資産運用
40代から家を買うべきか賃貸にするか?(1) 〜コストの比較〜【第6回】 - 退職・年金ナビ
投稿日:2022/03/27
最終更新日:2022/08/25
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目次 [
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退職・年金ナビ [ 40代からはじめるセカンドライフプラン ]
【第6回】
40代から家を買う?ずっと借りる?(1) 〜コストの比較〜
住宅を購入するか、それともずっと賃貸住宅に住み続けるか。ライフスタイル面では、志向が分かれるところですが、コスト的にどちらがトクかを比較するのは難しいものです。それでも、一度は試してみたいと思う人へ、未来家計簿を活用したシミュレーション方法をご紹介します
総務省の家計調査によると、40代の持ち家率は約7割(図表1)。持ち家神話は崩れたと言われるものの、未だ高い水準を維持しています。
図表1 年代別の持ち家率
(総務省「家計調査年報(平成20年)」をもとに(株)プラチナ・コンシェルジュにて作成)
(総務省「家計調査年報(平成20年)」をもとに(株)プラチナ・コンシェルジュにて作成)
総コストを比較してみる
購入?それとも賃貸?一生涯で支払う総コストはどちらが少ないか?結論から言うと、「必ずどちら」とは言えません。少し前提条件を少し変えるだけで、結果が簡単に逆転するからです。(図表2)は3400万円のマンションを購入し、2800万円のローン組んだ場合と、家賃10万円の賃貸住宅に一生住む場合の累積コストの比較です(詳細の条件は図表内)。この試算では、初期費用が大きい「購入」を「賃貸」が逆転するのは49年後、40歳で購入しても90歳近くです。賃貸の賃料をもっと高く設定すれば、逆転年齢は若くなりますし、購入のケースのローン金利を上げたり、返済期間を長くすれば、50年経っても賃貸の方がトクという結果になります。
図表2 住宅購入と賃貸のコスト比較
未来家計簿を使ったシミュレーション
このような比較シミュレーションを行うのにも、未来家計簿が役立ちます。希望の地域や広さに応じた物件価格や賃料など自分自身の前提条件を決めて、(表1)を参考にしながら金額を未来家計簿に入れてみましょう。購入バージョンと賃貸バージョンを2つ作成し、貯蓄残高の欄を比較してください。住宅コストだけを比較するならば、(図表3)(図表4)のように収入やその他の支出は入れずに、住宅関連の費用だけを入れてもいいでしょう。(表1) 住宅購入と賃貸のコストを比較する場合の参考データ
住宅購入を想定した場合 | ||
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初期 | 頭金 | いくら用意できるか |
返済中 | ローン返済総額 | 金利、返済期間などから返済総額を試算する。試算のため、金利は仮に長期固定タイプを使用しておく |
初期 | 購入時諸費用 | 購入物件の5%程度を見込む ※マンション、戸建、その他細かい条件で試算したい場合はこちら 「住宅金融支援機構の資金計画シミュレーション」 |
引越代 | 20〜30万円(1回分) | |
ランニング | 管理費・修繕積立費 | マンションの場合 約1.5〜3万円/月×12カ月分 ※分譲価格の約0.6%/年(東京カンテイ2005年首都圏調べ) |
翌年からの住宅関連の税金 | 約10〜30万円/年 固定資産税評価額×(固定資産税率1.4%+都市計画税0.3%)/年 ※200? 以下の土地は固定資産税は1/6、都市計画税は1/3。 ※一定期間、条件を満たすと減額される。地域によって都市計画税はかからない |
|
不定期 | リフォーム代 | リフォーム時期と金額の目安は住宅金融支援機構のサイトを参照 リフォーム時期の目安リフォーム工事費用の目安 |
10年間 | ローン控除 | 一般住宅の場合、支払った税金のうち、年末のローン残高の1%が10年間戻ってくる(収入側で見込む) |
賃貸を想定をした場合 | ||
ランニング | 家賃 | 家賃/月×12カ月分 地域や物件によって家賃は異なる |
隔年 | 更新料 | 家賃/2年に1回 地域や物件によって異なるが、2年に1度1ヶ月分の家賃を見込む |
不定期 | 引越代 | 20〜30万円/回 |
敷金・礼金 | 家賃×4カ月分 (4は敷金2・礼金2・仲介料1のうち、敷金の1は戻ると仮定して)地域や物件によって異なる |
- この結果から、「どちらが多い・少ない」という以外にも発見があります。たとえば、上記例の3400万円のマンションをローンで購入しても、家賃10万円の賃貸に一生住んだとしても、40年間では5000〜6000万円のコストかかるということ。特に賃貸は、リタイア後にも家賃負担が続くので、退職時にどのくらいの貯蓄が必要なのかなど具体的な金額が見えてきます。
次回は、コスト以外に考慮したい点や、自宅の活用法についてご紹介します。
- 執筆:ファイナンシャル・プランナー/田辺 南香
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