い老後の貴重な財産を、数年で使い切ってしまってはいけません。
- 資産管理の方法には、本サイトのコラムで今後紹介いたしますので、参考にしてください。
■会社が退職金の共済に加入していることも〜中小企業退職金共済
- ところで、会社の退職金なのに、外部に請求をしなければならないことがあります。中小企業退職金共済という共済制度に会社が加入して退職金の積立をしていた場合です。300万人以上が加入しており、会社員の12人に1人くらいは中小企業退職金共済で退職金を準備しているとされています。
- これは、社員の退職金準備のために会社が共済に加入して掛金を積み立てておくと、共済のほうで管理・運用をしてくれる仕組みです。会社から分別管理されていますので、会社がもしものことがあっても退職金は外部積立されていることになり安心な仕組みです。
- 共済に会社が加入していた場合、基本的には退職時に本人が共済に請求をすることになります(会社が代わりに書類を作ってくれることもあります)。
- 共済の加入の有無については、現役社員の間は分からないことがほとんどです。退職時に会社から説明を受けることになると思います。もし、説明があった場合は忘れずに請求しておきましょう。原則として本人が手続きをしなければ退職金はもらえないからです。
- また、退職金規程において「退職金額がいくらで、共済からまず退職金を受け取り、差分を会社が一時金で支払う」のような定め方をしている場合があります(単純に、共済からいくら、会社からいくら、と定めることもある)。この場合、会社から一時金をもらって、共済からも退職金がもらえることになります。こうした会社も多いので、退職金の規程をしっかりチェックしてみるといいでしょう。
- なお、各地の商工会議所がやっている特定退職金共済等を会社が採用していることもあります。基本的には中小企業退職金共済とほぼ同様の仕組みとなっています。
- 執筆:フィナンシャル・ウィズダム代表 ファイナンシャル・プランナー/山崎俊輔
掲載日:2010年月07月26日
更新日:2014年月04月17日