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ファンド逸品セレクション「『地球温暖化対策』、『水資源』がテーマ SRI・環境関連ファンド続々登場」 - 注目の投信(第26回) - 投資信託

最終更新:2013/06/27 16:28

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投資信託 [ 注目の投信 ]

【第26回】ファンド逸品セレクション「『地球温暖化対策』、『水資源』がテーマ SRI・環境関連ファンド続々登場」

設定相次ぐSRI・環境関連ファンド

環境問題に取り組む企業などに投資する投資信託(SRI・環境関連ファンド)の設定が相次いでいます。今年に入って投入されたSRI・環境関連ファンドは、6、7月だけで6本と新規設定に拍車がかかっています(図表1、図表2参照)。業界の垣根を越えて、各企業が環境問題への取り組みでしのぎを削るエコブームの真っ只中、6月には主要国首脳会議(ハイリゲンダム・サミット)で、地球温暖化対策について「2050年までに温暖化ガスの排出量を半減させることを検討する」ことで合意。まさに、エコブームの流れが資産運用ビジネスにも押し寄せた格好です。

<図表1>2007年に新規設定された主なSRI・環境関連ファンド

設定日 運用会社 ファンド名 愛称 販売会社
2/16 住信AM STAM SRI・ジャパン・オープン(SMA専用) 住友信託銀行
6/15 日興 グローバル ウォーター ファンド あおぞら銀行、滋賀銀行、ジョインベスト証券
6/21 日興 世界銀行債券ファンド(毎月分配型) ワールドサポーター 千葉銀行
6/29 ユナイテッド ニュージェネレーション世界環境ファンド 水と太陽 荘内銀行
7/25 新光 地球温暖化防止関連株ファンド(3ヵ月決算型) 地球力II 常陽銀行、東和銀行、インヴァスト証券、ウツミ屋証券、永和証券、岡安証券、大山日ノ丸証券
7/26 ドイチェ DWS 地球温暖化対策関連株投信 《単位型》 野村證券
7/27 三菱UFJ 三菱UFJ グローバル・エコ・ウォーター・ファンド ブルーゴールド 三菱UFJ証券
※対象は国内設定の公募株式投信。販売会社は一部を除き設定時点。
日興「世界銀行債券ファンド(毎月分配型)」は、新興国通貨建て世界銀行債券への投資を通じてSRI(社会的責任投資)に参加できる(運用会社発行の目論見書より)。

<図表2>主なSRI・環境関連ファンドの年別新規設定本数

<図表2>主なSRI・環境関連ファンドの年別新規設定本数
※対象は国内設定の公募株式投信。主要投資対象によって4つに区分。

「地球温暖化対策」、「水資源」がテーマ——ファンド続々登場

特に最近のSRI・環境関連ファンドがテーマとしているのが、「地球温暖化対策」と「水資源」の2つです。「地球温暖化対策」としては、その原因となっている工場や自動車の排気ガスに含まれる二酸化炭素をはじめとした温室効果ガスの排出量を抑えるために必要な、太陽光発電などのクリーンエネルギー、ハイブリッド車などの省エネ技術が注目されています。「地球温暖化対策」を運用方針の柱に掲げるファンドとして、2006年6月に「地球温暖化防止関連株ファンド(3ヵ月決算型)(愛称:地球力?)」が設定されました。また同月には、野村證券が募集した単位型の「DWS 地球温暖化対策関連株投信」(ドイチェ・アセット)も設定されるなど、続々と登場しています。
地球温暖化や環境汚染、人口増加などにより深刻化しているのが「水資源」の問題です。水関連企業に投資する、いわゆる「ウォーター・ファンド」は、廃水処理や飲料水の浄水、海水の淡水化といった水の再生利用等を可能にする水処理技術など高い技術力に着目します。「ウォーター・ファンド」の先駆けは、2004年3月に野村アセットが設定した「三菱UFJ グローバル・エコ・ウォーター・ファンド(愛称:ブルーゴールド)」(三菱UFJ投信)と相次いで設定されており、この分野の注目度の高さがうかがえます。
※代表的なSRI・環境関連ファンドの運用成績グラフは、図表3参照。

<図表3>主なSRI・環境関連ファンドの運用成績

【日本株運用】

<図表3>主なSRI・環境関連ファンドの運用成績【日本株運用】

【海外株運用】

<図表3>主なSRI・環境関連ファンドの運用成績【海外株運用】
※それぞれ2007年6月末時点の純資産残高が上位の2本。
2004年6月末を100として指数化。分配金込みの運用成績。
国際株平均=QUICK−R&I投信指数(国際株型(ノーヘッジ))、
国際資源株平均=QUICK−R&I投信指数(国際資源株型(ノーヘッジ))。

SRI・環境関連ファンドの歩み

ここからは、日本のSRI・環境関連ファンドが辿った道のりを、環境関連ファンド(=エコファンド)を中心に簡単に振り返っていきたいと思います。

社会的責任投資としてのエコファンド

環境問題の注目度が高まるにつれ、それを取り巻く環境ビジネスの拡大が期待されています。資産運用業界もこの動きに注目しているわけですが、投信におけるエコブームは今回が初めてではありません。
今から8年前に複数の運用会社が立て続けに環境関連ファンドを設定したことがありました。その先駆けとなったのが、1999年8月に設定された「日興エコファンド」も、このSRIの考え方に似た商品性ということで、日本のSRIファンドの元祖とも言える存在となったのです。
こうした成り立ちが理由で、日本のSRIファンドの黎明期には、ファンド名に「エコ」などを冠し、環境への取り組みをテーマにする商品が主流でした。その状況を変えたのが、2000年9月に設定された「朝日ライフSRI社会貢献ファンド(愛称:あすのはね)」(朝日ライフ アセット)です。「社会に貢献する企業の株式に投資する」ことを謳った本格的なSRIファンドが日本にも誕生したのです。その後、複数の運用会社がこれに続きました。しかし、この時期は、ITバブル崩壊後の株式相場全体が低迷したときと重なり、SRIファンド全体の規模は、その後しばらく縮小することとなったのです(図表4参照)。

<図表4>主なSRI・環境関連ファンドの純資産残高推移

<図表4>主なSRI・環境関連ファンドの純資産残高推移
※対象は国内設定の公募株式投信。
SRI・環境関連ファンドと商品性に重なる部分がある2ファンドを積み上げた。

環境技術へ投資するエコファンド

ここ数年、急速に経済発展を続ける新興国では工業化が進み、地球規模での環境汚染が一段と深刻な問題となっています。こうしたことを背景に、優れた環境技術を有する日本企業に注目したファンドがあります。2006年3月に大和投信が設定した「ダイワ・エコ・ファンド」です。同ファンドの販売用資料に「環境活動を行ない地球に優しい事業を、といういわゆる『倫理観、責任感』や『企業イメージ』から『本業を通じた環境への取り組み』へ」とあるように、従来のエコファンドとは違い、環境技術を持つ企業、拡大する環境ビジネスそのものをターゲットとしているのが特徴で、今日につながる環境関連ファンドブームの先駆けとなりました。最近では海外に投資するファンドが増えており、冒頭でも触れたように「地球温暖化対策」や「水資源」といった、より具体的なコンセプトを打ち出した商品が注目を集めています(図表1参照)。

SRI・環境関連ファンドの現状

SRI・環境関連ファンドと言っても、その内容は多岐に亘っており一言で定義するのが難しくなってきています。従来のSRI・環境関連ファンドだけで40本強あり、残高は合計約3100億円あります(2007年6月末時点)。さらに、SRI・環境関連ファンドと商品性に重なる部分がある、野村アセットの「日興・DWS・ニュー・リソース・ファンド(愛称:ライジング・トゥモロー)」(ドイチェ・アセット)を加えると、その倍の6200億円にまで膨れ上がります(図表4参照)。他にも、資源・エネルギー・食糧に関連したファンドや、環境関連の商品指数に連動したファンドなど、環境問題と関係の深いファンドが相次いで登場しています。環境関連のテーマは、今後しばらく注目を集めることとなりそうです。
執筆:QBR 鈴木保博(2007年7月)
掲載日:2007年7月27日

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