がん保険を学ぶ

がん保険の免責期間・猶予期間とは?保障されない期間をおさえておこう

最終更新:2022/04/08 11:58

猶予期間・免責期間とは?

がん保険には支払い猶予期間が設定されています。待ち期間や免責期間などと呼ばれるケースもあります。

がん保険は保険を申し込んだ日が、「保障がスタートする開始日」ではありません。
1回目の保険料支払日もしくは告知日の遅い方の日から、90日間が経過した日の翌日が責任開始日となっており、この保険期間の最初から保障が開始される責任開始日までの期間が支払い猶予期間となっています。

猶予期間・免責期間にがんと診断されても保障されない

支払い猶予期間にはがんと診断をされても保障がなされません。
支払い猶予期間は90日間と設定されており、その期間内にがんと診断されても診断給付金などがん保険の保障を受け取ることはできません。

責任開始日の以前にがんと診断されても、保険金は給付金などを支払う責任は免除されます。これを免責と呼びます。免責期間がどうなっているのかはがん保険の契約内容をしっかり確認しておきましょう。

責任開始日(保障開始日)を必ず確認しよう

責任開始とはがん保険のがんに対する保障がスタートすること。3か月間の支払い猶予期間を過ぎてから責任開始がなされて保障が開始されます。

がん保険の責任開始日(保障開始日)
がん保険の責任開始日(保障開始日)

責任開始日はがん保険の申込日もしくは第1回目の保険料払込日から90日(3か月間)の期間後になります。
待ち期間の間にはがんと診断されても保障の対象にはならず、責任開始日以降にがんと診断された場合にはがん保険の保障の対象となります。

いつから保障が開始するのかは、契約書や約款を確認すれば、申込の前でも確認が可能です。

がん保険以外にも免責期間がある

がん保険以外にも免責期間はあります。それぞれの保険の免責期間について見ていきましょう。

生命保険の免責期間

生命保険には自殺の免責期間が定められており、生命保険の保険金は残された家族が受け取ります。
保険をかけて加入後に自殺を選んだ場合には保険の公平性が保てないことが理由です。

生命保険は、加入後3年間の免責期間が設定されているのが一般的です。
ただし、被保険者が精神疾患を患っており、意思判断能力がないと判断されたケースでは別になります。

医療保険の免責期間

医療保険には、かつては入院給付金に免責期間が設定されているものもありました。
入院4日までは入院給付金が受け取れず5日目以降の入院に対して、入院給付金が支払われるタイプの医療保険の場合、この期間は免責期間と言えるでしょう。
しかし、今は免責期間が設定されている医療保険はほとんど存在しません。

また、短期間の入院は保障されず、60日以上など長期の入院のみを保障するタイプの医療保険もあります。
こちらも60日以前の期間は免責期間と呼べるでしょう。

引受基準緩和型保険・無選択型保険の免責期間

持病がある方でも加入ができる引受基準緩和型の保険にも免責期間が設定されています。
引受基準緩和型保険は、健康状態の告知項目を少なくして、保険に加入できる基準を緩和した保険です。この引受基準緩和型保険に似ている保険が無選択型保険です。無選択型保険は健康状態を事前に保険会社に告知しなくても加入できる保険となっているため、通常の保険料よりも高くなっているのが特徴です。また、無選択型保険には「契約後の一定期間は病気による入院・手術が保障されない」といった保障を受けることができない条件もあるので確認が必要です。

保険に加入できる基準を緩和しいている代わりに、一定期間内に保険の引受事由が起こっても、保険金の金額が少なくなる免責期間が設定されています。
多くの引受基準緩和型保険で免責期間中の保険金額は半額になり、その期間は1年で設定されています。

就業不能保険の免責期間

働けなくなったときの保険、所得補償保険と就業不能保険でも免責期間が設定されています。
所得補償保険は医師からの診断により働けない状態になったときにその所得を補償するもの。
就業不能保険は長期間に渡って、仕事に就くことができなくなってしまったときに保障がなされる保険です。

所得補償保険は最短4~7日間、就業不能保険は最短60日程度の免責期間が設けられています。
また、就業不能保険では、期間の設定ではなく「要介護」や「障害等級」などを条件にしているケースもあります。

なぜ猶予期間・免責期間が設けられているのか

なぜがん保険には支払い猶予期間が設けられているのでしょうか。それには、がんという病気の特性と、保険商品という公平性の問題などがあります。

がん細胞が発生していても、がんの初期段階では検査では発覚せず自覚症状がないこともあります。
また、通院やがん検診で異常を指摘される前に自覚症状があるケースもあります。
異常を感じてからがん保険の申し込みをする方もいるでしょうから、様子を見るために、支払い猶予期間が設定されています。

がん保険のがん診断給付金はまとまった額の金額になり、悪用させる可能性もあります。
保険の仕組みは相互扶助で成り立っており、公平性を保つために支払い猶予期間・免責期間は必要なのです。

猶予期間・免責期間にも保険料は発生する?

支払い猶予期間には保障がなされませんが、契約者は保険料を支払うことは必要です。
そもそも保険会社は支払い猶予期間の保険料も計算に入れて保険商品を設計しています。そのため、保障がなされないからといって保険料を支払わらなくていいということではないので覚えておきましょう。
保険料を支払わないと、そもそも保険の契約自体が失効してしまうこともあります。

免責期間にがんと診断されたら?

免責の期間中にがんと診断された場合、契約者または非契約者が事実を知っていたとしても知らなくても、保険契約自体は無効になります。

がん診断給付金などの保障は受け取れませんが、既に支払った保険料が戻ってくる可能性があります。
ただし、被保険者が契約時の告知以前にがんと診断された事実を知っていたら、告知義務違反になるので払い込まれた保険料は戻って来ないことは覚えておきましょう。

がん保険で保障されないがんがある?

がん保険に加入していて、がんと診断されても保障がなされないケースもあります。それぞれのケースについて詳しく見ていきましょう。

がんにはどんな種類があるのかおさえよう

がんにはいくつか種類があり、上皮内新生物など、がん保険で保障がされないがんもあります。

一般的ながんは悪性新生物と呼ばれます。がん細胞は正常な細胞をがん細胞に変化させて病巣を大きくしていきます。人の臓器はいくつかの層に分かれていますが、上皮の粘膜内にとどまり粘膜筋板を超えて侵潤していないものを上皮内新生物と呼びます。

上皮内新生物の仕組み
上皮内新生物の仕組み

上皮から基底膜、粘膜固有層、粘膜筋板、粘膜下層まで超えて浸潤していると悪性新生物と呼ばれて保障の対象になります。
上皮内新生物は一般的ながんである悪性新生物よりも治癒がしやすく治りやすいがんなので、がん保険で保障がなされないケースもあるのです。

上皮内新生物のできやすい部位は?

上皮内新生物はさまざまな臓器で発生する可能性がありますが、国立がん研究センターの「がん診療連携拠点病院等院内がん登録全国集計」内の6.過去の報告書「がん診療連携拠点病院院内がん登録 2008年全国集計報告書」(P.8)によると、子宮と膀胱で上皮内新生物ができやすいとなっています。

子宮がん 44.4%、膀胱がん 33.7%、大腸がん18.5%、乳がん10.5%、食道がん6.5%となっており、女性の上皮内新生物のリスクが高いということは認識しておきましょう。

免責期間の有無だけで保険を判断すべきではない

がん保険には上皮内新生物を保障の対象としている保険と、免責としている保険があります。
悪性新生物と上皮内新生物を区別して上皮内新生物の保障はしつつも、金額を減らすがん保険もあります。ただし、免責の有無によって保険を判断することはできません。

上皮内新生物を保障するがん保険はその分保険料は高く設定されているケースが多いです。また、上皮内新生物を免責とすることで保険料を安くしているケースもあります。
上皮内新生物は子宮や膀胱で多く発生しています。女性の場合には上皮内新生物も保障してくれるがん保険がおすすめできるとも考えられます。

上皮内新生物が保障の対象なのか、保険料がどの程度なのかを加味した上でしっかりと検討をしましょう。

持病があるときの保険は?

保険は持病があると入りにくかったのですが最近では、持病があっても加入できる保険が出てきています。その一つが引受基準緩和型保険です。

引受基準緩和型保険とは 

保険加入時の条件を通常の保険よりもハードルを下げた保険になります。保険会社によって告知項目は変わりますが、大体3〜5項目となっています。告知の種類は2種類で職業内容の告知と、健康状態の告知となっています。
保障内容は通常の医療保険と同様で、入院給付金と手術給付金が給付される保障となっています。持病があっても加入することができる保険となっているので通常の医療保険と比べると保険料は高くなっています。

引受基準緩和型保険の支払削減期間 

持病があっても加入することができる保険ということで、なので加入後すぐに手術が必要となる可能性もあります。その時、引受基準緩和型保険には支払削減期間が設けられています。引受基準緩和型保険に加入後1年間は、給付金が50%削減されます。1年もしくは一定期間がすぎると満額給付を受けることができます。がん歴、持病があっても加入できる引受基準緩和型保険の特徴です。 

告知項目

引受基準緩和型保険とはで説明した通り、告知項目は3~5項目となっています。保険会社によっていは特定の疾病の特約を追加でつけることができます。その際は追加で告知項目も追加される可能性があるので注意が必要です。

告知義務違反

告知内容が事実と異なっていることが判明した場合は、給付金が支払われない、契約解除になることがあります。

入院保証限度日数 

引受基準緩和型保険の通算支払限度日数を 1000 ~ 1095 日としている保険会社が多く、通常の医療保険より短いのが特徴です。 

免責期間 

日帰り入院から保障されることが多いです。

外来手術 

引受基準緩和型保険で入院中の手術に50000円の給付金が出る場合、日帰りの手術に支払われる給付金は12500~25000円です。 

引受基準緩和型保険と無選択型保険の違いは?

引受基準緩和型保険と似ている保険で挙げられるのが無選択型保険です。2つの保険の違いについて説明していきます。

入りやすさの違いが大きいです。引受基準緩和型保険は告知項目が通常の医療保険より少なく入りやすいと説明しましたが、無選択型保険はさらに入りやすいのが特徴です。無選択なので告知がない保険となります。持病やがん歴がある人でも加入することができる保険で、リスクが高くなっているので通常の保険料よりも高く設定されています。また、給付金も低く設定されています。保障が受けられない場合もあるので確認が必要です。

猶予期間・免責期間がないがん保険

がん保険のなかには、支払い猶予期間が設定されていないがん保険もあります。
がん診断給付金のようにまとまった額の保障がなされないがん保険には、契約した時点から責任開始されて保障がなされるがん保険があります。

がん保険についているがん以外の保障は免責対象ではなく、医療保険についているがんの保障には支払い猶予期間が設定されているケースもあります。
ただし、支払い猶予期間がない場合でも、保障内容が自身が必要としているものかは、また別の話です。
保険商品によって異なるので契約前にしっかりと内容を確認しましょう。

保険の見直し時は、猶予期間に要注意

がん保険には支払い猶予期間があるので契約の見直し時には注意をしましょう。
がん保険の見直しで他のがん保険に加入した場合、新しいがん保険の保障が開始されるまでは3か月があり、同じタイミングで契約と解約をしてしまうと、一時的に保障の空白期間が生まれてしまいます。
がん保険を解約するときには、新しく加入したがん保険の支払い猶予期間が終わってから解約するようにしましょう。保険料の支払いが多少重複しても保障を優先したほうがよいでしょう。

また、保険料を払いそこねて、加入しているがん保険が失効したときにも注意しましょう。
復活請求書と告知書を提出し、再度保険契約が復活できても、その時点から再び支払い猶予期間が発生するケースがあり、この期間は保障がなされないので保険契約を失効しないように注意をしましょう。

まとめ

がん保険には3か月間(90日間)の支払い猶予期間・免責期間が設定されています。
がんという病気の特性と保険の公正性を保つための仕組みですが、この支払い猶予期間について正しく理解した上で、自身が得たいがん保険の保障をしっかりと選びましょう。

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