【第19回】老後の年金を1円でも増やす公的年金制度の活用法(前編) - 退職・年金ナビ

投稿日:2013/06/27 最終更新日:2022/08/01
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退職・年金ナビ [ 備えよ!老後のお金 20〜30代の公的年金入門 ]

【第19回】

老後の年金を1円でも増やす公的年金制度の活用法(前編)

少しでも年金を増やす方法(会社員編)

今回は、少しでも将来の年金を増やす方法を考えてみます。老後の安定的な収入源として公的年金額を増やす方法について知っておくことは重要です。前編では会社員について、後編では自営業者についてそれぞれ考えてみます。
まず、会社員については厚生年金と国民年金の2制度から年金を受けられることになり、老後の基礎的な生活費をなんとかまかなうくらいの収入を得ることができます。しかし年金受取額には大きな違いがあり、月額10万円程度から、25万円を超えるようなケースまで幅広いのが実態です。
会社員の働き方が年金額を増やす方へ影響する要素を整理してみます。
●アプローチ1「長く働く」
国民年金については40年、つまり20歳から60歳までの期間、加入が義務づけられており、また40年間の加入で国民年金額(老齢基礎年金額)が満額となる仕組みですが、厚生年金については60歳代以降も加入し続けると年金額も増えることになります。
つまり、正社員として長く働き、長く保険料を納めることで年金額は増えていきます。65歳まで正社員(少なくとも厚生年金の適用がある職場環境で)として働くことができると確実に年金額はアップします。仮に平均賃金が変わらないとすれば38年(22歳から60歳)まで加入するのと、43年(22歳から65歳)まで加入するのとでは、年金額が13%も違ってきます。
60歳以降であっても働き続けることは、それそのものが収入として老後を支えるだけでなく、その後の自分の年金を増やす価値もあるのです。
●アプローチ2「保険料を多く納める」
国民年金は定額の保険料が定額の年金額と関連している仕組みですが、厚生年金は報酬比例で保険料を納めます。このとき、稼いでも高い保険料を引かれるなんて、と思うかもしれませんが、高い厚生年金保険料は、将来の高い厚生年金額と関連しています。
平均標準報酬額(加入していた期間の保険料の算定基礎となる給与や賞与の平均額)が20万円の場合と40万円の場合では年金額も2倍の差がつきます(他の条件は同一として)。モデルの年金額も平均的な給与水準で働いた人を想定しているものであって、それより高い人も少ない人もいます。
つまり、仕事をしっかりして高い給与をもらうことは目の前の生活だけでなく老後の年金アップにもつながっていることを忘れないことが重要です。
●アプローチ3「繰り下げ支給をする」
前述の「長く働く」「多く納める」のアプローチには条件がありますが、3つめのアプローチは「65歳からもらわずもっと遅くもらう」だけで年金額を増やすというものです。
繰り下げ受給という仕組みがあり、65歳よりも1月受給開始時期を遅らせただけで、年金額が0.7%増えます。最大で70歳まで引き延ばすとなんと42%も年金額がアップできます。これは国民年金(基礎年金)、厚生年金それぞれに適用されますので自営業者も選択可能です。
もちろん、受給スタートまで無年金の期間ができますが、平均余命を考えるとほぼ中立的になっており、長生きするほどトクをします(特に女性の場合有利になる可能性が高い)。65歳以降も働ける場合などは検討してみるといいでしょう。
 詳しくは →日本年金機構 http://www.nenkin.go.jp/n/www/service/detail.jsp?id=3234
今回は会社員の年金額アップのための選択肢を紹介しました。次回は自営業者の年金額アップの方法を考えてみます。
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執筆:フィナンシャル・ウィズダム代表 ファイナンシャル・プランナー/山崎俊輔
掲載日:2012年月11月22日



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