資産運用
設備投資循環と株価-1-「投資が投資を呼ぶ効果」 - 投資の極意〜中東の元ファンドマネージャーが伝授〜(第11回) - 株式
投稿日:2018/06/27
最終更新日:2022/08/05
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株式[投資の極意]
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株式[投資の極意]
株式 [ 投資の極意 ]
- 設備投資循環と株価の関係について説明したいと思います。設備投資とは工作機械など機械類の購入や建屋の建設など生産設備の拡充のための投資です。この設備投資循環は「ジュグラーサイクル」と呼ばれています。中期の景気サイクルでそのサイクルの長さは約70カ月前後と比較的長いのが特徴です。
- 設備投資循環がどのようなサイクルを描いているのか見てみましょう。名目国内総生産(GDP)に占める名目民間設備投資のウエイトの推移を見ると次のようになります。
- このグラフを見ると名目設備投資比率は大体GDPの14%前後で底を打ち、20%前後で天井を打っていること、大底や大天井を形成するまでに小さな山や小さな谷を形成することが分かります。設備投資には「投資が投資を呼ぶ」という効果があります。景気が好転し、その状態が長く続くと、企業はもっと作れば利益も拡大すると考え、生産設備の拡張を始めます。設備投資を行うとその投資が新たな投資や需要を引き起こします。例えば、生産設備である機械を購入した場合を考えてみましょう。機械を売った企業は新たな機械を作って補充しますし、このような状態が続くと生産余力がなくなり生産設備を拡充します。次にその部品を作っている企業に需要の一部が波及し、そこでも生産設備の拡充が行われます。このように製品から部品、原材料へと次々に波及します。これが「投資が投資を呼ぶ」波及効果なのです。
- 在庫循環は在庫の補填が終わってしまえば終了してしまいます。ですから景気の浮揚力は弱いのです。ところが設備投資が出てくると投資が投資を呼びますから、景気は強い拡大が期待できるのです。設備投資を伴う景気は、なかなか腰折れのしない景気拡大で長期化するといえます。
- ただ、設備が稼働し始めると生産が増えますから、この時期に金融の引き締めがあるかどうかが大きなポイントとなります。設備投資が出て、景気が巡航速度で拡大しているうちは良いのですが、そのうち景気が過熱して物価が上昇し始めると物価の安定のために金融を引き締めます。そのため需要が落ち込みます。拡張した設備が稼働するまでにかなりの時間がかかりますが、需要が減退したころに新たな設備が稼働すると供給が増える一方で需要が落ち込みますから、販売価格が値崩れし、企業の収益は悪化します。
- 掲載日:2007年8月8日
- 永野 満(ながの・みつる)
- 1948年、鎌倉市生まれ。一橋大経済学部卒。大和証券に入社し、アナリストを務めた後、ファンドマネージャーとしてアブダビ投資庁でオイルダラーを11年間運用する。現在は、経営、投資分析、年金などのコンサルティングを手掛けるサクセスナビ代表。
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