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キャリア塾 【第1回】 「大学生の頃から考えていた1社3年のルール」

最終更新:2013/06/27 15:41

特集・コラム [ 蟹瀬誠一コラム ]

蟹瀬誠一のキャリア塾 第1回

「大学生の頃から考えていた1社3年のルール」

蟹瀬誠一氏
明治大学国際日本学部長
国際ジャーナリスト 
蟹瀬誠一氏
これから何回かにわたってキャリアアップの話をしていくにあたり、まずは自分自身の、これまでのキャリアを振り返ってみたい。
大学生の頃から漠然と、「同じ会社に勤めるにしても、1社3年だな・・・・・・」と思っていた。まあ、何とも生意気な話だが、そう思った理由は2つある。
ひとつは、ひとつの事を3年も続ければ、相応の実力は身に付くだろうし、それ以上続けても飽きるだけだと思っていたから。それなのに、ひとつの会社に縛りつけられなければならないというのは、自分の性格からして、まず我慢できないだろう。
もうひとつは、常に新しいことにチャレンジできる環境に、自分を置いておきたかったからだ。
こうした2つの理由を考えると、やはり3年に1度のペースで、働く場を変えた方が良いという結論に達するし、実際、これまでの自分のキャリアは、ほぼそれを実践してきた。
最初の就職先は、米国の通信社、AP通信社だ。職種は記者職。当時の東京支局は記者が70人いて、日夜取材活動に明け暮れていた。
この3年間では、文章の書き方、取材力を身につけるとともに、少しでも大きなバイ・ラインを書くことを心がけてきた。バイ・ラインというのは自分の署名原稿のことだ。誰よりも大きく取り上げられる署名記事を、1本でも多く書くことができれば、自分の名前が外部に知れ渡る。それは、次の転社時に役立つはずだというのが、当時の戦略だった。
AP通信社で2年が経ったあたりから、就職活動を始めた。もちろん、ヘッドハンターの眼鏡にかなうような立場ではないし、外資系は定期採用を行うわけではないから、自分で探すことになる。この時はたまたま、全国紙の求人欄にフランスのAFP通信社が求人広告を出していたので、面接を受け、入社が決まった。
AFP通信社の東京支局は、AP通信社に比べるとはるかに規模が小さく、記者の数は10人程度だったが、決して格落ちというわけではない。自分から、敢えて小さいところを選んだ。というのも、小さいところだったらトップ記者になれる確率が上がるからだ。実際、私はAFP通信社東京支局でトップ記者になり、それがきっかけでAFP通信社のアジア代表として、オリンピックなどさまざまな国際イベントの取材に携わるチャンスにも恵まれた。
実は、AFP時代は子供が生まれたこともあり、生活基盤を安定させる必要性が生じたことから、結局、10年もいることになった。
でも、同じことを10年も続けていると、さすがに自分の仕事に対する疑問が浮かんでくる。通信社の記者といえば、ひたすら目先のニュースを追いかけ、誰よりも早くそれを記事にするということの繰り返しになる。もう少し物事をじっくり考える時間が欲しい、もっと知識も付けたい、という欲求がフツフツと湧いてきた。
蟹瀬誠一氏
多くの人は、こういう気持ちになると留学に逃げようとするが、私も御他聞に漏れず、同じことを考えた。で、家財道具の一切合財を売り払い、子供の預金も全額引き出してキャッシュを作り、家族揃って1年間の米国生活を送ることにした。留学先はミシガン大学のジャーナリズム学科だ。
もちろん、帰国後のプランなど何も考えていない。下手をすれば無職である。でも、我が家はたまたま妻がフルタイムで働いていたので、完全な無収入になるという事態だけは、避けることができた。そう考えると、キャリアアップに必要なのは、稼いでくれる妻の存在なのかもしれない。
運よく無職にはならず、たまたま留学の時に知り合ったタイム誌の重役の紹介で、タイム誌東京特派員として帰国。完全フレックスタイム、個室あり、秘書付きというなかなかの好待遇だったが、ここも3年間で辞めた。理由は、自分以上に筆の立つ連中が多く、どうあがいてもこいつらにはかなわないと思ったからだ。相手があまりにも強い存在だと、どうしても戦う熱意は失せてしまうものである。
さあ、どうしようかと考えあぐんでいる時、たまたま降ってわいたように訪れたチャンスが、テレビ界への転身だった。タイム誌東京特派員時代に、これもたまたま日本のテレビ業界の取材をしていたことで、当時、TBSの役員だった方と知り合う機会が得られた。その方からのオファーである。副部長として来ないかという誘いだったが、この頃はもう会社勤めに興味が無くなっていたので、フリーとしてテレビキャスターの道に入ることになった。そして、それ以降、いくつかのテレビ番組を担当し、現在は明治大学国際日本学部長、アコーディアゴルフ取締役を務めさせてもらっている。
これまでの自分のキャリアを眺めると、比較的上手くいった方だと思う。もちろん、私自身の「運」が良かったという面もあるが、だからといって「自分は運がないから」などと諦める必要はない。運は自分で手繰り寄せることができるからだ。
そのためには、1も2もなく、一人でも多くの人に会うことだ。社内人脈だけでなく、外部にも人脈のネットワークを拡げていく。それが自分に新しいチャンスをもたらしてくれる。それこそが、キャリアアップにとって一番の要諦ではないだろうか。
掲載日:2011年月03月23日

プロフィール
蟹瀬誠一(かにせ せいいち)氏プロフィール
明治大学国際日本学部長
元スーパーモーニングニュースキャスター

米AP通信社記者、仏AFP通信社記者、米『TIME』誌特派員を経て、91年にTBS『報道特集』キャスターとして日本のテレビ報道界に転身。文化放送「蟹瀬誠一、ネクスト」のパーソナリティ、『経済討論バトル頂上決戦』 (朝日ニュースター)『賢者の選択』(BS朝日)『地球感動配達人 走れ!ポストマン』(TBS)などのキャスター・レギュラーコメンテーターを務め、カンボジアに小学校を建設するボランティア活動や環境NPO理事としても活躍。2004年から明治大学文学部教授、2008年から同大学国際日本学部長に就任。
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