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目次 [
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退職・年金ナビ [ 高齢者施設の選び方 ]
知っているようで知らない高齢者施設の選び方
意外と使い勝手のよい老人保健施設
- 自宅復帰のためのリハビリを行う施設
- 医療と介護両方のサービスが受けられる
- 入所期間3カ月が原則だが、実際は長期の入所者が多い
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3カ月で自宅への復帰を目指す
- 老人保健施設は、リハビリなどが必要な高齢者が3カ月〜6カ月程度入所し在宅介護に向けて療養する施設です。入所期間は3カ月を基本として、3カ月ごとに「その人が家に戻れるかどうか」の判定が行われます。一般によく利用されるのは、病院の退院後一時的に施設に入りリハビリを受けて自宅に戻るという方法です。
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実は医療面が充実
- 「老人保健施設=リハビリ施設」というイメージがありますが、実は医療面においては他の施設と比べて非常に充実しています。入所定員100人当たりの基準が、医師が1人常駐、看護師または准看護師は9人であり、特別養護老人ホームの医師非常勤、看護師または准看護師3人と比べると一目瞭然。そのため、施設の経営は医療法人が多く、医療、リハビリ、介護と安心して任せることができます。
- また、このような充実した医療にもかかわらず、費用は月額13万円〜15万円の利用料金に含まれ、さらには収入に応じた軽減措置もあります。
- 特に医療的なケアが必要な高齢者には、心強い施設と言えるでしょう。
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介護保険施設の事業主体
介護保健施設 社会福祉法人(%) 医療法人(%) その他(%) 特別養護老人ホーム 91.9 0 0.81 老人保健施設 16.1 73.9 10.0 療養型医療施設 1.3 80.8 17.9 -
あだ名は「第2の特別養護老人ホーム」
- 在宅介護が難しい高齢者は、できるだけ長く入所したいという希望があります。また、特別養護老人ホームは、順番待ちの状態です。そこで高齢者の受け皿となっているのが、老人保健施設なのです。本来は3カ月の入所であり、在宅介護を目指すものですが、実は何年にもわたって入所を続けている高齢者がいることも事実です。
- そこで老人保健施設に入所しながら、特別養護老人ホームの順番待ちをするという利用方法があります。平成21年度の施設利用率が91.8%と高いのですが、特別養護老人ホームの98.5%と比べると多少の余裕はあります。また、老人保健施設は、介護保険に基づく厚生労働省令において原則サービスの利用を断われないことになっています。そこが長期入所者の生まれた理由ですが、定員をオーバーした場合は無理ですので、他の施設を一つ一つ丁寧にあたってみることをお勧めします。
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総合的なケアなら老人保健施設
- 老人保健施設は、地域のニーズに応えて総合的なサービスの拠点であることは、案外知られていません。施設に入所するだけでなく、「ショートステイ」「通所リハビリ」「訪問介護、訪問リハビリ」も備えているのです。在宅介護でも積極的に利用し、介護度が低い時から顔見知りになっておくことが肝要。こうすることで、いざという時、頼れる施設となるでしょう。
- また、上記でもご紹介したように医師をはじめとした医療スタッフが充実しているので、医療的に重度の方や生活習慣病などを管理する必要がある方には、ショートステイや通所サービスを利用するのに適しています。
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入所して認知症を改善
- 軽度〜重度の認知症の方を対象にした「認知症短期集中リハビリテーション」も行われています。在宅では日々ひどくなる進行をどうしようと悩むばかりの認知症ですが、老人保健施設に3カ月ほど入所することにより解決を図ることができます。認知症の行動や心理面での症状の改善にこのリハビリが有効である、という調査結果も出ています。
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暑さ寒さも施設なら大丈夫
- 本来の老人保健施設の利用法である3カ月の入所を、在宅介護をしながら有効に利用するのも一法です。夏の暑い時期や、家中を暖かくすることが難しい冬の寒い時期に、冷暖房の完備された施設に入所すれば、体への負担が和らぎます。また、ご近所で長期の工事が始まるといった場合も、騒音は大きなストレスになり症状を悪化させるので、施設で静かに過ごせるでしょう。
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老人保健施設の利用例
- 仮に、夏と冬の3カ月ずつ老人保健施設に入所すると、介護する家族の負担も軽くなり、心に余裕が生まれてくると思います。また、本人も快適な環境で過ごすことができます。「毎日ずっと介護」と考えると大変ですが、3カ月ごとの季節循環で考えることで、在宅介護のクオリティも高まる気がしませんか。総合的なケアができる施設としての老人保健施設は、介護を受ける側、介護をする側双方にとって、使い勝手のよい頼もしい施設といえるでしょう。
- 次回は、療養型医療施設についてご紹介します。
- 社会保険労務士/ファイナンシャル・プランナー 菅田 芳恵
所属:(株)プラチナ・コンシェルジュ
- 社会保険労務士/ファイナンシャル・プランナー 菅田 芳恵
- 証券会社、銀行、生保、コンサルティング会社に勤務後、独立開業。社会保険労務士として、公的医療保険、公的介護保険、公的年金、メンタルヘルス対策を得意とする。また、介護事業者の人事労務コンサルティングも数多く手がけ、その内情にも詳しい。(株)プラチナ・コンシェルジュ所属。