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投信フォーカス - 住信 毎月分配パッケージファンド(愛称:分配ファミリー)』(住信アセットマネジメント) - 注目の投信(第93回) - 投資信託

最終更新:2013/06/27 16:46

投資信託 [ 注目の投信 ]

海外債券を主体とし、これに株式を組み合わせて住信アセットマネジメントが運用する『住信 毎月分配パッケージファンド(愛称:分配ファミリー)』が、「QBRファンド総合ランキング 2008年秋号」の「資産分散部門」での首位に立ち、ならびに「総合部門」で2位に入った。ランキングは追加型株式投信について主な投資対象別に、08年9月末まで1年間の運用効率と資金流入額の両面を評価した。

複数の資産を組み合わせて運用する資産分散型(バランス型)投信は、運用成績が軟調となり全体として資金流出傾向にある。その中で、「分配ファミリー」は継続的に資金を集め、1年間の資金流入額は718億円に達し資産分散型で最大だった。純資産残高は2000億円を超え(08年9月末時点)、住信アセットマネジメントの公募投信では最大規模に成長した。

運用開始はちょうど3年前の05年10月下旬。「団塊の世代を中心とする高齢層の投資家が初めて手掛ける投信として、海外債券中心に値動きのブレ幅を抑えながら年金代わりの安定的な分配収益を得られ、リスクがより高い株式を一部組み入れて中長期での収益成長も期待できるような商品設計とした。分配金は07年8月から08年10月まで毎月70円(1万口当たり、税引き前)を継続しているが、今後の運用成績次第では減配の可能性もある。分配金70円の内、約40円を組み入れ債券の利息収入と株式配当金でまかない、残り約30円は過去の値上がり益の蓄積分などの分配余力を原資としている」(住信アセットマネジメントの橋本隆吾、商品・投資ソリューション部長)。

世界的な金融危機の影響は免れず、基準価額(分配金込み)は9月末までの1年間で8.9%下落したが、大半の投信の基準価額が下落した中で、下落率は資産分散型の中でも小さい部類に入った。海外債券と株式の組み合わせ、しかもその比率が約8:2というオーソドックスな組み合わせが下振れリスクを抑えた格好だ。


「分配ファミリー」のサイト: http://www.sumishinam.co.jp/fund/lineup/detail/index.php?fund_id=19

海外債券8:株式2の組み合わせの根拠として、橋本氏は「シミュレーションを行うと配分比率が7:3〜8:2の間で、ファンド全体の価格変動リスクに対する期待リターンの割合(運用効率)が最も高くなるという分析結果がでた。そのうえで、毎月分配する原資を確保することを考慮し、8:2の配分比率にした」ことを挙げ、「海外債券については、(1)先進国外債、(2)米国債券、(3)欧州債券、(4)豪州債券、(5)新興国債券(米ドル建て)の5種類の資産とし、(1)は全体の20%、(2)から(5)は各15%組み入れ、株式は(6)海外株と(7)日本株に各10%ずつ投資。海外株は先進国の高配当利回りの公益株に投資し、日本株はTOPIX(東証株価指数)への連動を目指すインデックス運用を行う。これら7資産の内訳は主に地域分散を考慮して決めた」

「7資産の配分比率を基本値に戻すリバランスは、基本値からのかい離が大きくなった時点で随時行う。ただし、設定以降これまでは日々の資金流入である程度調整できたうえ、中心となる外債部分の値動きがそれほど大きくなかったため、積極的なリバランスは一度も行っていない。その結果、基本配分比率から最もかい離している比重は日本株部分の7.9%(08年9月末時点)だが、市場環境も視野に入れ基本値には戻していない」と説明する。

設定以降約3年間の値動きを外債投信の平均的動きと比較すると、価格変動リスク(年換算)は13.2%で外債投信の平均の11.6%よりやや大きい。これに対応し、1年間騰落率(分配金込み)の最高(プラス)と最低(マイナス)も外債投信の平均に比べやや大きい(表−1)。リスク・リターンの傾向に、海外債券と株式を組み合わせた特色が出ていると言える。

運用の特色として、各資産(計7資産)の運用は、自社や他の運用会社が運用するファンド7本(注1)に投資するファンド・オブ・ファンズ(FOF)形態で行っている。「住友信託銀行グループでの運用で馴染みのある世界の著名運用会社を中心に、運用実績に定評のあるファンドを絞り込んだ。ファンドの事後評価はきっちり行っており、現地での運用体制など内部評価のための分析レポートを定期的に作成している」(橋本氏)。FOF運用では投資先ファンドの運用コストを含めた信託報酬が高めになりがちだ。「分配ファミリー」での投資先ファンドを含む実質的信託報酬率は概算で年率1.34%前後と、海外債券と株式を組み合わせるFOFの中では比較的抑え気味の水準に入る。

注意したいのは、最近の金融市場の混乱で、世界の株式市場や円相場の値動きのブレ幅(ボラティリティーと呼ぶ価格変動リスク)がかつてない程切り上がってきている点だ。「分配ファミリー」の運用成績を月間で追ってみても、昨年以降、ブレ幅が大きくなったことがわかる(グラフ−2)。金融市場の混乱が沈静化し、ボラティリティーがある一定水準をめがけ低下してくるまでの間しばらくは、基準価額の上下へのブレ幅が比較的大きい展開が継続する可能性が増している。

また、投資先7本のファンドの動きをみても、最近は連動性が高まり全面安の動きが目立つ。これについて、橋本氏は「昨年、米サブプライムローン問題が拡大して以降、グローバルな金融市場の一体化が進んだことも背景に、世界の株式と日本株との連動性や、米ドルやユーロなど主要通貨に対する円相場の間の連動性が以前に比べ高くなってきた。ただ、連動性を示す相関係数(表−2)をみると、海外債券(円換算)と株式(円換算)との連動性は『分配ファミリー』設定以降の約3年間ではそれほど高くなく、地域分散した先進国債券(円換算)の間の連動性も高くはない結果が出ている。短期的には円相場が主要通貨に対し、全面安や全面高など一方向に動く局面はあるが、中長期的には、全体のリスクを抑えながら高めのリターンを狙う分散効果は失われていないと考える。この1年の下落や最近の大幅下落をみて、投資家が分散の効用を懐疑的に感じる場合には、現預金の比率を高める対応も一法だろう」と指摘する。

売買に適用される基準価額の日付にも目配りが必要だ。売買申し込み日の翌々営業日の基準価額が適用される。外貨建て資産で運用するFOF運用の多くは、当日夕方以降に公表する基準価額を算出する際には、投資先ファンドの時価として一般的な外貨建て投信よりもさらに1営業日前の時価を適用するためだ。当日の基準価額に反映される時価として、海外公益株は日本時間でみて前日夜間の海外株価と円相場、日本株部分は前営業日の株価を採用。それ以外の資産の時価評価には、前々日の海外債券価格と前営業日午前中の円相場を採用する。

特に留意すべきとして橋本氏は、日本株部分の約1割以外、ファンド全体の約9割を外貨建て資産で占める点を挙げる。「海外債券では、格付けが投資不適格の新興国債券を一部含むが、全体の約65%を信用力が高い先進国債券で占める。インフレ圧力の鎮静化による金利低下傾向や金融危機が実体経済に及ぼす悪影響を見極める動きから安全資産として国債が買われ、先進国の足元の国債価格は強含んでいる。ただ、為替変動リスクが伴う点は十分認識して欲しい」(橋本氏)。


執筆:QBR 高瀬浩(掲載日:2008年11月5日)

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