無額面株式

平成13年に商法改正が行われるまで、株式は額面株式と無額面株式の2種類が存在していました。前者は紙媒体の株券に、券面額とよばれる金額が記載されている株式であり、後者はそのような記載が無い株式を指します。 両者に法的な株式としての権利の違いは一切ありませんでしたが、箪笥貯金を好む日本人の多くは額面株式を選択していました。紙幣同様に金額が記載されている方が信頼出来るという思い込みがその理由です。 ですが、額面株式は時価が券面額より下まわっていると著しく換金性が劣るという短所を持っていました。たとえば、株式市場における時価が2万円にまで落ちているにもかかわらず、5万円と記載されている株券を買おうと考える人は誰も居ません。 右肩上がりの株式相場は終わりを告げ、相場が乱高下する時代を迎えるにあたり、額面株式は不都合な点が目立つようになり、その全面的な廃止が決まりました。 現在では、冒頭で述べた商法改正によって、株券は無額面株式だけになり現在に至っています。