医療保険って必要?それとも不要?みんなの加入率は?

投稿日:2022/04/08 最終更新日:2023/03/17
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病気や怪我で入院したり手術を受けた時に助けになる医療保険。とはいえ、「医療保険って本当に必要?」と感じている方も多いのではないでしょうか。医療保険に加入している人がどのくらいいるのか。様々なケース、状況や場合に分けて医療保険の必要性について解説します。
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医療保険の必要性

病気や怪我で入院したり手術を受けた時にその治療費用が保障される医療保険。
そもそも、医療保険はどのような目的で存在しているのでしょうか?

医療保険には公的な医療保険と民間の保険会社が提供する医療保険の2種類が存在します。
公的な医療保険の対象と運営主体や、医療費の一部負担の割合について理解を深めておきましょう。

公的医療制度の対象と運営主体

そもそも、医療保険には公的な医療保険制度と民間の保険会社が提供する医療保険があります。
公的な医療保険制度は、突然かかってしまった病気や怪我によって生じる経済的な負担をみんなで助け合うことを目的にしている制度。健康保険組合や市区町村が保険者になり、全国民が加入しています。
加入する公的な医療保険は、加入する方の職業によっても分かれています。

公的医療保険の種類と分類
公的医療保険の種類と分類

例えば、一般的な会社員やOLが加入しているのが健康保険、大企業の会社員が加入しているのを組合掌握健康保険、その他中小企業を中心とした会社員が加入しているのが組合掌握健康保険です。
会社員に扶養されている家族もこの健康保険に加入します。

公務員や教職員が加入しているのが共済組合。国家公務員が加入しているのが国家公務員共済組合、地方公務員が加入するのが地方公務員共済組合、私立学校の教職員が加入している日本私立学校医療共済事業団、船員や船員に扶養されている家族が入るのが船員保険です。
また、自営業者や職に付いていない方が入るのが国民健康保険です。

項目 健康保険 船員保険 共済組合 国民健康保険 後期高齢者
医療制度
種別 被用者保険(職域を土台とした保険) 地域保険 高齢者医療制度
運営
主体
組合健保 全国健康保険協会
(協会けんぽ)
全国健康保険協会
(船員保険支部)
各共済組合 各都道府県
各市区町村
後期高齢者医療広域連合
窓口 健康保険組合 全国健康保険協会
(各都道府県支部)
各市区町村窓口 各市区町村窓口
加入者 会社員と扶養家族 船員と扶養家族 公務員と扶養家族 75歳以上で、その他の保険に加入していない方 ・75歳以上の方
・65歳以上75歳未満で一定の障害がある方

※詳細は各窓口にお問い合わせください。

誰しもいずれかの公的な健康保険に加入することになりますが、加入者の職業によって加入先が異なることを覚えておきましょう。

公的医療制度による医療費の一部負担の割合

公的な健康保険組合に加入していると実際に病気や怪我で病院にかかった時の自己負担金額が軽減されます。
例えば、健康保険加入中の現役世代のサラリーマンが医療機関を受診した時には、自己負担割合は3割です。

医療費の一部負担の割合
医療費の一部負担の割合

この自己負担の割合は世代やどの地方自治体に属しているかによって異なります。
例えば、75歳以上の方は自己負担割合は1割で、70歳以上75歳未満の方は2割負担となっており、ただし、現役並みの所得がある方は自己負担割合は3割となっています。
また、6歳未満の未就学児は原則2割負担ですが、医療費の自己負担割合がない自治体もあります。

一般的には3割が自己負担で、世代によって自己負担割合が異なることを理解しておきましょう。

入院時の自己負担費用はどのくらい?

病気や怪我で入院した時、自己負担分はどの程度なのか、2019年度の調査をもとに見てみましょう。

1日あたりの入院時の自己負担費用の平均
1日あたりの入院時の自己負担費用の平均

1日あたりの入院時の自己負担費用は、平均で1万9800円となっています。
一番割合が多かったのは、1万円以上1万5000円未満の層で全体の24.5%の方が該当します。
続いて多いのは2万円以上3万円未満の方で全体の14.1%の方が該当します。
続けて、7000円以上1万円未満が13.7%でした。

自己負担の金額は大体1万円~2万円前後となっています。
もちろん、入院時には働くことはできないので、この金額を貯蓄や医療保険で準備できると、もしもの入院時にも安心できるでしょう。

医療保険の主な保障内容

病気や怪我で入院したり手術を受けた時に保障を受けられる医療保険。
保障内容は入院給付金や手術給付金など様々。それぞれついて解説していきます。

医療保険の保障内容とは?

医療保険の主な保障は、入院給付金と手術給付金や、様々な特約です。
入院給付金は1日当たりの入院に対して5000円や1万円といった金額が設定されています。
また、入院給付金には60日や90日など支払限度日数があり、入院期間に合わせて保障が行われます。

入院給付金とは?

医療保険の保障の一つである入院給付金。病気や怪我で入院した時に保険会社から支払われるお金です。
入院で発生する一時的な出費や、入院期間中は働けないのでその収入源をカバーすることができます。

入院給付金の給付額は契約時に入院1日あたり、5000円や1万円といった金額を設定します。
60日や90日など支払限度日数も設定されているため、支払い限度日数を超えると給付金は支払われなくなり、また、同じ病気で再度入院した場合には1回の入院としてカウントされます。

入院給付金の限度日数は自分で選べるタイプのものや特定の病気で入院した時入院限度日数が延長になるタイプの商品もあるので自分が受けたい保障を鑑みて検討してみてはいかがでしょうか。
そして、あくまで入院給付金は治療を目的とした入院で支払われるもので検査のための入院では支払われないことを理解しておきましょう。

手術給付金とは?

手術給付金とは病気や怪我で手術を受けた際に給付される医療保険の保障の一つで、手術を受けた際には給付が受けられるので、契約者にとってはありがたいサービスです。

給付が受けられる手術は、保険会社ごとに定めている手術や公的医療保険の対象となっている手術などで、およそ1000種類となっています。どの手術が該当するかは、病気や怪我になった時には確認しておきましょう。

給付対象外になる手術もあります。例えば、美容整形の手術や疾病を目的としない不妊手術、視力の矯正を目的としている手術などが該当します。
また、公的な医療保険の対象の手術でも抜歯や異物除去術、魚の目の除去手術などは対象外です。
手術給付金の支払額は入院日額を基準にして手術の内容によって倍率で決められているものと、手術内容に関係なく一律で決まっているものなどがあります。保険内容によって異なるのでその点は確認が必要です。

医療保険は特約で保障をさらに手厚くできる

医療保険の主な保障は入院給付金と手術給付金ですが、特約を付けて様々な保障をつけることも可能です。

例えば、がんのリスク備える「がん特約」や、がんに加えて脳梗塞や心疾患に備えた「三大疾病特約」をつけると、がんと診断されたり、三大疾病で入院や手術をした時にも安心です。

その他の保障には、公的な医療保険の対象外の治療を受けた時にも保障を受けられる「先進医療特約」や、乳がんや子宮がんなど女性特有の病気に備える「女性特約」もあります。
自身が加入している医療保険を見直しながら、目的に合わせて加入するのが良いでしょう。

医療保険の定期型と終身型

まず、医療保険には健康保険などの公的医療保険制度と、民間の保険会社が提供する医療保険があります。

公的医療制度の種類
公的医療制度の種類

公的な医療保険制度は国民生活の安定や福祉が目的で、法律にて国民の加入が義務付けられています。
実際に病気や怪我で医療機関にかかっても健康保険があるので現役世代の負担は3割となっており、また、高額医療費制度があるため、月額28万円~50万円の収入がある方の医療費は最大でも8~9万円前後になります。

民間の保険会社による医療保険は個人の判断による任意加入で、公的な保障のみでは不安な部分に対する備えという側面があります。公的な医療保険や高額医療費制度で賄いきれない部分を個人で準備する考え方です。

民間の医療保険にもいくつか種類があります。終身医療保険や定期医療保険、貯蓄保険や引受基準緩和型医療保険、無選択型医療保険などです。それぞれの違いについても理解しておきましょう。

終身医療保険

終身医療保険は「保障が一生涯続き、保険料も変わらない」タイプの医療保険です。
保険料の支払いには終身払いと、一定の年齢で支払いを終える短期払いがあります。

保障や保険料ともに一生涯安定しているため、ずっと定額で保障を得たい方には安心ですが、何十年も加入しているとその時の状況にあった保険である可能性は低くなることや、医療保険自体を見直す機会が少なくなる等のデメリットがあることもおさえておきましょう。

定期医療保険

定期医療保険は、10年など契約時に定めた一定期間で契約が更新され、決められた期間で保険契約が終わるタイプの医療保険です。保険料は更新するまで一定で、更新すると年齢が上がるので保険料は上がります。

決められた期間の保険料を掛け捨てで払うかたちになるので保険料はお手頃になりやすい傾向があります。
更新時の年齢に応じて保険料がアップすることや、契約を更新しなければ保障が得られなくなるというデメリットもあります。

貯蓄型医療保険

貯蓄型医療保険は一定期間給付金の支払いがなかった時に、祝い金や健康還付金を受け取れる医療保険です。
貯蓄型医療保険にも保障期間が一生涯の終身タイプと、あらかじめ定められた一定期間を保障する定期タイプがあります。健康に過ごすと還付金が支払われるので貯蓄が苦手な方には向いているタイプです。
ただし、給付金の払いがあると還付はなされず、元本よりお金が増えるわけではないことは注意が必要です。

受基準緩和型医療保険

受基準緩和型医療保険は一般的な医療保険に比べて、加入時の告知項目が少ない医療保険です。
健康状態が気になる方であっても、通常の医療保険よりも加入しやすく、告知書がシンプルなので加入時の手続きに煩わしさも少ないのがメリットです。
ただし、通常の医療保険よりも保険料は割高で加入してから一定期間は保障が削減されます。

無選択型医療保険

無選択型医療保険は引受基準緩和保険よりもさらに加入がしやすい医療保険です。
健康状態に関する告知や医師の診査がなくても加入することができるため、持病がある方や健康に不安のある方でも加入しやすい医療保険ですが、加入してから一定期間は保障が削減されます。
契約から1年程度など一定期間保障されないデメリットがあるの注意が必要です。

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「医療保険は必要ない」といわれる理由

「民間の医療保険は必要ないので加入していない」と考える方もいます。
なぜ、「医療保険は必要ない」という声があるのか。その理由について解説していきます。

公的医療制度が充実している

「民間の医療保険は必要ない」という大きな理由は公的な医療保険が充実しているからです。
健康保険や共済組合など公的な医療保険があることによって現役世代の医療費の自己負担は3割となっています。公的な医療費制度があるおかげで、医療費の7割はもともと負担する必要はありません。

仮に1か月の治療費がかさんでも「高額医療費制度」があり、医療費が高額になった分は国や自治体が負担してくれるため、一般的に月収28万~50万円の方ならば自己負担する医療費は8万~9万円前後に押さえられます。

また、健康保険には傷病手当金があり、病気や怪我で働けなくなった場合には収入の3分の2が支払われます。
公的な医療保険制度が充実しているので、それ以外は無理をしてまで準備する必要がないという考え方です。

高額療養費制度とは?

「民間の保険は必要ない」と言われる大きな理由である「高額医療費制度」とはどんな制度なのでしょうか。
現役世代ならば医療費は3割負担ですが、月に100万円単位で医療費がかさんだ場合には、働いて得られる収入以上に医療費がかかることになります。
これでは生活ができないので医療費が高額になった際には、国が代わりに医療費を負担してくれる制度です。
一般的に月収28万~50万円程度の方であれば月額でかかる最大の医療費は8万~9万円前後となっています。

医療保険がカバーする範囲は狭い?

「民間の保険は必要ない」理由として「医療保険がカバーする範囲は狭い」という考え方もあります。
「医療が1か月で済むならば」「病気や怪我が長引いたらあまり意味がない」「医療保険はがんには役立たない」などの理由がありますが。一つ一つみていきましょう。

治療が1か月で済むなら医療保険はいらない

まず、病気や怪我で1か月近く入院をする場合。
公的な医療保険制度に高額医療費制度があるので、一般的なサラリーマンやサラリーマンに扶養されている方ならば月の医療費は8万~9万円前後になり、また、一般的なサラリーマンの場合は傷病手当金があるため、休んだ4日目以降は申請すれば傷病手当金も受け取ることができます。
つまり、1か月程度手術や入院で休んだ場合で公的な医療保険である程度カバーが可能です。

病気・ケガが長引いたら医療保険はいまいち

治療が長引く病気にかかった場合、民間の医療保険に加入しておくと安心でしょうか?
がんや心筋梗塞、脳梗塞になった場合などに照らし合わせてシミュレーションをしてみましょう。

がんにかかった場合、入院して手術をして部位を取り除くことも考えられますが、昨今は通院しながら放射線治療や抗がん剤治療やホルモン剤治療などの化学療法を受けることも多くなっています。
また、長期に渡り化学療法を受ける場合、治療は入院や手術への保障を受けられる医療保険でカバーするというよりも、がん保険のほうが適している点も加味しておいた方が良いでしょう。

心筋梗塞や脳卒中になった場合は、その後のリハビリや生活をどのようにカバーするのかが重要です。
半身不随や麻痺が残る可能性があるので入院期間は高額医療費制度や傷病手当金を活用しながら退院することを目指し、その後のリハビリ生活の生活費をどのように準備するかを考えたほうが良いでしょう。
医療保険はあくまで入院や手術に対しての保障です。

「三大疾病特約」は魅力的か?

医療保険にはがんや心筋梗塞、脳梗塞などの三大疾病になった時に、一定金額を受けと得る「三大疾病特約」があり、がんと診断されたり、心筋梗塞になった時、脳梗塞で入院した時に支払われます。
このお金はリハビリ費用や生活費の足しとして使うことができます。

ただし、三大疾病特約を目的にするならば、そもそも医療保険ではなく「三大疾病保険や」「がん保険」に入っていたほうが本来の目的に沿っているのではないでしょうか。
また、生活費の保障が必要であれば、働けない状態の時に給付金が受け取れる就労不能保険などもあります。
医療保険の特約はあくまで特約なので、その分保険料が割高になってしまうことを認識しておきましょう。

コストパフォーマンスがいまいち

医療保険は「コストパフォーマンスがいまいちだから必要ない」という声もあります。
本当に医療保険はコストパフォーマンスが悪いのか、検証してみましょう。

入院給付金5000円で入院限度日数60日間、日帰り手術給付金は2万5000円、入院中の手術給付金は10万円、先進医療特約をつけて35歳男性で60歳までに保険料を払い終わり一生涯の保障を受けられる医療保険に入った場合、一般的には月々3000円前後の保険料になっています。
25年間保険料を払い続けるとおよそ100万円近い金額になります。

他方、治療費が100万円かかる病気になる可能性はどれ程あるのでしょうか。
100万円の治療費で、1日の入院費が5000円前後だとしたらおよそ200日近く入院した場合と言えます。
60歳までに1年の半分以上を入院する病気にかかる可能性がどの程度かかるかを想像してみると、貯蓄で準備しておくか医療保険でカバーするかを検討する余地が出てくるのではないでしょうか。

医療保険の先進医療はどうか?

先進医療特約は、新しい治療法で厚生労働省が認可していない先進医療について、自己負担で治療が必要な際にカバーしてくれる、医療保険の特約の一つです。
月100円前後の保険料の追加で、先進医療にかかる最大数百万円の治療費に対して保障が受けることが可能です。

先進医療特約の保障の対象には「量子線治療法」や「重粒子線治療法」などが挙げられ、それらの平均治療費用は約200万円~300万円前後となっています。
先進医療特約をつけなくてもがん保険や三大疾病医療保険などでも付けられるものなので、先進医療を目的に医療保険に加入するのはいささか目的違いと言えるかもしれません。

民間の医療保険は、支払い条件に合わないと給付されない

保険会社が提供する民間の医療保険、その保障を受けるには支払い条件に合致する必要があります。
請求するには健康状態の告知や検査を受けて、署名した申し込みを提出しなければなりません。

正常分娩や疾病を理由としない不妊手術、抜歯やインプラントの手術、健康診断目的の入院などは対象外となり、一方で、交通事故による怪我や、切迫早産など治療を目的とした入院は医療保険の対象です。
また、必要入院日数に応じて支払い条件が変わるので、その点を加味しておきましょう。

1入院の支払限度日数が60日の場合

1回の入院の支払限度日数を60日に設定していた場合、60日を超えた分は入院給付金の対象外になります。
また、入院自体は2回であっても、180日以内に同じ病気で入院した場合には、継続した1回の入院としてカウントされるのが一般的です。これを理解した上で支払限度日数は選んだほうが良いでしょう。

支払限度日数を延長できる医療保険も

支払限度日数が決まっていることが多いですが、医療保険によっては限度日数を延長できる商品もあります。

例えば、通算の支払限度日数を「保険期間が1000日以上」や「病気怪我ごとに1095日以上」など、延長できる場合もあります。保険会社によって変わって条件が決まっていますので、必ず確認しましょう。
一般的には支払限度日数が定められている医療保険の保障、上限を気にせずに治療に専念したい場合はそういった商品を選ぶのが良いのではないでしょうか。

民間の医療保険は払い込んだ保険料の元を取るのは難しい

昨今の医療技術の進化により、入院日数は短くなる傾向にあります。
厚生労働省の「平成30年(2018年)医療施設(静態・動態)調査・病院報告の概況」によると、一般病床の平均在院日数は16.1日となっています。
万が一に入院した時に受け取れる医療保険の入院給付金は、「毎月払う保険料の総額を下回る可能性が高まり、元が取れないのではないか」と考える方も多いのではないでしょうか。

しかし、民間の医療保険を準備することで公的な医療費制度の対象外になっている治療法や個室に入院した際の差額ベッド代もカバーすることができます。
また、今後も同様の社会保障制度が続くとは限らないので自己負担の割合が増えていくことも予想されます。
自助努力が必要ではありますが、保険でカバーするという考え方もあり得るのではないでしょうか。

医療費は貯蓄でカバーできる?

「医療保険が必要ない」と言われる理由に、「医療費は貯蓄でカバーできる」というものもあります。
医療保険に月額1000円で保険期間10年間の要件で加入した場合、10年間にかかったコストは12万円になり、その10年間に入院したり手術したりなどしなければ、まるごとコストになったことになります。

ただし、そもそも、保険は万が一の病気や怪我で経済的な負担が発生した時に自力では賄いきれない部分に備えるためもので、医療費がかかった場合には助かる存在です。
たしかに、貯蓄が十分にあれば医療費はカバーできるため、十分な貯蓄がある方は医療保険に加入する必要はないという側面はあります。
一方で、傷病手当などがなく公的な医療保険のカバー範囲は狭い「自営業者」は、民間の医療保険には加入しておいたほうが良いかもしれません。

子供の「医療保険」は必要ない?

「子供は幼いし、医療保険は必要ない」と考える方も多いかも知れませんが、子供だからといって医療保険が不必要とは言えません。現に、子供向けの医療保険も多く用意されています。
子供の入院や手術などに備えるだけでなく、他人を傷つけたり物を壊した時の個人賠償責任補償なども付帯しているので必要な存在になってきますので、子供の医療保険についても考えていきましょう。

子供の入院には備えるべき?

「子供に医療保険は不要」という方は、公的医療制度や助成制度が充実していることを理由に挙げます。
たしかに、自治体によっては、未就学児の医療費の負担割合を減らしていたり、3歳児未満の医療費が無料になるなどの制度を導入しているケースもあります。

しかしながら、公的な医療保険で賄えない部分の出費もあります。
例えば、子供を入院させるための入院時の通院費や、付き添いのためのベッド代などは公的な医療保険では賄えませんし、また、付き添いで入院をする場合などは仕事を休まなければならないなどのケースも出てくるでしょう。
子供であっても医療保険に加入していると、その点はカバーが可能になります。

将来に目を向ければ高まる必要性

子供の医療保険は将来について考えると必要性が高まります。
医療保険は基本的に年齢が若ければ若いほど保険料が安くなるもの。
例えば、子供が幼い段階で医療保険に加入しておけば、大きな病気をしても医療保険でカバーが可能です。
大きな病気をしてから医療保険に加入しようとしても加入ができないケースもあるので、子供が幼いうちに終身型の医療保険に加入しておけばそういった事態を避けることができます。

医療保険が必要な理由

入院したり手術を受けた時に保障が受けられる医療保険。どのような時に必要になるのでしょうか。
公的な医療保険制度の対象外の費用に備えるケースや、長期入院で足りなくなる費用をカバーする時など、ケース別に見ていきましょう。

医療保険の必要性を、ケースで考える

医療保険が必要な場合について、公的な医療保険制度の対象外の費用に備えるケースや個室に入院した場合の差額ベッド費用を支払うケース、先進医療の治療を受けたケースなどについて見ていきましょう。

公的医療制度対象外の費用に備えられる

医療保険に加入しておくと公的な医療費制度の対象外になる費用に備えられます。
公的な医療費では自己負担は現役世代あれば3割で、高額医療費制度も利用すれば月の医療費は8万円~9万円前後で済みます。

医療費は高額医療費制度がありますが、個室を希望する時の差額ベッド代や、入院や手術のために病院に行く際の交通費などは公的な医療保険制度の対象外です。
それらの必要に備えられるのは医療保険の大きなメリットです。

◆入院時の1日あたりの自己負担費用

入院の1日あたり費用は一般的に5000~1万円程度となっています。
4人部屋だと2500円前後ですが、個室の一人部屋になると8000円前後かかるのが一般的になります。
4人部屋以上の大部屋に入院する場合は公的な医療保険で賄える範囲ですが、個室やプライバシーを確保する設備を希望する場合は差額のベッド代を支払わなければいけません。
また、入院時の交通費や入院中に個人的にする買い物などは公的な医療保険の対象外なのでそこに医療保険で備えることができます。

◆先進医療

病気によっては国が公的な医療保険制度の対象外になる先進医療の治療。
がんにおける重粒子線治療などは医療保険の先進医療特約に加入していれば、備えることができます。
先進医療を受けたい場合には医療保険の先進医療特約に加入しておけば備えることが可能です。

今後も同様の社会保障制度が続くとは限らない

高齢化社会を迎えた日本、社会保障費としての医療費は年々増加しています。
現在の公的医療制度は現役世代が3割負担で、高齢者世代は以前は一律で負担割合が1~2割となっていましたが、現役世代並に収入がある高齢者世代も負担割合が3割になるなど変化も起こってきており、今後も現在と同じ社会保障制度が続くとは限りません。
民間の医療保険に加入しておけば、社会保障制度の変化に臆することなく、備えができると言えるでしょう。

ライフステージで考える

医療保険の必要性について。20代~30代、30代から40代、50代以降と世代別に考えてみましょう。

20~30代前半の医療保険の必要性

20代~30代前半であれば、まだ若く病気にかかるリスクは低いと言えますが、若く体力に満ち溢れていても事故や災害のリスクは等しくあり、また、女性特有の病気は20代~30代であってもリスクは存在します。
若い世代は働いている年数が少なく十分な貯蓄が準備できていない方も多いのではないでしょうか。

また、若くても医療保険の必要性は十分にあります。
これから結婚や出産などのライフイベントを控えている方も多く、自身が病気や怪我で働けなくなったことを考えて検討してみるのが良いでしょう。
また、若ければその分保険料は安く抑えられるので、若いうちに終身の医療保険を検討しておくと保障が一生涯続き、保険料が変わらない保険に加入ができます。

30代後半~40代の医療保険の必要性

30代後半~40代は結婚もして子育てをしている最中という方も多いのではないでしょうか?子供が成長すると。学校に通うので教育費が必要です。

また、このライフステージでは住宅を購入する可能性も高いので出費がかさむことが想定されます。
貯金を切り崩して子供の学費や住宅購入をするとなると、万が一の病気や怪我への備えも手薄になります。
そこで、大きな保障を得られる医療保険は心強い存在ではないでしょうか。

50代~の医療保険の必要性

50代以降は子育ても一段落している世代です。また、住宅を購入された方は住宅ローンの終わりも見えてくるではないでしょうか。

年齢とともに病気や怪我になるリスクは上がるため、リタイア後の生活を充実させるには、病気や手術への備えは必要になってくるため、長期入院をしても老後の生活資金を目減りさせないためには医療保険に加入すると大きな備えになるはずです。

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医療保険の必要性が高い人/低い人とは?

医療保険の必要性が高い方は、ずばり「貯蓄が少ない方」です。
貯蓄が少ない方は入院や手術をした時に、生活費にも打撃を受ける可能性が高いです。
これから教育費がかかる子供がいる方や収入を下げたくない方も医療保険に加入しておくと、貯蓄の目減りを心配せず、その部分はカバーができるので安心です。
一方で、貯蓄が十分にある方や公的医療制度で十分と考える方には、必要性は低いかもしれません。

医療保険の必要性が高い人/低い人とは?

ところで、医療保険の中には「女性保険」というものがあります。商品としては、通常の医療保険に女性特有の病気に対応した特約をつけるタイプや、女性用にカスタマイズされた医療保険があります。いずれにせよ「女性保険」とは、通常の医療保険が対象とする一般的な病気やケガに加え、女性特有の子宮頸がんなどの病気にも対応する医療保険のことを指す、といえるでしょう。コスト面では、保障範囲が広がる分だけ保険料も少し高くなります。この保険は加入した方がよいのでしょうか?

前述のように、加入の必要があるかどうかは貯蓄の多さや、加入している公的保険の種類などにもよります。その上で、女性は「乳がん」「子宮頸がん」などの特有の病気に加え、妊娠・出産というリスクもあります。就職時、結婚後、出産後など、保険加入のそれぞれのタイミングで検討する余地はあるでしょう。ただし、女性保険に関しては妊娠7ヶ月目以降の加入ができないなど、加入制限がある場合があります。この点に注意しながら、選択肢の一つとして検討しつつ、加入しようと思った際にはなるべく早い時期から備えておくようにしましょう。

医療保険選びの注意点

病気や怪我による手術や入院に備える医療保険。医療保険選びの注意点は、「定期型」と「終身型」を理解しておくことや、「入院1回当たりの支払限度日数」などにあります。それぞれ見ていきましょう。

保険期間には「定期型」と「終身型」がある

医療保険にはその保険期間に応じて「終身型」と「定期型」があります。
「終身型」は保険料を払い込むことでその保障が一生涯続くタイプ。一生涯に渡って病気や怪我による入院や手術に備えることができます。

定期型は、例えば10年など保障をする期間を区切るタイプです。その期間を超えて保障を受ける場合には更新しなければならず、更新をする際には年齢が上がっているので保険料が上がるケースが多いです。
定期型の保険を選ぶ場合には、更新時に保険料が上がると認識しておきましょう。
自身の契約する医療保険が「終身型」「定期型」なのかはしっかり確認が必要です。

入院1回あたりの支払限度日数が選択できる場合がある

医療保険の注意点、もう一つは入院一回当たりの支払限度日数です。
一般的には60日、90日、120日など入院一回当たりの支払限度日数は決まっており、支払限度日数が短い方が保険料は安く、日数が上がればその分支払う保険料は変わってきます。

がんなどで入院した場合、平均的な入院期間は20日前後と言われているので、多くの場合はカバーできるかもしれませんが、自身が契約する医療保険の支払限度日数がどうなっているかは、しっかりと確認をしてその上で契約をするのが望ましいでしょう。

必要な特約が付加されているか確認する

医療保険には先進医療特約や、がん特約、女性特約など様々な特約があり、特約を追加するとその分保険料は上がります。
特約は途中で解約しても主契約と残った特約で契約は続くことができますが、主契約を解約すると特約も同時になくなるため、特約だけを残すことはできません。ライフプランに合わせて特約を付けたり解約をすることはできるので状況に応じて使っていくことが必要です。

医療保険にがん特約を追加することはできますが、別途がん保険に加入するという選択肢もあります。
自身に必要な特約があるかどうか、それを満たした契約になっているかは確認をしながら契約をしましょう。

まとめ

病気や怪我による入院や手術に備える医療保険は、保険料を支払うことで安心を手にできる保険商品です。
様々な特約があり、自身の状況に応じて備えることのできますので、是非、ピッタリな医療保険を見つけて自身のより良い生活のために役立てていきましょう。

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