不動産投資信託(J−REIT)は、ファンドによって最低購入金額が異なります。10万円以下で買えるものもあれば、100万円を超えてしまうものもあります。したがって、自分の保有資産額などとも照らし合わせて、ファンドを選ぶ必要があります。
「J−REITっていくらから買えるんだろう」
不動さんの心配はごもっとも。株式だって、銘柄によって最低投資金額はバラバラ。当然、J−REITも最低投資金額は異なります。
たとえば、株価が最も高い「日本ビルファンド投資法人」の株価は、10月18日時点で120万8,000円です。同社の投資証券は1単元=1株なので、手数料なしでも120万8,000円が必要になります。
もちろん、すべてのJ−REITの最低投資金額が、そんなに高いわけではありません。たとえば「インヴィンシブル投資法人」の株価は10月18日時点で1万3,450円で、同社の単元株数も1株単位なので、1万3,450円で購入できます。
「じゃあ、あまりお金がないから安い銘柄でいいか」
こらこら不動さん、そんなに安直な選び方でいいんですか?ひとことで「J−REIT」といっても、投資している物件は異なりますし、ファンドのスポンサー企業の信用力の差もあるんです。だから、安ければ良いというものでもないのですよ。
「なるほど。でも、どうせ買うなら良いファンドが欲しいもんね。信用力が高くて、株価も安定していて、かつそこそこの配当利回りが期待できるファンド。それで株価が安ければ何も文句はないのだけれども、そんなに虫の良い話はないわよね〜」
その通りです。不動さんが求めているようなJ−REITを買おうとしたら、やはり最低投資金額で見ても、限りなく100万円に近い2ケタ万円になるでしょう。J−REITは「投資信託」の一種ではあるけれども、直接、J−REITそのものに投資しようとすると、意外とハードルが高いのです。
「え〜っ、じゃあ、お金が貯まるのを待って高い株価の銘柄を買うか、それともリスクを覚悟して安い銘柄を買うしかないの?」
確かに、投資できる資金が少ないと、J−REITへの投資はかなり選択肢が限られてしまいます。もし、「どうしてもこの物件を組み入れた、このJ−REITに投資したい」という強い希望がないのであれば、複数のJ−REITを組み入れて運用しているJ−REIT特化型投資信託を購入するという手もあります。
「なるほど、投資信託なら少額資金から投資できるというわけね」
そうです。投資信託ですから1万円程度から購入できます。かつ、上場されているJ−REITのほとんどに分散投資しますから、自分が欲しいと思った銘柄も含めて少額資金で購入できます。
「でもね〜、やっぱり自分がコレだと思っている物件を組み入れているファンドが欲しいわよね〜。大家としては。」では、次回以降は具体的な選び方を考えてみましょう。
投資信託の仲間である「J−REIT特化型投資信託」の場合、ほぼ全銘柄に分散投資することもあるので、個別のJ−REITに投資した場合に比べ、リターンがやや低下しますし、本来、自分では持ちたくなかった物件にも投資することになります。
もし、それが嫌だという場合は、自分で個別のJ−REITを選ぶしかありません。その際は、信用力などを重視して、長期で保有できるJ−REITを選ぶようにしましょう。
掲載日:2013年10月18日