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退職・年金ナビ [ 退職金・企業年金の基礎知識 ]
【第9回】
退職金・企業年金の権利はどう守られる?もしものときは?
- 退職一時金の権利は実はもらうまで不確か(外部積み立てがない)
- 企業年金制度は外部積み立てが行われており保全されている
- 企業年金の多くは積立不足があり、減額や解散の可能性はある
- とはいえ、何でも好き勝手に減らされたり解散できるわけではない
- 確定拠出年金(401k)については減額されることはない
- 最後に確認しておきたいのは、退職金や企業年金の権利についてです。近年、現役もOBも、給付を減額されたり、制度が廃止されるような問題が起きています。
- 自分の退職金や企業年金にどのような影響が起こりうるか、制度の仕組みと権利保護の体制について見てみましょう。
■退職一時金の権利は実は不確か
- 退職金(一時金)でもらう会社の場合、退職した時点で全額を一括で支払ってもらえます。つまり、セカンドライフをスタートさせた以降については、未払いの問題等は生じません。
- 退職金(一時金)について問題となるのは、「退職したときに、きちんと受けられるか」「会社が倒産したときなどに権利が守られるのか」という点です。
- 法律上も退職金のための資金準備が求められていますし、倒産した場合には退職金の支払いは労働債権として優先される仕組みとなっています。しかし、実態として退職金を十分に支払うお金が準備されていないことも多く、しっかり守られているわけではありません。
- また、会社の業績が悪く、経営再建を目指している状態においては、退職金額が減らされたり、制度がなくなることもあります(会社の存続と、給与の支払い・雇用の維持を優先するため)。
- 退職金額は、退職時にすみやかに一括で現金払いされなければなりません。長いセカンドライフの資金ですから、会社にはしっかり確保してもらいたいものです。
■企業年金の最大のメリットは外部保全体制
- 企業年金についてはどうでしょうか。減額や廃止に関するニュースが増えていますので、一見すると不確かな制度のように思えるかもしれません。しかし、退職金と比べて企業年金の権利保全は充実している制度となっています。
- というのも、企業年金については毎月積み立てている掛金があり、これは全額会社から分別管理して外部保全されているからです。会社がある日倒産したら、企業年金は一円ももらえなかった、ということが物理的に起こらない仕組みになっています。
- 一度企業年金制度へ積み立てたお金は会社の資金繰りなどには使えず、企業年金の給付にのみ支払いが認められているからです。
■ただし、企業年金にも解散・減額があり得る
- しかし、積み立てと資産運用が予定通りにいかなかったため、企業年金の存続が困難になるケースは出ています(主要な要因は、景気の悪化に伴う株価の低迷です)。そこで、制度を終了したり、給付を減額するケースがあります。
- まだ退職をしていない人については、労働組合と会社が話し合った上で、減額や制度廃止のルールを検討することになります。減額になった場合は新しい給付ルールにもとづき支払いが行われ、廃止になった場合は残余財産が現役とOBに分配されます。
- すでに年金生活に入っていた人について、制度が廃止になれば定期的な収入が途絶えることになります。しかし、企業年金がいきなりゼロ円になることはありません。仮に制度が解散になった場合も、すでに積み立てられている資産は分配されることになります。財政状況にもよりますが、積立不足が5割を超えることはほとんどありません。
- また、OBについて給付を減額する場合には、OBの3分の2の同意を得なければならないため、必ず事前に説明が行われます。このとき、減額を受け入れない場合は、旧制度の基準にのっとり一時金で精算受け取りすることも可能です。(ただし制度の解散に至った場合は、OBの同意がなくても解散が成立し、財産の分配に進みます)
- もし、会社が給付を減額する、あるいは廃止する、といった事態になったら、会社の説明をよく確認して、対応をしてください。
日本版401k(確定拠出年金)は保全
- 最後になりますが、確定拠出年金については、こうした減額や制度廃止のリスクから一番安全な制度になっています。
- まず、今まで積み上がってきた資産については現役社員でもOBであっても、一円たりとも会社が減額することはできません(勤続3年未満で辞めた社員を除く)。仮に制度が廃止されても、今までの資産は個人型の401kに全額引き継いで(401kのポータビリティという)運用や給付を継続することができます。
- 資産についても、会社とは別に信託銀行等が資産を分別管理する体制にあるため、勝手に会社が取り崩して流用されてしまうようなこともありません。
- 日本版401kの場合、資産運用の自己責任を負わされている分、事後的な減額や制度の廃止で不利益を得ないような配慮がされているというわけです。
- 企業年金の受給権は簡単に変更されてはならない権利です。制度の減額や廃止はないほうがよいわけですが、企業の存続を優先せざるを得ない場合に、企業年金や退職金の見直しは避けられないところです。年金生活者としては、是々非々の立場で、会社の説明を受けて判断をしてみてください。
退職金・企業年金の権利がどう守られているか
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