投信/ETF
カン・チュンド氏に聞く「資産運用に最も適した投資信託はなに?」- 著名人インタビュー - 東証ETF活用プロジェクト 東証ETF
投稿日:2013/06/27
最終更新日:2022/08/01
本コンテンツは当サイト編集部が独自に制作しております。各広告主様やアフィリエイトサービスプロバイダ様から商品案内や広告出稿をいただくこともありますが、各事業者様がコンテンツ内容等の決定に関与することはございません。本サイトは広告およびアフィリエイトサービスにより収益を得ています。コンテンツ内で紹介した商品が成約されると、売上の一部が当サイトに還元される場合があります。
東証ETF・ETN活用プロジェクト [ ETFがわかれば世界がわかる 著名人にインタビュー ]
【第10回】
カン・チュンド氏に聞く
「資産運用に最も適した投資信託はなに?」
- 資産運用に投資信託を活用しよう。マネー雑誌などを読むと、この手の記事を頻繁に目にしますが、日本国内で設定・運用されている投資信託の本数は、実に3,800本を超えています。この中から、一体何を、どうやって選べば良いのか、ということで悩んでいる方も少なくないでしょう。今回はインデックスファンドの啓蒙活動をされ、実際に資産運用のアドバイスにも携わっている、晋陽FPオフィスの代表で、ファイナンシャルプランナーのカン・チュンドさんに、お話を伺いました。
- カンさんはたくさんある投資信託のなかでも、特にETFをお勧めしていらっしゃいます。具体的に、どういう点でETFには魅力があると考えていらっしゃいますか?
- カン氏
-
晋陽FPオフィス 代表
カン・チュンド氏 - 日本国内にはたくさんの投資信託が設定・運用されていますが、大半は非上場型の投資信託です。これに対してETFは証券取引所に上場され、株式などと同じように売買されている投資信託のことです。基本的には、日経平均株価や東証株価指数などに連動するインデックス型ファンドが中心です。
- 非上場型投資信託のなかにも、ETFと同じようにインデックス型のファンドはたくさん運用されています。
- でも、そのなかであえてETFをお勧めしているのは、透明性が高いこと、流動性が高いこと、そしてコストが安いこと、という3つの条件を兼ね備えているからなのです。
- そのうえ、さまざまな資産クラスに投資することができますから、現在、取引所に上場されているETFを上手く活用することによって、非常に効率良く分散投資ができるようになります。
- ところが、ETF自体はまだ個人の間に普及しているとは言いがたい面があります。笑い話ではありませんが、私が以前、相談に見えられた方にETFの話をしたところ、「それって、どういう会社なんですか?」と質問されたくらいです。ETFという名称から受ける印象が固いからなのでしょうね。
- でも、本当に優れた商品性を持っていますから、何かのきっかけで、その良さに気づく個人投資家が増えれば、ETFのマーケットは一気に拡大していくのではないでしょうか。
- 具体的に、どういうメリットがあると思われますか?
- カン氏
- たくさんありますよ。まず、今上場されているETFだけで、大半の資産クラスをカバーできます。日本株、欧米先進国の株式だけでなく、インド、中国、その他の新興国株式にも投資できますし、外国債券やREITにも投資できます。さらに言えば、金や原油といったコモディティに分散投資することも可能です。
- 残念ながら、まだ日本の債券に投資するETFは登場していませんが、それを除けば、およそ投資することのできない資産クラスはない、と断言しても良いでしょう。これだけ幅広い資産クラスに投資できるということは、個人の長期的な資産形成にとって一番大事な「分散投資」が容易であることを意味します。
- また、個別株式に投資している人からは、「すでに株式に投資しているのに、あえてETFにも投資するメリットがわからない」という意見をいただくことがあるのですが、これはとんでもない誤解ですね。日本の個別銘柄に投資しているのでしたら、なおのことETFを積極的に活用していただきたいものです。
- なぜなら、日本の個別銘柄だけでポートフォリオを構築しても、分散投資効果が期待できないからです。もし、日本の個別銘柄に投資されていて、かつ分散投資効果を高めたいとおっしゃるのであれば、海外の株式市場に投資するETFを組み合わせると良いでしょう。
- たとえば日興アセットマネジメントが設定・運用している「上場インデックスファンド海外先進国株式」は、MSCI−KOKUSAIインデックスという、米国やイギリス、フランス、ドイツ、スイスなど、日本を除く世界23カ国もの先進諸国の株式市場で構成されたインデックスに連動することを目指したETFです。日本の個別銘柄ポートフォリオに、このETFを組み合わせれば、それだけで日本を含めた世界中の株式市場に分散投資したのと、同じ投資効果を得ることができます。
- ETFという金融商品は、実にシンプルな商品性を持っています。これもメリットのひとつでしょう。あまり仕組みが複雑になると、リスクの所在が不明確になりますし、どこで余計なコストが取られているのか、分かり難くなってしまいます。ETFは市場平均に連動するという非常にシンプルな商品性を持っていますし、そのため信託報酬などのコストも非常に割安です。
- 具体的に、どのような活用法が考えられますか?
- カン氏
- 前述したように、日本の個別銘柄に投資している方は、MSCI−KOKUSAIのような、世界中に分散投資できるETFを購入するというのも良いですし、東証の業種別インデックスに連動するタイプのETFもありますから、医薬品や食品などディフェンシブと呼ばれるセクターのETFに資産の一部を分散しておけば、株式市場全体が下げた時でも、株価下落リスクをある程度、緩和させることができます。
- あるいは、海外債券のインデックスに連動するETFに投資するというのも良いでしょう。日本株などを保有している方なら、海外債券に投資するETFは、やはりリスク分散効果を高めるうえで役に立ちます。シティグループ世界国債インデックスに連動する「上場インデックスファンド海外債券」というETFが、これに該当します。これは私の要望ですが、海外債券だけでなく、日本の債券に投資できるETFも加わったら、より分散投資効果を高めるうえで有効だと思います。これから、このタイプのETFが登場してくる可能性もあると思います。
- それと、やはりこれからの成長性を捉えるという意味では、新興国市場に投資するETFにも注目したいところですね。非上場型の投資信託のなかにも、中国やインドなど、特定の新興国株式市場に投資するファンドはあるのですが、残念なことに、いずれのファンドも信託報酬などのコストが割高です。長期投資する場合、信託報酬などのコストが高いと、運用成績そのものに響いてきますから、出来るだけ安いコストのファンドを選びたいところです。ETFの場合、コストが割安ですから、新興国の株式市場に投資する場合でも、非常に有利です。
- インフレに対応するという意味では、コモディティに投資するETFも注目されるのではないでしょうか。
- カン氏
-
- そうですね。コモディティに投資するETFといいますと、金や銀、プラチナ、パラジウムなどの貴金属に投資するタイプ、原油に投資するタイプなど、特定の商品価格に連動するタイプのETFも上場されていますが、私はコモディティ・インデックスに連動するタイプのETFをお勧めしています。東証に上場されているものですと、S&P GSCI商品指数という、24種類の商品によって構成されたインデックスに連動する「イージーETF S&P GSCI商品指数キャップド・コモディティ35/20クラスA米ドル建受益証券」というETFが、これに該当します。よりリスク分散を徹底的に行おうとするのであれば、コモディティについても、特定の商品ではなく、複数の商品に分散投資したタイプのETFを選んだ方が良いでしょう。
- また分散投資効果という点では、東証REIT指数への連動を目指したETFも上場されています。REIT(不動産投資信託)も上場されている投資信託ですが、REIT指数は、その上場されたREITの価格をすべて反映させたものですから、実質的に上場されているREIT全銘柄に分散投資しているのと同じ投資効果が得られます。もしREITに投資しようと思っているのであれば、東証REIT指数に連動するETFも検討されることをお勧めします。
- 同じ株価指数に連動するETFが複数上場されているケースもありますが、この場合、どちらを選べばいいのでしょうか。
- カン氏
- 東証株価指数に連動するETFにしても、他の株価指数に連動するETFにしても、同じ株価指数などに対して、複数のETFが上場されているものがあり、特に初心者にとっては、どちらを選んだら良いのかということで悩まれるケースもあるでしょう。
- この場合、選択基準は出来高です。ETFは非上場投資信託とは違って、いつでも取引所を通じて売買できるという点がメリットなのですが、出来高が少ないと、自由に売り買いできなくなる恐れがあります。流動性が不足してしまうのですね。長期保有を前提にしている方であれば、あまり神経質になる必要はないと思いますが、ETFの流動性の高さを利用して、ある程度、短期のトレードを考えている方は、やはり出来高の多いETFを選んだ方が良いでしょう。
- 具体的に、どういう組み合わせが良いのでしょうか。
- カン氏
- ベースになるのは、やはり日本の株式市場も含めた、世界の先進諸国の株式市場になります。ですから、日本の株式市場に連動するETFと、世界先進国の株式市場に連動するETFをベースにして、もう少しリスクが取れるなら、新興国の株式市場に連動するETFを組み合わせる。あるいは東証REIT指数やコモディティ・インデックスに連動するETFを組み合わせるというのが理想です。
- ベースは、広く浅く、さまざまな国に分散投資する。これがコア・ポートフォリオになり、そこにサテライトとして、新興国やコモディティ、REITを乗せていくという分散の仕方をお勧めします。
- 掲載日:2010年月11月25日
- カン・チュンド氏 プロフィール
- 晋陽FPオフィス代表
1968年(昭和43年)8月28日生まれ
インデックス投資アドバイザー
CFP ファイナンシャルプランナー
1級ファイナンシャルプランニング技能士
2010年10月 「ETF投資入門」
ETFの基本的なしくみから18種類のポートフォリオ解説までを網羅した最新著書
最新ネット証券比較ランキング
口座開設されてない初心者の方に向けた、ネット証券が比較できる最新ランキングTOP10はこちらです。口座開設手続きはネット上で完結できます。口座開設キャンペーンもご紹介してます。是非この機会に、ネット証券の口座開設を行ってみましょう。