【第2回】ニックネームを持つETF - ETF
ETF [ コラム ]
【第2回】
ニックネームを持つETF
米国の代表的なETFの中にはニックネームを持つものがあります。日本の投資信託の場合、運用会社がファンドの設定時にファンドに「愛称」を付けることがありますが、米国のETFのニックネームの場合、市場から自然発生的に生まれたものです。
たとえば、米国初のETFのSPDR S&P 500 ETFには「Spider(スパイダー)」というニックネームがあります。Spiderというニックネームは、同ファンドの正式名称のStandard & Poor's Depositary Receipts SPDR Trust, Series 1の頭文字部分のSPRDに由来しています。SPDR S&P 500 ETFは、1993年にアメリカン証券取引所に上場し、その後、アメリカン証券取引所とニューヨーク証券取引所が合併したことから現在では、ニューヨーク証券取引所に上場しています。ティッカーシンボルはSPY(スパイ)です。なお、SPDR S&P 500 ETFはS&P 500株価指数に連動する投資成果を目指すファンドで、米国で最も活発に売買されているETFの一つです。
なお、このスパイダーというニックネームは、当初はSPDR S&P 500 ETFだけに付けられたものでしたが、2007年に運用会社であるステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ社が同社の運用するETFのブランド名をSPRDに統一し、Dow DIAMONDSなど、一部を除く同社のETFにSPDRを付けるようになったことから、同社のETFを総じてスパイダーと呼ぶこともあります。なお、同社のETFのブランドロゴデザインはSPDRの文字の上にスパイダー(蜘蛛)のマークが使われています。
Dow Diamonds(正式名称:DIAMONDS Trust, Series 1(ダイアモンド・トラスト・シリーズ)には、「Diamond」(ダイアモンド)というニックネームが付いています。同ETFは、1998年1月に設定され、米国のニューヨーク証券取引所に上場しており、ダウ工業株30種平均に連動する投資成果を目指すETFです。ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ社が運用しており、ティッカーシンボルはDIAです。
また、「PowerShares 100 Trust Series 1」(ティッカーシンボル:QQQ)は、一般に「PowerShares QQQ」と呼ばれますが、以前はNASDAQ-100 Index Tracking Stockというファンド名で、ティッカーシンボルがQQQであったことから、Qubes(キューブス)というニックネームがあります。同ETFも、米国で最も活発に売買されているETFの一つです。同ファンドが連動の対象とするNASDAQ 100指数はナスダックに上場している銘柄で、米国企業と海外の非金融銘柄のうち、時価総額が最も大きい100銘柄で構成されています。なお、PowerShares(パワー・シェアーズ)は、米国を本拠地とする世界的な運用グループのインベスコ傘下のInvesco PowerShares Capital Management LLCのETFのブランド名です。
「Timing the market」の著者: Deborah J. Weirによると、これらのニックネームは、ETFのファンド名を基に、ウォール街において自然にそう呼ばれるようになったということですが、同時に、運用会社もそのニックネームを新聞などでの広告に利用するようになったということです。
なお、日本のETFでも、日興アセットマネジメントの運用する「上場インデックスファンド中国A株(パンダ)CSI300」には、「上場パンダ」という愛称があります。これは米国のETFのように自然発生的に付けられたニックネームとは異なり、運用会社が設定時に付けたものです。
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監修者:菅原 良介
編集者:K-ZONE money編集部