医療保険を学ぶ

付加給付(付加給付制度)とは?仕組みや金額、注意点を医療保険の加入前に確認しよう

最終更新:2022/04/08 11:37

健康保険組合で一か月間の医療費の自己負担限度額を決めておき、限度額を超えた費用は払い戻す制度を付加給付制度といいます。付加給付の仕組みや計算方法、支給方法について解説していきます。

そもそも、医療費の仕組みはどうなっている?

付加給付について解説する前に、そもそも病気や怪我で医療機関にかかった際に医療費がどのような仕組みで決まるのかを改めて理解しておきましょう。

医療費の支払いの仕組み
医療費の支払いの仕組み

医療機関に見てもらった際には、医師が診療した項目について診療詳細明細書(レセプト)を記します。
それをベースに受けた治療や項目について国の健康保険に加入している方は自己負担分として3割を支払い、残りの7割は加入している健康保険組合が負担します。
診療詳細明細書が医療機関から支払基金に請求がなされて、健康保険組合が支払う流れになっています。

高額療養費で自己負担額はさらに下げられる可能性がある

仮に診療した項目が増えた場合には……?健康保険組合では高額療養費制度が設定されています。
現役世代の医療費自己負担割合は3割と決まっていますが、収入を超える金額以上に自己負担額が増えると生活が困窮していまいます。

そこで、高額療養費制度によって、月収28~50万円程度の方の自己負担額は月額8万円程度になっています。
一旦、自己負担分は医療機関の窓口で支払いをしなければいけないのですが、限度額を超えた分は健康保険組合から後日、被保険者に支払いがなされます。

高額療養費制度の仕組み
高額療養費制度の仕組み

高額療養費制度の対象は医療費なので、入院中の食事代や日用品の購入費などは対象外となっています。
高額医療費は同一世帯で3か月以上高額医療費に該当した場合は4か月目からさらに引き下げされます。
また、高額医療費の算定は1人ごとで外来や入院別などそれぞれ病院ごとで行われます

付加給付(付加給付制度)とは?

付加給付制度は健康保険組合で一か月間の医療費の自己負担限度額を決めておき、限度額を超えた費用は払い戻す制度です。
大手の企業が加入している健康保険組合に限られた制度で、協会けんぽと呼ばれる全国健康保険協会や自営業の方が加入している国民健康保険にはありませんので注意が必要です。

付加給付(付加給付制度)の仕組み
付加給付(付加給付制度)の仕組み

医療費の7割は法定給付があるなかで、3割の自己負担額がありますが、高額医療費制度による払戻し以外に、付加給付による払戻しをしてくれるイメージです。
健康保険組合によっては付加給付という名称でないこともあるので、自身が加入している会社の健康保険組合の内容をしっかりと確認しましょう。

申請方法

付加給付金は、医療機関からの診療報酬請求書(レセプト)を元に健康保険組合が計算し、自動的に支払われるので申請は不要です。

受給方法

付加給付はどのように受け取るのでしょうか。実際の給付額は診療詳細明細書(レセプト)を元に決まり、医療機関を受診したおよそ3ヶ月後に給与に反映して支給されます。個人の銀行口座に振り込まれる場合もありますし、受診月の約3か月後の25日に登録されている銀行口座に振り込まれるケースもあります。この点は健康保険組合によっても変わるので確認をしましょう。

付加給付金の計算方法

付加給付がある場合、どの程度自己負担額は安くなるのでしょうか?

付加給付金の計算方法
付加給付金の計算方法

付加給付金の計算方法について、高額療養費制度が適用されるケースなどを細かく見ていきましょう。

高額療養費制度が適用される場合の自己負担額

例えば、一か月間の医療費が30万円かかった場合でご本人の月収が28万~50万円以内の場合。

高額療養費制度が適用される場合の自己負担額
高額療養費制度が適用される場合の自己負担額

高額医療費の字負担額は8万7430円なので高額医療費制度で21万2570円分はまかなわれます。

付加給付金がもらえる場合の自己負担額

さらに、付加給付金ももらえる場合には、最終的な自己負担額は2万円程度になります。

付加給付金がもらえる場合の自己負担額
付加給付金がもらえる場合の自己負担額

付加給付の基準額や計算の内容などは、医療機関から健康保険組合に送られる診療詳細明細書(レセプト)に詳しく記載されています。

医療費控除になるの?

医療費を一定の額支払ったときに、確定申告を行うことで所得税及び復興特別所得税が還付される場合があります。前年の1月1日から12月31日まで実際に支払った医療費が10万円(またはがあなた年間所得の5%の少ないほう)を超えるとき、控除の対象になります。上限200万円の課税所得額から控除され、税金が確定精算されます。

控除の対象

健康診断の結果、重大な疾病が発見された場合で、引き続き治療を受けたとき又は特定健康診査を行った医師の指示に基づき一定の特定保健指導を受けたときには、健康診断や特定健康診断の費用は医療費控除の対象となります。以下が一部の例です。

・医師に支払った治療費
・治療のための医薬品の購入費
・通院費用、往診費用
・入院時の食事療養
・生活療養にかかる費用負担

・歯科の保険外費用
・妊娠時から産後までの診察と出産費用
・あんま、指圧、はり、きゅうの施術費
・義手、義足などの購入費
・医師の証明がある6か月以上の寝たきりの人のおむつ代
・医師の指示と証明がある温泉利用型および運動型健康増進施設の利用料
・訪問看護ステーションの利用料
・老人保健施設、療養病床などの利用料
・特別養護老人ホームで受けた介護費・食費・居住費の自己負担分の半額
・ケアプランに基づく居宅介護サービスを医療系サービスと併せて受ける場合の介護費自己負担分

控除の対象外

スイッチOTC医薬品(要指導医薬品及び一般用医薬品のうち、医療用から転用された医薬品)を購入した際に、その購入費用について所得控除を受けることができるセルフメディケーション税制の適応を受けることを選択した場合、医療費控除を受けることはできません。医療費控除の例は以下の通りです。

・人間ドック
・健康診断、特定健康診査 
・容姿を美化するための整形費用
・健康診断の費用
・タクシー代
・自家用車で通院する際のガソリン代や駐車料金
・子供の歯列矯正
・入院時に自己の都合で利用した差額のベッド代

医療保険を選ぶ際の注意点

民間の医療保険に加入する際には、加入中の健康保険組合に付加給付制度があるかを確認しましょう。

付加給付があれば高額医療費制度以外にも給付が受けられるので病気や怪我で医療費がかさんだ場合にも自己負担額は少なくて済みます。
付加給付がある健康保険組合に加入している方には大きなメリットになるので、個人で加入する民間の医療保険の保障を少し薄くしても大丈夫かもしれません。

しかし、付加給付がない健康保険組合に加入している方や、自営業で国民健康保険に加入している方には付加給付はありませんので、医療保険でしっかりと備えをしておくことが求められます。

まとめ

付加給付がある健康保険組合に加入していると、病気や怪我で医療費がかさんだ場合にも高額医療費制度に加えて付加給付を受けることができます。
付加給付がない健康保険組合に加入している方は自身で民間の医療保険に加入することによってリスクを軽減できますので、自身にピッタリな医療保険を見つけましょう。

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