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目次 [
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退職・年金ナビ [ 退職金・企業年金の基礎知識 ]
【第3回】
年金としてもらえる〜確定給付企業年金、厚生年金基金
- 会社員の3人に1人は、退職金を年金払いで受けられる可能性あり
- 確定給付企業年金は、会社独自の企業年金を受けられる制度
- 厚生年金基金は国の厚生年金の一部と会社の企業年金を受ける制度
- 終身年金、有期年金、終身と有期の併用など受取方法は会社次第
- 希望すれば、一時金受取もできるので生活設計に合わせて選ぶ
■思ったより多くの人が企業年金を受けられるチャンスあり!
- 自分が働いている会社に企業年金があるか、把握している人は少ないと思います。退職したとき初めて知った、という人もいるようです。しかし、会社員の約3人に1人は企業年金を受けられる可能性があります。
- 企業年金としてあげられる制度は「確定給付企業年金」「厚生年金基金」があります。(※確定拠出年金も企業年金制度のひとつですが、自分で運用をしなければならない制度ですので分けて説明をします。また、厚生年金基金制度については、2014年4月から法律改正が行われ、解散や制度の見直しが進む予定です。詳しくは別のコラムでご紹介します。)
- なお、社内の説明資料では「退職年金」「企業年金」とだけ書かれている場合も、企業年金であることがほとんどです。詳しくは社内資料を確認してください。
■確定給付企業年金は、会社独自の企業年金制度
- 確定給付企業年金という制度は、約800万人に利用されている日本でもっとも普及している企業年金制度です(2013年3月末現在)。これは企業が独自に設定する企業年金であり、確定給付企業年金法にもとづいて運営が行われます。
- 確定給付企業年金を採用すると、従業員の企業年金の準備を行うための毎月の掛金は会社の経費として認められるほか、資産運用収入については非課税であるなど、企業が効果的に企業年金準備ができる税制となっています。
- 社員側にとっても、メリットがあります。将来受け取る企業年金の原資は、会社とは別に外部積立される体制が確立するのです。企業年金として積み立てたお金は将来の年金ないし一時金の支払いのためにしか使えない資産として厳密に区分されるようになります。仮に会社が倒産したとしても、企業年金に積み立てられた資産はきちんと分配されることになります。
- 年金額は様々です。企業ごとの設定により、毎月数万円程度から5〜7万円程度まで様々です(月額で10万円を超えることもあります)。
- 年金受取年数についても、企業ごとに設定されます。終身年金として長生きする限り何十年でももらえる会社があれば、10年ないし15年といった一定年数の支給を行う有期年金の場合もあります(終身と有期を組み合わせる場合も)。
- 制度がスタートした当初は大企業中心に利用されていましたが、現在では中小企業、大企業問わずに広く普及しています。「企業年金は大企業のもの」と思い込んでいる人が多いのですが、実は自分の会社でも企業年金が受けられるかもしれません。
■厚生年金基金は、国の厚生年金と独自の企業年金の組み合わせ
- 厚生年金基金という企業年金制度もあります。これは、国の厚生年金の一部と企業独自の企業年金を合体させて制度運営しているものです。名前に「厚生年金」が含まれているので、一見すると国の年金制度のようですが、実質的には企業年金といえます。
- 国の厚生年金の一部(代行部分あるいは基本部分という)については、若干のプラスアルファがあるものの、基本的には国の厚生年金と同水準を受けるしくみです(その分、国から直接受けられる厚生年金が少なくなります)。この部分についてはあまり気にしなくてもいいでしょう。
- 加算部分とか加算年金と言われる部分が、独自の企業年金に当たります。年金額としては確定給付企業年金に比べて薄めです。平均的には月額1万円程度のところが多いようです(加算部分がない基金もあります)。
- 厚生年金基金は426万人が利用している制度です(2013年3月末)。現在では中小企業を中心に、業界団体が制度運営を行う、総合型の厚生年金基金が主流となっています。
厚生年金基金については、2014年4月から新設が認められなくなり、制度の変更や見直しが求められます。詳しくは別のコラムで解説します。
■年金のパターンはたくさんある〜自分の条件を直接確認
- 一口に企業年金といっても受け取り方は様々です。5年、10年、15年といった一定の支給期間が決められているものを有期年金といい、生きている限り何十年でも受けられるものを終身年金といいます。
- 企業年金では有期年金が一般的ですが、終身年金を設定している会社もたくさんあります(特に歴史がある企業年金ほど終身年金が多い)。
- また、終身年金と有期年金が組み合わさっている場合もあります。たとえば、月額○万円は終身で受け取れ、さらに月額○万円を60歳から75歳まで上積みする、といった具合です。
- 受取条件や受取金額は、各社それぞれですから、自分の会社の条件を直接確認することが大切です。定年前に説明会などが行われることが一般的ですので、そうした機会には積極的に参加しておくといいでしょう。あるいは福利厚生制度を説明したガイドブックなどがあればそうしたところで条件を確認できます。
- いずれにせよ、「自分の年金制度の内容は自分で確認する」ことが大切です。
■年金より一時金がいい場合は一時金でももらえる
- ところで、ほとんどの企業年金制度には一時金受取のオプションが用意されています。これは「年金受け取りもいいが、一時金で受け取って住宅ローンを完済してしまいたい」等の老後のマネープランに応じた柔軟性を認める仕組みです。
- 一般的には、全額一時金、半分一時金で半分は年金として残す、といった選択肢を設けています(25%刻みで年金と一時金の割合を選べることが多い)。「一部分は一時金にしたいけど、基本的には年金がいいな」というような場合に役立ちます。
- 退職一時金は企業年金に変化できませんが、企業年金は退職一時金になり得るわけです。退職時の説明会等でよく確認しておくといいでしょう。
- 執筆:フィナンシャル・ウィズダム代表 ファイナンシャル・プランナー/山崎俊輔
掲載日:2010年月11月02日
更新日:2014年月04月18日