資産運用
46歳〜55歳、56歳〜65歳のアセット・アロケーション戦略 - 退職・年金ナビ
投稿日:2013/06/27
最終更新日:2022/08/01
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【第23回】
46歳〜55歳、56歳〜65歳のアセット・アロケーション戦略
46歳〜55歳のアセット・アロケーション戦略
グローバル・リンク・アソシエイツ 代表 米田 隆
- 今回は、46歳から65歳の引退までのアセット・アロケーションを10年ずつに分け見ていきましょう。(第21回の表参照)先ず46歳から55歳までの世代の支出を見ると、子供の教育に引き続きお金のかかるグループと、50歳を過ぎた一部の人達の中には早めに子育てを完了し生活余裕が出てくるグループに分かれてきます。日本に比べ子育て完了時期が早いと言われる欧米では、子供への教育投資に回していたお金を自分達の老後資金にシフトする最後のタイミングを一般に50歳と定義しているようです。年金の急速な目減りと超高齢化というこれまでの世代にない構造問題を抱える日本人にとってもこの時期から老後を意識した貯蓄形成に励まなければ、将来への不安が高まってしまいます。
- 46歳から55歳までのアセット・アロケーションは、株式比率は50%まで落とし、その内訳も新興国株比率を25%に落としています。債券は全体の50%を占め、為替リスクを取る債券への投資も新興国債券の2.5%のみとしています。この結果、株も含めた外貨リスク比率は35歳までのアセット・アロケーションの90%から47.5%とほぼ半分に減少しています。このアセット・アロケーションの期待収益率は8.31%となり、月次での元本割れ出現率は、1年で26.5%、3年では依然21.8%ですが、5年になると12.7%と格段と低下、7年で8.5%、10年では2.5%とほぼゼロとなります。35歳までの積極的アセット・アロケーションでは、元本割れリスクを回避するのに13年かかったのに比べ、債券リスクを50%まで高めたことで安定性は、かなり高まったと言えるでしょう。
56歳〜65歳のアセット・アロケーション戦略
- 次に、56歳から65歳までの10年間のアセット・アロケーションの内容を見てみましょう。退職直前のこの10年間の運用では、大きく増やすよりむしろ、元本割れリスクを極力回避し、手堅く運用することが目標となります。この為、世代別アット・アロケーションも株式比率は25%に、外貨資産配分も22.5%まで各々一層引き下げた保守的運用提案となっています。市場の下落リスクを回避するため株式への投資配分を債券で大幅に置き換えたことで期待収益率も35歳までのセット・アロケーションの10.88%から6.92%と約4%落ちています。それに伴い元本割れを回避するために要する年数も7年で3.4%とほぼゼロに近づき、35歳までのアセット・アロケーションの半分の期間で元本割れリスクをほぼゼロにすることが出来る、相場の下落リスクに極めて強いアセット・アロケーションとなっています。
- 執筆:株式会社グローバル・リンク・アソシエイツ 代表/米田 隆
掲載日:2012年月2月16日
米田 隆(よねだ たかし)氏
株式会社グローバル・リンク・アソシエイツ代表取締役
1981年早稲田大学法学部卒業、日本興業銀行入行。 85年米フレッチャー法律外交大学院修士(国際金融法務専攻)。85〜91年、日本興業銀行企業審査部、PB推進部に勤務。91年(株)グローバル・リンク・アソシエイツを設立、代表取締役に就任。96年(株)グローバル・ベンチャー・キャピタルを共同設立、取締役就任。99年エル・ピー・エル 日本証券(株)代表取締役社長、2008年12月より同社取締役会長。2010年6月同社退任後、グローバル・リンク・アソシエイツ代表に復帰。