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「お金の計画ケース−1−　年に一回は旅行に行く暮らし」 - 老後の資産運用（第17回） - ビギナー・基礎知識

最終更新：2013/06/27 16:09

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1. ビギナー[老後の資産運用]

ビギナー [ 老後の資産運用 ]

老後のお金のシミュレーションを無理して厳密に行う必要はありません。長期にわたってインフレが生じたり、年金額が改定されたりして、状況が変化していくからです。家計の支出についても今から数十年先のことまで予測するのは不可能です。; しかし、まったく検討せずに老後の生活をスタートさせてしまうのも乱暴な話です。そこで、大まかではあっても、ある程度具体的に老後のお金の計画を考えてみたいと思います。まずはＡさん夫婦のモデルです。
［現状や希望］: Ａさんは会社員ですが63歳まで継続雇用で働いてきました。誕生日を迎え、国の年金が満額もらえるようになったこともあり、リタイアを決断しました。妻Ｂさんは４歳年下で専業主婦であったため、まだ国の年金はもらっていません。; Ａさんは退職時に退職金を2500万円受け取りました。手元の資産としては生保の満期金や財形などの資産が合計で1500万円ほどあります。不動産については2500万円ほどの価値がありますが、これは手放すつもりはありません。; 二人の希望は、年に１回くらいは旅行に行く暮らしがしたいということです。今の持ち家は住宅ローンを完済しましたし、当面大きな改修などは不要です。毎月の生活については特にぜいたくをするつもりはありませんが、国の年金だけでは少し不足。毎月４万円ほどプラスできればいいなと考えています（国の年金だけの生活に毎週１万円程度の余裕をプラスするイメージ）。
［家計の収支の分析］: まず、収支のバランスについておおまかに考えてみます。Ａさん、Ｂさんが二人とも年金を受け始めてから、収支は毎月マイナス４万円で安定しますが、Ｂさんが65歳になるまでの４年間はＢさんの年金に相当する分がさらにマイナスになります。この期間は国の年金が約50万円不足すると見込みました（夫には加給年金がつくので妻の年金全額分マイナスにはならなくてすみます）。この分については仕方ないので取り崩しをすることとします。; 年１回の旅行の予算は少し奮発して30万円かけることとしました。国内であれば、２泊３日程度で少し広い宿に泊まるイメージです。海外でもツアーなら１週間くらい行けるでしょう。それ以外の大きな臨時出費はとりあえず考慮せずシミュレーションをすることにしました。期間は30年間で見積もってみます。; 期間の利息などを加味しない場合、合計で必要な出費は2540万円かかることになります。退職時に持っていた資産のほぼ半分がなくなってしまう計算ですが、まだ不動産に手をつけなくてもすみますし、資産も1400万円程度は残ります。; 夫婦で相談してみたところ、実際には30年も毎年旅行にはいかないだろうという結論に達しました。毎年行くのは最初の10年くらいで、その後は数年に１回程度行けばいいという感じです。そうなると数百万円は浮くことになります。また、必ず30万円の予算を費やす必要もありません。国内であれば10万円程度ですむかもしれません。仮に１回あたりの旅行の費用を20万円で、10年目以降は２年に一度と仮定すれば500万円の節約になりますから、老後の資産にはかなりの余裕が生まれそうです。; あまり家計に余裕はありませんが、年に１回程度の旅行は実現できそうだということが分かりました。ＡさんとＢさんは早速、今年の旅行の計画を検討し始めました。
: 掲載日：2007年11月28日