【第6回】年金の請求手続き

投稿日:2022/05/09 最終更新日:2022/07/29
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 年金は受け取る資格ができた時に自動的に振り込まれるものではなく、自分で「裁定請求」の手続きをする必要があります。年金の受給権が発生しているにもかかわらず、請求をしなかった場合、受給権は5年で消滅しますので、気をつけましょう。

裁定請求とは

 
 年金を受ける権利は、受給要件を満たした時に事実上発生しますが、要件が全て満たしていることの確認を受ける必要があります。この受給権の存在を確認することを「裁定」といいます。特別支給の老齢厚生年金の受給権が発生する人は、誕生日の約3カ月前に「年金請求書」および「年金を請求される皆様へ」が日本年金機構から本人宛に送付されます。この裁定の請求を受け、日本年金機構は要件が整っているかを確認。了承されれば、年金を受ける権利があることを証する「年金証書」と「確認(裁定)通知書」が、請求者に送られます。なお、本来年金の請求は「裁定請求書」で行うのですが、特別支給の老齢厚生年金の場合は、事前に送られてくるので「年金請求書」と言います。どちらも内容は同じです。※1

※1 裁定請求の一般的な流れ
手続き前の準備
・職歴の確認  ・複数の年金手帳の一本化  ・年金手帳の再交付等

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裁定請求書提出
金融機関で年金を受け取ることを希望する場合は、証明欄に確認印を受ける

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裁定請求書の審査
・受給要件の審査  ・年金額の計算等

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1〜2カ月後
年金証書・年金裁定通知書が送られてくる

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2〜3カ月後
・年金支払い  ・振込通知書が送られてくる
 

年金請求書

 
 「年金請求書」には、基礎年金番号・氏名・生年月日・性別・住所および年金加入記録等があらかじめ印字されていますので、印字内容に間違いがないか確認します。書き間違えたり、紛失した場合には、年金事務所に備え付けてある用紙や日本年金機構のホームページから印刷した届出用紙を使うことができます。
 

年金請求書の提出先は加入していた年金制度で決まる

 
手続きは、最後に勤務していた事業所を管轄する年金事務所で行います。また、最後に加入していた年金が国民年金・共済組合の場合は、住所地を管轄する年金事務所になります※2。
 ただし、最後に勤務していた事業所が遠隔地の場合は、最寄りの年金事務所でも受け付けてくれますので、電話で確認をするといいでしょう。
 年金請求書は郵送でも提出できます。しかし、必要となる添付書類が揃っていなかったり、記入の間違いがある場合は再提出が求められますので、多少面倒であっても、いろいろ相談できる年金事務所の窓口で直接提出をすることをお勧めします。
 
※2 年金の請求手続き先
受け取る年金 要件 手続き先
厚生年金 最後に加入したのが厚生年金 勤務先を管轄する年金事務所
最後に加入したのが国民年金または共済組合 住所地を管轄する年金事務所

年金証書

 
「年金請求書」を提出してから1〜2カ月で、「年金証書」と「年金裁定通知書」が届き、さらに1〜2カ月後から指定の預金口座に年金が振り込まれます。初回は奇数月の振り込みもありますが、2回目以降は、前2カ月分の年金が偶数月の15日(土日の場合はその翌日)に支払われます。「年金証書」は年金を受給する人の身分証明書ともいえる書類です。紛失や破損しないように大切に保管しましょう。これから受け取る年金額やいつから支給されるかなども記載されていますので、退職後の生活設計に役立てることができます。
 

現況届は廃止

 
 毎年受給権者の生死を確認するための「現況届」は、平成18年10月に廃止されました。代わりに住民基本台帳ネットワークシステムを活用した「現況確認」が行なわれることになりましたが、この現況確認が行えない人は、「現況届」の提出が毎年必要となります。
 

特別支給の老齢厚生年金の受給権者が65歳に達した時

 
 60歳代前半の人に支給される特別支給の老齢厚生年金は、受給権者が65歳に達した時に受給権が消滅しますが、「諸変更裁定」と呼ばれる手続きを行なうことによって、老齢基礎年金、老齢厚生年金の受給権が発生することになっています。この場合、はがき形式の「年金請求書」が65歳到達月の前月末に送付されますので、必要事項を記載して、65歳到達月の末日までに日本年金機構に提出します。この請求書は簡単なので郵送で済ますことができます。つまり、最初の手続きが非常に重要なので、きちんと記録を確認し、間違いがないか慎重にチェックしましょう。
執筆:社会保険労務士/ファイナンシャル・プランナー  菅田 芳恵
 

 

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