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UACJ:世界で拡大するアルミ缶需要を追い風に、リサイクルと先端分野で成長加速
配信日時:2026/01/22 15:06
配信元:FISCO
*15:06JST UACJ:世界で拡大するアルミ缶需要を追い風に、リサイクルと先端分野で成長加速
UACJ<5741>は、古河スカイと住友軽金属工業の経営統合により誕生したアルミニウム圧延品メーカーであり、アルミ缶材を中心とする板製品分野で国内トップの生産量を誇る。アルミ圧延品における国内シェアは約53%とされ、飲料用アルミ缶材では中核サプライヤーとしての地位を確立している。事業はアルミニウム圧延品を中核とし、日本・米国・タイの三極体制で生産拠点を構築している点が特徴で、売上高の6~7割を海外が占めるなど、グローバル分散が進んだ事業構造を有する。
同社のビジネスモデルは、アルミサプライチェーンのうち、調達した地金を「溶解・鋳造、圧延・加工」し、様々な産業に素材を提供している点に特徴がある。アルミ地金価格については、フォーミュラー制(地金価格を販売価格に連動させる仕組み)により顧客へ転嫁されるため、価格変動リスクは構造的に限定的である。一方、収益の源泉はロールマージン(加工賃)にあり、数量動向や価格改定のタイミングが利益水準に影響を与える。製品構成は、板事業が売上の約85%を占め、その内訳は缶材が約67%、自動車材が約11%、その他に半導体製造装置などに使用される厚板などが含まれる。
2026年3月期第2四半期累計の連結業績は、売上収益5,401億円(前年同期比10.9%増)、営業利益226億円(同36.6%減)と増収減益で着地した。売上高はアルミ地金価格上昇の影響に加え、海外での缶材需要が堅調に推移したことで増加した。一方、利益面ではリサイクル原料価格の上昇や、タイ子会社におけるバーツ高・ドル安の為替影響が収益を圧迫した。また、上期は一過性の要因によるコスト上昇も減益要因となった。
価格転嫁の進捗において、ロールマージンについては2025年4月出荷分からの値上げを実施しており、その効果は下期にかけて段階的に寄与する見通しだ。会社側も、上期はコスト影響が先行した一方、下期には価格改定効果や数量回復により利益を取り戻す構図を想定している。
通期業績見通しについては、2026年3月期の売上高1兆1,000億円(前期比10.1%増)、事業利益460億円(同微増)、営業利益550億円(同4.1%減)を計画している。営業減益基調ではあるものの、減益率は縮小しており、実力ベース(棚卸資産影響を除いた収益力)を示す事業利益では増益基調を維持しているとみられる。加えて、アルミ地金価格の変動に伴う棚卸資産影響の好転などを背景に、親会社株主に帰属する当期利益は従来予想の200億円から230億円へ上方修正された。
市場環境を見ると、アルミ缶需要は日本では横ばいから微減が見込まれる一方、北米では年率約3%、アジア・オセアニアでは約4%の成長が見込まれており、世界的には成長産業として位置付けられている。脱プラスチックの流れによるアルミ缶への回帰や、新興国での人口増加に伴う飲料需要拡大は、同社にとって追い風となる。特に北米拠点は米国の国内産業強化政策の恩恵を受けやすく、タイ拠点はアジア・中東・アフリカ向け輸出のハブとしての役割が期待される。
中長期的には、第4次中期経営計画において2027年度に売上高1兆500億円、事業利益600億円、Adjusted EBITDA1,000億円、ROE9%以上を目標に掲げている。前中期経営計画で構造改革と基盤強化を進めたうえで、現中計は「攻めのフェーズ」と位置付けられている。成長戦略の柱は、使用済み飲料缶(UBC)を中心としたリサイクルの推進と、電池、半導体製造装置、航空宇宙・防衛といった先端分野向け材料の強化だ。航空宇宙・防衛材の売上構成比は現状で約1%と小さいものの、次期中計以降での成長分野として位置付けられている。
株主還元については、2026年3月期の配当を42円(4分割後)とし、配当見通しを期初予想から上方修正した。配当性向30%以上を目途に、安定的かつ継続的な配当を目指すことを基本方針としつつ、成長投資とのバランスを重視した還元を継続する姿勢が示されている。株式分割により投資単位を引き下げ、個人投資家層の拡大を図る姿勢がうかがえる。
総じて同社は、短期的には原材料価格や為替といった外部環境の影響を受けやすい局面にあるものの、アルミ缶材を中心とする安定した需要基盤と、地金価格変動を吸収しやすいビジネスモデルを有している点が強みだ。中長期的には、世界的なアルミ缶需要の拡大と、リサイクル・先端分野への展開が収益構造の高度化につながるかが、評価の焦点となろう。
<NH>
同社のビジネスモデルは、アルミサプライチェーンのうち、調達した地金を「溶解・鋳造、圧延・加工」し、様々な産業に素材を提供している点に特徴がある。アルミ地金価格については、フォーミュラー制(地金価格を販売価格に連動させる仕組み)により顧客へ転嫁されるため、価格変動リスクは構造的に限定的である。一方、収益の源泉はロールマージン(加工賃)にあり、数量動向や価格改定のタイミングが利益水準に影響を与える。製品構成は、板事業が売上の約85%を占め、その内訳は缶材が約67%、自動車材が約11%、その他に半導体製造装置などに使用される厚板などが含まれる。
2026年3月期第2四半期累計の連結業績は、売上収益5,401億円(前年同期比10.9%増)、営業利益226億円(同36.6%減)と増収減益で着地した。売上高はアルミ地金価格上昇の影響に加え、海外での缶材需要が堅調に推移したことで増加した。一方、利益面ではリサイクル原料価格の上昇や、タイ子会社におけるバーツ高・ドル安の為替影響が収益を圧迫した。また、上期は一過性の要因によるコスト上昇も減益要因となった。
価格転嫁の進捗において、ロールマージンについては2025年4月出荷分からの値上げを実施しており、その効果は下期にかけて段階的に寄与する見通しだ。会社側も、上期はコスト影響が先行した一方、下期には価格改定効果や数量回復により利益を取り戻す構図を想定している。
通期業績見通しについては、2026年3月期の売上高1兆1,000億円(前期比10.1%増)、事業利益460億円(同微増)、営業利益550億円(同4.1%減)を計画している。営業減益基調ではあるものの、減益率は縮小しており、実力ベース(棚卸資産影響を除いた収益力)を示す事業利益では増益基調を維持しているとみられる。加えて、アルミ地金価格の変動に伴う棚卸資産影響の好転などを背景に、親会社株主に帰属する当期利益は従来予想の200億円から230億円へ上方修正された。
市場環境を見ると、アルミ缶需要は日本では横ばいから微減が見込まれる一方、北米では年率約3%、アジア・オセアニアでは約4%の成長が見込まれており、世界的には成長産業として位置付けられている。脱プラスチックの流れによるアルミ缶への回帰や、新興国での人口増加に伴う飲料需要拡大は、同社にとって追い風となる。特に北米拠点は米国の国内産業強化政策の恩恵を受けやすく、タイ拠点はアジア・中東・アフリカ向け輸出のハブとしての役割が期待される。
中長期的には、第4次中期経営計画において2027年度に売上高1兆500億円、事業利益600億円、Adjusted EBITDA1,000億円、ROE9%以上を目標に掲げている。前中期経営計画で構造改革と基盤強化を進めたうえで、現中計は「攻めのフェーズ」と位置付けられている。成長戦略の柱は、使用済み飲料缶(UBC)を中心としたリサイクルの推進と、電池、半導体製造装置、航空宇宙・防衛といった先端分野向け材料の強化だ。航空宇宙・防衛材の売上構成比は現状で約1%と小さいものの、次期中計以降での成長分野として位置付けられている。
株主還元については、2026年3月期の配当を42円(4分割後)とし、配当見通しを期初予想から上方修正した。配当性向30%以上を目途に、安定的かつ継続的な配当を目指すことを基本方針としつつ、成長投資とのバランスを重視した還元を継続する姿勢が示されている。株式分割により投資単位を引き下げ、個人投資家層の拡大を図る姿勢がうかがえる。
総じて同社は、短期的には原材料価格や為替といった外部環境の影響を受けやすい局面にあるものの、アルミ缶材を中心とする安定した需要基盤と、地金価格変動を吸収しやすいビジネスモデルを有している点が強みだ。中長期的には、世界的なアルミ缶需要の拡大と、リサイクル・先端分野への展開が収益構造の高度化につながるかが、評価の焦点となろう。
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